読書の森

遠くからの声 最終章



彼はめでたく結婚し、妻と安定した生活を送る。

あれ程彼に纏わりついた妹はバタッと音信が絶えた。

と思ったら誰が見てもつまらない男と結婚した。
「案外だな」と彼は内心がっかりした。
妻はホッと安心したらしい。

しかし、それが終わりでなく、妹は駆け落ちを繰り返し、どこの誰と暮らしているか分からなくなった。



彼はさすがに心配になった。
とうとう、北九州の炭鉱に暮らしているという妹を、探し出したのである。

再会した彼女を見て、やっとこの男は妹の真意に気付く。



あまりにもネタばれで出版社に謝る必要があります。
申し訳ありません。

この妹の気持ちは古風で不可解に見えますが、実は現代でも立派に生きる恋心です。

「あなたを愛してる。だけどあなたを好きになるのは許されない。
苦しいからこんな遠くまで来たの」

遠くから呼ぶ虚しい声は、やがてどこかで消えていくのでしょう。

松本清張の恋は本質的にはかなり純粋なようです。

読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「エッセイ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事