高千穂峰(1,574m) (つづき)
高千穂峰が羊蹄山と違うのは、火口からさらに200m弱の登りが控えていることです。いったん少し下り、鞍部の背門丘に着きます。石造りの小さな祠があり、「これ霧島神宮の創祀なり」の言葉で締めくくられている石碑も建っています。
最後の登りはなかなか大変で、足もとは細かい砂です。登っても登っても、足がずるずる下へ引きずられます。富士山にもこんな場所があったかなと、しかしここまで歩きにくいことはなかった気がしました。標高が上がるにつれて、立派なドーム状になっている御鉢の形状がよく分かります。凄い場所を歩いているなと思います。
山頂の石碑は残念ながら倒れており、四方がロープで囲われていました。一番高い場所には鳥居があり、ご神域なのか入ることはできません。車窓から眺めた鋭鋒の頂上に立つことができ、充実感でいっぱいでした。高千穂峰を見るたびに、この日の12時20分登頂した時の景色を思い出すでしょう。
下山したのは昼の2時過ぎでした。
霧島では温泉が欠かせません。霧島温泉には10年前一度泊まったことがあります。朝、旅館の窓から外を見ると、あちこちから湯けむりがあがっていました。どこでも少し掘ればすぐに温泉が湧き出す感じがしますが、そんなことはなく、どの源泉も地面から数百メートル、時には千メートルも下にあると聞きました。
湯之谷温泉(2007年1月)
その時立ち寄ったのが湯之谷温泉でした。これが秘湯だと思いました。温泉のある場所そのものが秘められている感じがしたからです。内湯は2つあり、1つはとてもぬるくていつまでも入っていられたことを覚えています。
湯之谷温泉は湯治場でもあります。ここではじっと浴槽につかっている人が多かったです。湯治は忍耐に近いものがあると思いました。太平洋戦争で負傷した人が回復のためにこの温泉に通っていたという話を聞かせてもらいました。
そこで10年ぶりに湯之谷温泉に行ってみたいと考えました。しかし到着したのは午後3時、ちょうど清掃の時間になっており入ることはできませんでした。
「霧島ホテル」のとてつもなく大きな温泉につかりました。こんなに大きな温泉にはつかったことがないほど大きいです。いくつも違う泉質の温泉がありとてもよかったです。
最後に霧島神宮へ参拝しました。温泉と同じくらい欠かすことができない場所です。何か特別な力が漲っていることは間違いありません。ここでは、”パワースポット”という言葉は軽々しく響きます。充実した一日が終わりました。
(登頂:2017年5月初旬)