大菩薩峠(2,057m)
昨年は2017年で、東京都の最高峰・雲取山(2,017m)の「標高年」でした。山頂はいつもの年以上に多くの登山客を迎え入れたようですが、残念ながら自分は標高年に登ることができませんでした。日本百名山で次の標高年がやってくる山は美ヶ原(2,034m)で、その後1m(年)差で吾妻山(2,035m)、さらに岩手山(2,038m)・幌尻岳(2,052m)・大菩薩嶺(2,057m)・十勝岳(2,077m)‥‥と続きます。2057年、自分の年齢は78歳です。標高年に大菩薩嶺へは登れそうだと思います。2077年の十勝岳まで来ると、相当難しそうですが。
登山の難しさは、当然標高と比例するとは限りません。山頂の近くまでバスやタクシーで移動できる山が数多くあるからです。
思い出すと、どうにも「さぼってしまった」気のする山がいくつかあります。
北アルプスの乗鞍岳はその1つで、高さは3,026mもありますが、2,702mの畳平までバスで運ばれるので、自分の足では300mと少ししか登っていません。
乗鞍岳には2回登りました。1回目は常念岳に登頂した翌日、2回目は槍ヶ岳に登頂したやはり翌日でした。ヘトヘトになっている時にバスで畳平まで行き、乗鞍に登るのはいいと思います。体力はほとんど残っていませんでしたが、余勢はあったのです。
乗鞍岳は北アルプスの余韻を楽しむのに向いています。
しかし、山頂からの眺望(写真)は想像していたよりもはるかに雄大だったし、一度下からしっかり登ってみたいという希望もあります。
しっかり登ってみたいのでは、奈良と三重の県境にそびえる大台ヶ原も同じです。
中央アルプスの木曽駒ヶ岳にはロープウェイが通じていますが、登りだけでもロープウェイを使わないで、自分の足で歩いておいてよかったと思います。
畳平のバス停は、日本最高所の路線バスの停留所として知られています。山頂剣ヶ峰まで徒歩90分とありますが、110分~120分くらいはみておいた方がよさそうです。
逆に、さぼった感じがしない山もあります。日本百名山では、雲取山の次に標高年の来る美ヶ原がそうだし、美ヶ原から近い霧ヶ峰もそうです。どちらの山も、頂上のそばまで車で行ってしまいました。何回来ても、多分同じようにすると思います。麓から登っている時間があれば、高い場所で歩いて、ゆっくりするのが楽しいからです。
「妙な言い方だが、山には、登る山と遊ぶ山とがある。前者は、息を切らし汗を流し、ようやくその頂上に辿り着いて快哉を叫ぶという風であり、後者は、歌でもうたいながら気ままに歩く。~」
(深田久弥『日本百名山』(新潮社))
大菩薩嶺は「遊ぶ山」ではなく「登る山」だと思いました。遊びに来たことは2回ありましたが、一度(もっと長い距離を)登りに来てみたいと思っていました。
(登頂:2018年10月下旬) (つづく)