集英社文庫の短編集の特徴は、それぞれ個性的な作品で共通点を探し難い事です。
ただしテーマがあって、この本の場合は『めぐりあい』。
でも「何処がめぐりあいやねん」(大阪弁になってしもた、、と言う作品もあります。
ロマンチックな恋物語より「えっ」と思う人と人のめぐりあいを描いてるのが多い。
宮部みゆきの『この子誰の子』は激しい雷雨の夜、両親の留守の家に一人残った14歳の男の子の話。
宮部みゆきの『この子誰の子』は激しい雷雨の夜、両親の留守の家に一人残った14歳の男の子の話。
結構孤独な状況を楽しむ男の子の家に前触れなく飛び込んできた赤子連れの若い女性、かなり図々しい。
ビックリしてる彼にその女が告げたのは、
「あたしはあなたのお父さんの恋人で、この赤ちゃんはお父さんの子だ!」
と言う仰天の事実だった、、。
しかし、男の子は非常に冷静で優しい応対を続ける。
何故なら彼の父親が他所で子供を作るような事実はあり得ないからだった。
宮部みゆきのここら辺の展開の仕方が実に巧みなんです。彼女らしく冷たく突っ放さず、人情豊かなお話にしてます。
宮部みゆきのここら辺の展開の仕方が実に巧みなんです。彼女らしく冷たく突っ放さず、人情豊かなお話にしてます。
読み物として引き込まれていきます。ちなみにこの作品はアンソロジーとして他の出版社でも紹介されてます。
この話の重要ポイントは「AID」です。
つまり「非配偶者間の人工受精」、このテーマの作品は結構ありますが、この作品が一番好きです。
ホッとする結末で、とても楽しめますよ❣️