米がん研究費6152億円、日本408億円(2010年)
オバマ大統領は1月12日夜、任期中最後となる一般教書演説で、ジョー・バイデン副大統領をがん治療の国家プロジェクトの統括者にする方針を示した。また、米国国立がん研究所(NCI)が2016会計年度に52億1000万ドル(約6152億円)の予算を獲得したことも発表された。予算額の増加幅は2003年以来最大となった。
米国がん学会(AACR)の上級政策主任ジョン・レツラフは「予算がカットされコストが上昇していた時代から一転し、さまざまなプログラムの資金が賄える」と喜びを語った。
昨年5月に息子のボーを脳腫瘍で失ったバイデン副大統領は、がん撲滅を目指す資金獲得を支援してきた。アメリカ国立衛生研究所(NIH)に所属するNCIが獲得した予算は、前年を2億6230万ドル(約309億円)上回った。
オバマは演説で、「40年に渡って多くの課題に取り組み、全力を尽くして来たジョーにこのミッションをゆだねる。私たちが亡くした愛する人のために、そしてまだ救うことができる家族のために、アメリカをがんが治療できる国にしよう」と呼びかけた。
バイデンは昨年10月、2016年の大統領選には出馬せず、残りの任期でがん研究の予算獲得に取り組むと宣言していた。NIHは今年、フェデラルファンディングで前年より20億ドル以上多い320億ドル(約3兆7789億円)強を獲得する。予算の増額は12月18日に議会を通過した1兆1000億ドル(約130兆円)の包括的歳出法案に盛り込まれた。
ACS CANのクリス・ハンセン代表は、今年は米国人170万人ががんと診断され、59万人ががんで死亡するとの見通しを示し、「死者の半数については、私たちは防ぐ手立てを知っているが、残りの半分は今から研究しなければならない。遺伝性のものは遺伝子を読み解くことで治療できるはずだ」と語った。
http://www.msn.com/ja-jp/money/news/%e7%b1%b3%e6%94%bf%e5%ba%9c-%e3%81%8c%e3%82%93%e6%b2%bb%e7%99%82%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88%e3%81%ab%e7%b4%846000%e5%84%84%e5%86%86%e3%82%92%e6%8b%a0%e5%87%ba/ar-BBovcEB?ocid=spartandhp#page=2
日本人にはあまり知られていない不可解な事実がある。先進国の中で日本だけ、がんの死亡数が増加し続けているという。わが国の医療は世界トップレベル—だからといって、安心してはいられない。
「じつは、がんの死亡数が増え続けているのは、先進国では日本だけなのです」
東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一氏はこう断言する。
日本人の平均寿命は女性が86・61歳で世界一、男性は80・21歳で第4位。その数字だけが独り歩きし、日本人は健康なのだと思いがちだが、そう考えているのは我々日本人だけのようだ。
米国で1年間にがんで死ぬ人は、約57・5万人。日本人は約36・5万人だが、人口10万人当たりで換算すると、日本人の死亡数は米国の約1・6倍にもなっている。意外なことだが、日本は先進国であるにもかかわらず、がんが原因で亡くなる人が増え続ける唯一の国。日本が「がん大国」である「本当の理由」はここにある。
いまや日本ではがん患者が増え続け、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死ぬ—そんな時代になった。がん研究振興財団が昨年発表したデータでは、1年間で新たにがんと診断された人は74万9767人。がんは、日本人の死因のトップとなっている。
脳卒中を抜き、がんが死因の1位になったのは1981年。その後、がんの罹患数、死亡数ともに年々増え続けている。死亡数は、30年で2倍以上にも膨れ上がった。
もちろん、世界的に見ても、がんは患者数も死亡数も増えている。だが、国際がん研究機関(IARC)の発表によると、世界中で、がんで死ぬ人の65%は発展途上国の国民。先進国では、がんが原因で死ぬ人は減り続けているという。中川医師が続ける。
「欧米では、だいたい毎年5%ずつがん死亡数が減っています。それに比べ、日本では増加が止まりません。1995年の時点では、日本も米国も同程度でしたが、それ以降、差はどんどん開いていっています」
がんの患者数が増えれば、がんで死ぬ人が増えるのは当然のことのように思えるが、そうではない。
先進国の場合、高度な検査設備があることで、従来ならば見つからなかったレベルの早期のがんが発見され、患者数が増加しているという側面もある。だが、その場合、見つかったとしても高い治療技術があれば、がんを治すことができるはずだ。医療設備が整った先進国では、がんによる死亡数が減少していって当然である。
ましてや、先進国の中でも、日本の医療はトップクラス。「とくに手術の技術は、世界一」(前出・中川医師)とも言われる。そんな日本でなぜ、がん死が増え続けているのだろうか。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40436?page=1
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