韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

韓国ドラマ、IT・デジタルなこと、AIなどと並んで哲学に関する事柄や、よろずこの世界の出来事について書き綴ります

独裁者登場の予感~渦中にいてわからないこと

2020-12-22 17:29:28 | エッセイ
 昨今の日本の政治状況にはがっかりさせられることばかりですが、どうすれば改善できるのか、正解のない問題として私たちに問われています。

 お隣の国々を眺めてみれば、中国では習近平氏の独裁の度合いがますます強くなり、少数民族の弾圧や台湾や香港への圧力をますます強めつつあります。

 韓国では、文在寅大統領が北朝鮮との融和政策を強力に推し進めると同時に、国内での反対勢力、邪魔者を取り除く作業を通じて独裁政策を強めています。

 中国については、社会体制が日本とは全く異なるので直接の比較はできませんが、韓国の大統領は民主主義の手続きを経て選ばれているにもかかわらず、大多数の国民の意に反した独裁の道を進みつつあるように見えます。

 同じような例では、あのナチスドイツのヒトラーでさえ、正規の選挙で選ばれて表舞台に登場したことを忘れてはなりません。

 学生時代、歴史を勉強しているときにそんな風にとんでもない独裁者が誕生してしまうことがどうしても腑に落ちませんでしたが、今ではそのことがわかるような気がします。

 どんな出来事でも、それが進みつつあるときにその渦中にいると、自分の周囲で何が起こっているのかを知ることは極めてむずかしいということを、今の政界情勢をみていると改めて気づかされます。

 翻って今の日本に、ヒトラーのような人物が出現したら熱狂的に迎えられ独裁の道を進んでいってしまうことはあるのでしょうか?

 失望感、閉塞感で満ち満ちている状況において、それを一気に打ち破り明るい未来を示してくれるというのは大変魅力的ではあります。しかし、そのことにとらわれすぎて本当に何が起きているかわからなくなってしまうのは、実に危険なことだと思います。

 それを防ぐ方法はただ一つ、物事の判断の基準を自分の身の回りのものに置くのではなく、もっと人間にとって普遍的なことがらに置くしかありません。

 では、それが具体的に何かということは、各人が自分で考えて求めなければならないのです。簡単に手に入るもの、何の批判を経ることなく自分の中に入り込んできたものこそ、必ず一度は疑ってかからなければならないのです。

 哲学はお勉強することではありません。上記のような事柄について、自分の頭で考え抜くことが真に哲学するということなのです。

 今年の年末年始の休暇期間中、外出もなかなかままならないと思いますので、誰かに答えを教えてもらうのではなく、自分の頭で正解のない問題を考えてみる経験をしてみてはどうでしょうか。

 そのような意味でのみ、何の役にも立たないと言われる哲学がきっと役に立ちますよ。