カンナからの風

沖縄県北部東海岸にある小さな1軒のホテルから

夜明け

2011-04-20 08:04:30 | 日記

久しぶりに早起きをして宜野座村のアパートから海まで歩いて見ました。と言ってもわずか10分たらずの距離。

海風が心地よく頬をなでてくれます。昔学生時代に読んだ島崎藤村の「夜明け前」と言う小説の題名が頭をよぎりましたが・・あまりにこの環境の印象と違うのでこの地で生れて育っていたらまた違う小説になっていたのかもしれない・・・などと勝手に想像していたら、そこはもう海がいっぱいに広がっていました。

紫色に広がる空と海は限りなく透明に近い印象。空には雲が広がっているにもかかわらずなぜか大きな広がりを感じる。昨日までの東京と違う景色が広がっている。飛行機で3時間南に飛ぶだけでこんなにも違う環境がある。東京もとっても好きです。仲の良い友人たちや家族が住む都会ながらも人情豊かで素敵な街だと思います。こうして、一人沖縄の土地でホテルの仕事に携わっていると今まで感じることが少なかった心の中にある感性が発見されます。

今は昔と違って若者が旅をしなくなったと言われています。

確かに昔は、バックパッカーが大流行で僕の先輩などは北海道をリュックしょって歩いたなどと言う話もありました。学生時代、「若者よ書を捨てて旅をしよう」なんて寺山修二さんの本を読んでアパートを飛び出しアジアを回ったりした短絡的な自分が思い起こされます(笑い)今は、そんな時代ではなくなったのかな・・・。YMCAなどを泊まり歩いた記憶。旅は、普段暮らす環境からの飛び出して非日常の世界に身をゆだねるとっても素敵な体験です。

同世代の見知らぬ人たちとの出会い。どこから来たの?僕は東京!なんて偉そうに言ってるそばから、相手が九州なんかだと、実は福岡出身なんだと・・地が出てしまいます。お互いに情報交換しながらどこの宿は優しいおばさんがいたとか、どこの蕎麦屋は不味くて高いよなんて全くアナログの世界。

今、沖縄では民泊といった、内地では民宿と言っていた宿がとっても人気があります。普通の家庭でステイして仕事も手伝う。そこの地域の文化や歴史に触れるとても素晴らしい経験だと思います。特に最近では修学旅行で民泊が流行だそうです。高校生の豊かな感性が沖縄の文化や歴史に触れて、また、個人で沖縄をオトヅレルそうです。かつての琉球王国。日本よりアジアに近い国。今でこそ日本としての位置にありますが・・・内地では経験することない環境や歴史に溢れています。朝からなんと長話をしてしまいましたが、これは久しぶりの東京への旅の影響でしょうね(笑い)



最新の画像もっと見る