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清張はトリックを好みますが、あまり得意ではないらしいです。
それでも、彼の作品は次は次はと引き込まれていく魅力がタップリあります。
登場する人物の心理描写や行動から目が離せなくなるのです。
彼の本領は犯行にいたる秘密を解いていく過程にあると思います。
ごくごく平凡な人が何故こんな事をするのでしょうか?
少しも悪い事をしていないのに、何故こんな理不尽な事態が起きるのでしょう?
清張作品を読むと湧いてくる疑問です。
対談のお二人はこれを「闇」と言います。
人は誰しも闇の部分を持っているのでしょうね。
清張作品の人物の犯行動機の裏にある愛、恐怖、嫉妬、欲が見事に描かれています。
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私は、誰もが犯罪に限らず「落とし穴」に堕ちる可能性があると思えます。
「出世したりモテたり、人生が調子に乗り始めた時に清張と書いたボタンが見えてこれを押してしまうと破滅が始まる」
清張のボタンでなくても、押さなきゃいいボタンを押してしまう事があります。
押してしまえば、「それまでよ」なのだと清張作品を読めば読む程思えます。
読書で体験して、実際に注意すれば良かったのですが。
『点と線』にはご用心!
この表題の意味は、逆に『点と線』以外にも、松本清張の作品は傑作揃いと言う事でしょうね。
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雨は小止みなく降っている様です。
二つとない大切な命です。
呉々も御身大切になさって下さい。