ときどきまじめな話がしたくなります。

2010-10-29 18:34:01 | ちょいマジ話
ちょっと前、雑誌に「若者の車離れ」「若者の旅行離れ」「若者の○○離れ」といった現象を取り上げていたコラムが目についた。
それぞれの業界で少しでも若い人に目を向けさせよう(購買意欲をかきたてよう)と商品開発、広告戦略に知恵と工夫を凝らしては見るけれど、結局のところ、大した効果は上がらない。
「若者に売れる魅力ある商品を作るにはどうすればよいのだろうか?」頭を悩める人も多いことと思うが、今の時代、根本的なところで発想が間違っている。
今起こっている現象は「若者の○○離れ」ではなく、「お金の若者離れ」
ここを認識しないと、モノが売れない、ヒット商品が出ないというおかしな議論になってしまうというのが、その記事の趣旨。

アマルの周囲の若い人たち(20代~30代前半)と話をすると、「まさにその通り」だという返事が返ってくる。
要は、「買わない」のではなく「買えない」のだ。
若い人たちは「買える余裕があれば、買いたいものはいっぱいある」という。「旅行もいっぱいしたい」、ヨーロッパ旅行など憧れている女子もいっぱいいる。
この世代の人たちは、学校を出て社会に出るとき、社会の景気後退をもろに受けた世代。
バブル崩壊以降、日本経済成長がストップした時代の中で、企業において最も問題になったのが人件費の抑制。
派遣やアルバイトといった非正規雇用の導入や正規雇用(社員)の減給でしのぐ企業がごまんと出るようになった。

低い所得に甘んじている(甘んじざるを得ない)世代に、古きよき時代(日本が成長経済下にあった時代)の感覚で、「これを買え、あれを買え」といっても若者たちには響かない。
自動車業界がいくら努力し、あがいても「車を持つことなんてダサイ!」と、若い人が突きつける言葉は簡潔かつ鮮烈だ。

車を持たなくても生活に何の影響もないし、もはや男のステータスシンボルでもない。
そんな新たな生きるための共通ルールのようなものが生まれつつある。
今、多くの企業、業界がかつて経験したことのない局面に苦慮しているのではないだろうか。
でいながら営業の最前線では、いつの時代も(未だに)対前年比を上回る売上至上が命題とされる。

「モノを買わなくても、所有しなくても幸せな人生を送ることができる」
こんな考え方が定着しつつあるのだろう。
従来のマーケッティング論やセールス手法がもはや通用しない時代になっている。

人が幸せな人生を送るための優先順位は何なのか?
そんな根本の部分でパラダイム転換が起こっている気がする。


「衣食足りて礼節を知る」こんな言葉がありましたねぇ(「管子」より)
衣食が十分に足りて生活が安定すれば、名誉とか恥辱というものをわきまえ重んずるようになる。
まず生活ありきで、そこが安定し余裕ができれば次の段階に目が向けられる、とでもいいましょうか...
「マズローの5段階欲求」というものも思い出されます。

今日はちょいマジなお話をしてしまいました。


ときどきこんなのもね語ってみたくなるっちゃ




スラムダンクED・・・世界が終わるまでは・・・


スラムダンク 超スキ

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1 コメント

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Unknown (アロハ)
2010-11-02 15:00:02
鋭い意見をありがとう

本当にそうだよね
先立つものがなければ
何も買えない
それに、回りには物があふれていて
欲しいものが多すぎて
本当に欲しいものが何なのか
自分でもよくわかっていないのでは?
物のない時代に生まれられて
本当に幸せだとアロハはおもいます。

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