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この小説を読了した途端、憂鬱が吹き飛んだ。
著者は偉大なるダメに憧れるそうだ。
有名な作家で、ダメな男の名前が次々と挙がる。
代表的なのは太宰治、自ら『人間失格』と言ってるから間違いない。
三島由紀夫は彼が大嫌いである。
曰く「太宰の持っていた性格的欠陥は、大半が冷水摩擦や器械体操や規則的な生活で治される筈だった」
ちょっと首を捻ってしまう。
いくら三島由紀夫が規則正しい生活を送ったとしても、彼自身の性格はどうだったのだろうか?
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兎も角、ひょっとしたら太宰治はダメを極めたかったのかもしれない。
カフェに勤める女給と心中し、彼だけ助かった時、女の事を思って嘆き悲しみ、メソメソするだけだったそうだ。
その彼は綺麗な看護婦が近づいてギュッと彼の手をベッドから握りしめた
と喜んでいる。
その他名だたる作家のダメぶりがユーモラスに描かれた名短編である。
ダメでいる事は結構才能がいるのかなと思ってしまった。