彼はめでたく結婚し、妻と安定した生活を送る。
あれ程彼に纏わりついた妹はバタッと音信が絶えた。
と思ったら誰が見てもつまらない男と結婚した。
「案外だな」と彼は内心がっかりした。
妻はホッと安心したらしい。
しかし、それが終わりでなく、妹は駆け落ちを繰り返し、どこの誰と暮らしているか分からなくなった。
彼はさすがに心配になった。
とうとう、北九州の炭鉱に暮らしているという妹を、探し出したのである。
再会した彼女を見て、やっとこの男は妹の真意に気付く。
あまりにもネタばれで出版社に謝る必要があります。
申し訳ありません。
この妹の気持ちは古風で不可解に見えますが、実は現代でも立派に生きる恋心です。
「あなたを愛してる。だけどあなたを好きになるのは許されない。
苦しいからこんな遠くまで来たの」
遠くから呼ぶ虚しい声は、やがてどこかで消えていくのでしょう。
松本清張の恋は本質的にはかなり純粋なようです。
読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️
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