合気道鴻心館《明月会》Meigetsukai

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内弟子.9 《掃除・片付け・準備・見る=学ぶ・忍耐》

2017年06月05日 | 合気道
内弟子シリーズ 第9号

 


 写真は、祖父の鍛冶場(昭和48年頃)で

 和歌山県海南市にありました。

 その二階に和室があり家族が住んでいました。

 私もいた時は二階で寝起きし

 「村の鍛冶屋」という唄の歌詞にもあるように

 早朝から

 下の鍛冶場からはトン・トン・トン、テン、カンカン

 と槌(つち)の音が聞こえてきてよく目を覚ましたのを懐かしく思い出します。


 さて、鍛冶の内弟子ですが、

 弟子は祖父(親方)よりも早く起きて
 
 たぶん5時前には起きていたんでしょう

 まず準備、火入れの準備をします。

 写真のころは既に

 鞴(ふい ご)はモーターになって風を送っていましたが

 昔の手で風を送る手動のふいごもしまってありました。

 
 おそらく手動のふいごは戦前使っていたのでしょう。

 さて弟子の仕事ですが

 重要なことは、技術を覚えるだけでなく

 鍛冶仕事の準備、道具の手入れ、後片付け、配達、なんでもしました。

 武道でもそうですが練習生と弟子は違います。(本当はちよっと違いますがそれはさておき)

 弟子はお客さんじゃありません。

 内弟子は、技術だけ学びに来て帰るというようなことは100%しません。

 自由時間はほとんどなく

 へっついさん(釜戸のことー私の田舎、和歌山県海南市ではそういっていた)の当番では

 まき割り(私もよく手伝いましたが)をしたり

 とにかく何でもしていたのが内弟子です。

 昼の休憩の時間も

 祖父のうつまねをして技や工程なんかを確認します。

 槌でもいろんな種類の槌があり

 大きさや形が違うため幼稚園の頃、私は鍛冶場でそれらを使い遊び

 ちらかしてしまうと

 お弟子さんたちがそれら道具を元あった場所に戻しておいてくれたと後に聞かされたものです。

 今思い返すと全ては懐かしい記憶ですが

 内弟子さんたちにしてみれば

 それら全ては一言で言うと、「忍耐」なんです。

 独り立ちするまでの修行

 人生の中でもすごく濃い時間をもった期間です。

  
 
 

 
 

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