槍ヶ岳(3,180m) (つづき)
無事に2人で山頂に着けて感無量です。
槍ヶ岳の山頂は確実に日本に1つしかない場所です。北側の直下には険しい北鎌尾根・遠くには立山。西には黒部五郎岳に鷲羽岳・鷲羽岳から三俣山荘を挟んで再び登れば三俣蓮華岳、どれも北アルプスの最深部にあたる山々。東には大天井岳から常念岳・蝶ヶ岳へ続くすっきりとした稜線。そして南にはいくつもの岩峰が複雑に屹立する穂高の山々。大きな笠をかぶった笠ヶ岳を見下ろすのも豪快です。
東西南北で全然性格の違う様子を目の当たりにすると、槍ヶ岳の頂上は日本の中心だと思ってしまうほどです。
今日は、どの方角もこれ以上は考えられないほどくっきりした眺望です。北アルプスの山々で、ここから見えない山はないくらいに思っていました。しかし、北の方を眺めていると見えない山がありました。剱岳が立山の奥に隠れているようです。
自分にとって2回目の槍ヶ岳も素晴らしく、3年前に初めて見た景色(雲がかかっていた)に今日の景色が重なり合って印象がさらに深化したと思いました。
さきほど小槍に登っていたグループは下山の最中でした。ドキドキしながら眺めていましたが、最後の一人が華麗に懸垂下降していきました。あまりの手際のよさに、呆気にとられました。
(登頂:2016年8月上旬) (つづく)