土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

双尾の人魚のいわれ - Melusine (ver.2)

2014-01-06 | 随想

双尾の人魚のいわれ -Melusine (ver.2)

このブログの冒頭に掲げている、二つの尾を持った人魚について、最近いくつか気がついたことあります。

かのスターバックスのトレードマークが、よく見るとやはり二つの尾を持った人魚でした。このマーク、英語では twin-tailed mermaid と書くようです。錬金術的サイレン=Alchemical Sirenとも呼ぶようです。『オデュッセイア』のセイレーンから、「くすしき魔歌(まがうた)うたうローレライ」(近藤朔風)などに連なる存在です。

twin-tailed mermaid は、より正確に言えば、ヨーロッパに伝わる水の妖精 Melusine でしょう。異類婚姻譚の主人公で、話によっては蛇や人魚の姿をとり、翼を持つこともあるようです。

私の写真は、コペンハーゲンでクレディット・カードを奪われ、オーフスで妹の死去を聞いたあとのものです。鉄道でドイツに移動して、フランクフルトで一晩泊まったとき、駆け足で街を見て回ったのですが、人魚はビルの小さな入口の上に掲げられていました。いろいろとインパクトの強い旅でした。

今から場所も判らないが、twin-tailed mermaid をグーグルの図像検索をかけると実に多くの図が見つかります。でもこのブログのように尾が左右複雑に交差したものは少数派です。インターネットを検索しても、彼女自身は私の写真以外には出てこないようです。私の忘れることのできない像です。

なお、スターバックスは世界中でこの双尾の人魚のマークを掲げているのですが、サウディアラビアに店を出したときは人魚を廃したそうです。女人像はタブーなのですね。スターバックスのマークの初期は,胸がもう少し露わだったようですが。

スターバックスのロゴ・デザインについて徹底的に追求したブログがある。「スターバックス・ロゴはいかに下品でなくなったか」という話です。図像の変遷に関して実に詳しい。デザイナーも登場します。


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1 コメント

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奇怪な双尾の人魚 (虻曳)
2021-12-30 12:54:32
双尾の人魚にはさらに奇怪なものがあった。イタリアの中央部のカトリック「グロピナGropinaのサンピエトロ教区聖堂 の説教壇」のものである。次のリンクに見える。
https://www.facebook.com/photo/?fbid=4649644455143288&set=pcb.4649646481809752
これが誰の本か知らないが、他のいろいろなリンクを見ているとこれにはミソジニー的要素があると言う、な~る。
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