立山(3,015m) (つづき)
標高2,700mの一の越山荘に着くと、別の眺望が開けます。槍ヶ岳、薬師岳、黒部五郎岳、北アルプスの名峰が並んでいます。同じ山でも眺める角度によって印象は違うものです。
こんなに鋭い槍の姿は見たことがありませんでした。
ただなだらかなだけでなく、尾根が何本も続いて北薬師のピークがはっきり分かる薬師岳も新鮮でした。圏谷のえぐれた黒部五郎岳は、裏側から見ても美しかったです。二つの山の距離がとても近く見えます。3年前の7月、薬師岳でご来光を眺め、その日のうちに黒部五郎小舎まで歩きました。黒部五郎岳から小舎までが長かったなと思いました。
雲に隠れていますが、笠ヶ岳も見えます。やっぱり笠の形をしています。この山だけは、どこからでも同じ姿に見えるようです。
ピンとこなかったのは、鷲羽岳と水晶岳の位置でした。もしかすると、どちらかの山は野口五郎岳の裏に隠れていたのかもしれません。
ずっと遠くには、富士山まで眺められました。こんなにも遠くから見えることがあるのかと思いました。富士山の高さには及びませんが、今日はほぼ1年ぶりに、3,000mを超える地点まで登ろうとしています。
一の越山荘から立山の頂上までは、雪はありませんでした。傾斜は急で、大小の岩が不規則に折り重なってガラガラな道です。どこでも歩けてしまいそうだし、踏跡も1本道になっていませんが、よく考えて歩かなければいけませんでした。もしここに雪がたくさんあったなら、ここまでで撤退だったでしょう。眼下の室堂平が大きくて真っ白です。こんな場所を人間が歩いていていいのかと思います。
(登頂:2015年6月下旬) (つづく)