音信

小池純代の手帖から

日毎の音 氷 201017

2020-10-17 | 日記
  氷


 うすごほり次第に厚くなつてゆくごとしも秋の空の紺色


 おのづからとけてけむりになるこほりドライアイスのいのちのちから


 酷薄の暑さの果てのかき氷俊成卿の末期偲ばゆ


 ほそほそと天降るひかりのわたくし児粉雪の仏陀氷雨のイエス
      天降:あも    児:ご 粉雪:こゆき

 泥濘に踏み入ることも薄氷を踏み割ることもたえて久しき







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