音信

小池純代の手帖から

日毎の音 火 201023

2020-10-23 | 日記

  火


 野火煙草燐寸蝋燭炭薪火の消息の衰へゆくか


 火を使ふこと間遠なるこの日頃いちばん近い火は火曜の火


 人類の叡知のはじめなりしかど火立に果てといふものありや
               火立:ほだち

 消えない火を生んでしまつたその夜に明けない夜がともに生まれた


 女の神が火の神を産み落命す男の神怒り此を殺したまふ
 女:め 火:ほ      男:を  此:こ





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