大雪山 黒岳(1,984m)・北鎮岳(2,244m)・旭岳(2,291m) (つづき)
北鎮岳から南下し、中岳(2,113m)、間宮岳(2,185m)と進みます。
間宮岳の標識は、とても頂上とは思えないほどの広い場所に立っていました。
山名は、茨城県生まれの間宮林蔵にちなんでいます。間宮林蔵は樺太が島であることを確認し、北海道の測量も行いました。ユーラシア大陸とサハリン島を隔てる海峡には、間宮海峡の名前が残ります。
大雪山には、間宮岳の他にも、桂月岳、小泉岳など、人命にちなむ山名が多くあります。
北鎮岳と同じく残雪が現れ、崩れそうなほど急な斜面を登りきると、ついに北海道で最も高い旭岳の頂上です。
残念ながら、ここで一気に雲に覆われてしまいました。戸惑うほどの、あまりにも急な天気の変化でした。道民ではなくても、北海道の最高峰に立てたという充実感はありました。どこをとっても本州の山とは全然違う素晴らしい一日を満喫できました。
「大雪山は実に天上の神苑也。」
(大町桂月『層雲峡より大雪山へ』(近藤信行編『山の旅 大正・昭和篇』(岩波文庫))
火山活動は、時に十勝岳のような荒々しい風景を生み出し、大雪山のような「天上の神苑」も生み出します。
旭岳の頂上からは、ほとんど眺望のない道をロープウェイの姿見駅に向かって下ります。
途中、耐火金庫のような四角形の岩を見つけました。これが、名前の通りの「金庫岩」かと思いました。
金庫岩の近くには、「ニセ金庫岩」という岩もあります。両方とも地図に載っています。過去に、金庫岩とニセ金庫岩を間違えたことで起きてしまった遭難もあると聞きました。
しかし、曇っているとはいえ、そこまでの天気の悪さではありませんでした。これから旭岳へ登ろうとする人もいました。
姿見の池と活発な噴気孔を眺め、旭岳ロープウェイで下り、麓の「湯駒荘」で一泊して帰りました。
北海道で一番印象に残る温泉が、ここ湯駒荘です。中でも、すべて源泉かけ流しの温泉浴槽が5つある「ユコマンの湯」が好きです。まるで温泉の玉手箱のような雰囲気だからです。
(登頂:2013年8月上旬)