移植前の処置の一つに抗がん剤があります。
私の場合は3種類使用したと思いますが、
その副作用がけっこう酷くていろいろな症状が出ました。
その一つが味覚障害です。
口中の粘膜が爛れるので、味覚だけでなく触感も変わります。
柔らかいはずのご飯が砂を舐めるような感覚で味は生の小麦粉みたい、
他の食品も全く本来の味とは違ったので
一時は病院食を口にすることができず、点滴に頼る時期もありました。
そのうちに牛乳(特に明治のおいしい牛乳)と炭酸水が飲めるようになり、
やがて柑橘(その時期はせとか)、いちご(表面を食べるのは禁止だったので芯に近い部分だけ)、じゃがりこなど口に出来るようになりました。
退院後も味覚障害が続き、何を食べても本来の味を感じなかったのですが、
ある日、知人から頂いた新米がとても美味しく感じられて 治った!? と思ったのですが、
市販のコメはやっぱり不味くて・・・・・
でも酢飯など酸味があるものは段々と食べるようになりました。
抗がん剤による味覚障害は半年ほどで治る人が多いそうです。
長くても1年位、中には一生続く人もいるそうです。
私の場合、抗がん剤から半年経った頃は回復の実感はほとんどなく、1年経っても少しは良くなったもののまだ本来の味には遠いものが多く、2年経ってようやく回復感が出てきました。
何を食べてもほぼ本来の味。
と 思っていたのですが、
先日、葬儀の前夜、
葬儀場に残っていた私とダンナに義姉が夜食として野菜の煮物を届けてくれました。
前日からテンパって食欲がなかった私ですが、
大きな丸っこい里芋を食べてみるとすごく美味しかったので
翌日
「昨日は食欲がなかったのに、里芋がすごく美味しかった!」
と言うと
義姉「里芋?」
「うん、大きい丸っこいの、美味しかったあ~」
義姉「・・・?? 里芋? 入れてなかったけど?」
「え? このくらいの丸の」
義姉「それ・・・・・ジャガイモ・・・・・」
テンパっているのと疲れのせいもあったかもしれないけど、
味覚も食感も治っていない
一生完治しないのかもねえ。