読書の森

年賀状



多分、郵政省が存在する頃まで、私にとって年賀状は特別な意味を持っていた。
「ただ成り行きに任せて」とか「何となく」とか「気がついたらそうなった」という恋の経験が皆無だった私は、ともかく確かな相手の気持ちを求めていたのである。

今から考えると馬鹿みたいだけど、年賀状は相手のはっきりとした意思表示だと考えていた。



長い友人のアイデア一杯の心の籠った賀状を当然の如く思い、密かに思う人の当てにもならない賀状を心待ちにしている。
結構もてた時代も、この期待は殆ど裏切られた。
偶に返事をくれた憧れの一人はいい迷惑である。

有頂天になった私はバレンタインデーに向けて手作りの下手なマフラーを編み出し、心の中はその人だけになってしまう。
こういうのを悪女の深情けと言うのだと思う。

読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️

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