記録的な大雨が日本列島を襲っています。
ここ10年程で、かっては信じられない様な異常気象が見られます。
どうか、今回大雨に襲われた地域の被害が最小限に留まる事を祈って止みません。
この「点と線」の話は大雨とは全く関係のない話です。
松本清張作品について、北村薫と有栖川有栖、二人のベテラン推理小説家が対談したものです。
この物騒な天候の中で、この対談を読むと、古典的ミステリーが長閑な心安らぐ
ものに思えて、それが哀しいですね。
さて、『点と線』についてなぜ「ご用心」
なのでしょう?
実は、この小説のトリックの目玉、「空白の4分間」が推理小説として許せないと言ってるのです。
犯人が自分のアリバイをバッチリ見せる為に、列車ダイヤを利用する。
そしてアリバイの目撃者を作る。
という筋書きがわざとらいという事です。
確かに、よく考えれば、必然的に生じる自然なアリバイではありません。
犯人側からすれば、こんな綱渡りの様なトリックよりも、もっと自然なアリバイ作りは出来る訳です。
お二人はこのアリバイを褒め称える世間が許せないとおっしゃる。
寧ろこの作品の動機の描かれ方が優れていると。
しかし、何故この本が大ベストセラーになったかというと、根底に松本清張の鋭い筆力、人間描写にあるからと言う事です。
目から鱗で、しかも松本清張のどこが凄いか分かった様な気がします。
彼は読者を惹きる強力なパワーがあった人だと、そして最大の強みは深い人間観察なのだと、私は思います。
読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️
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