昨日、8月9日の長崎原爆の日。今年の2月19日に亡くなられた芥川賞作家・林京子さん(享年86)をしのぶ会が、講談社本館27階で行われ、発起人の加賀乙彦さん、森詠さん、川村湊さんをはじめ、生前に林さんと交流のあった作家や担当編集者など数十人ほどが集まった。
私は林さんとお会いしたことはないが、脱原発社会をめざす文学者の会に参加しているご縁で、招待状を持って出かけた。
林京子さんの読書体験は、デビュー作の『祭りの場』。読む前に、原爆文学の最高峰といわれていることを既に知っていた私は、読みはじめてすぐに、違和感を感じた。被曝の陰惨な体験が生々しく描出されるだろうと期待していたのだが、小説の冒頭、なんと米国原子爆弾司令本部の科学者からの降伏勧告書の話からはじまっていて、大変驚いた。決して叫ぶことなく、抑制のきいた客観的な筆致で淡々と被曝体験の物語は進行する。それがまた言いようのない恐怖と共感を感じさせるのだ。
講談社の最上階の会場に入ると、正面に林京子さんの遺影と作品が掲げられていた。私はそこで初めて林京子さんと対面した気がした。
▲林京子さんをしのぶ会(撮影=上山明博、講談社本館27階ホールにて)
私は林さんとお会いしたことはないが、脱原発社会をめざす文学者の会に参加しているご縁で、招待状を持って出かけた。
林京子さんの読書体験は、デビュー作の『祭りの場』。読む前に、原爆文学の最高峰といわれていることを既に知っていた私は、読みはじめてすぐに、違和感を感じた。被曝の陰惨な体験が生々しく描出されるだろうと期待していたのだが、小説の冒頭、なんと米国原子爆弾司令本部の科学者からの降伏勧告書の話からはじまっていて、大変驚いた。決して叫ぶことなく、抑制のきいた客観的な筆致で淡々と被曝体験の物語は進行する。それがまた言いようのない恐怖と共感を感じさせるのだ。
講談社の最上階の会場に入ると、正面に林京子さんの遺影と作品が掲げられていた。私はそこで初めて林京子さんと対面した気がした。
▲林京子さんをしのぶ会(撮影=上山明博、講談社本館27階ホールにて)
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