大雪山 黒岳(1,984m)・北鎮岳(2,244m)・旭岳(2,291m) (つづき)
「~ 内地へ持ってきたら、それ一つだけでも自慢になりそうな高原が、あちこちに無造作に投げ出されている。この贅沢さ、この野放図さが、大雪山の魅力である。 ~」(深田久弥『日本百名山』(新潮社版))
黒岳山頂から30分ほど下った場所にある、山小屋の黒岳石室は、大正時代にはすでに開設されていました。
小屋の管理人さんによると、今年は雪が多く、旭岳への縦走路にも雪が残っているとのことです。
旭岳に次いで、北海道で二番目に高い北鎮岳がなだらかな姿を見せています。残雪の雪形は白鳥や熊の形に見え、まるで旭山動物園が山の上に引っ越してきたようです。
高山植物の大群落は、北アルプスで見た以上に大きく感じます。チングルマの花が氷河のように連なっています。
御鉢平の火口が姿を現してきました。地図を見ると、火口の中に「有毒温泉」というものものしい表示もあります。火口壁は、単純な土の色や黒色一色でなく、ものすごい陰影がついています。
振り返ると、黒岳は小さな一つのピークでしかありません。南にそびえる横に大きな山は2,072mの烏帽子岳で、メキシカンハットのような形をしています。
(登頂:2013年8月上旬) (つづく)