平成二十年一月の日曜日の朝、なにげなくつけていたラジオから聞こえてくる声に、
夢は思わず「えっ」と耳を澄ませました。ラジオの声は、夢にとって最高に
懐かしい言葉、『戸久野市立第四小学校』を告げていたのです。番組はほんの
十分ぐらいの長さのものでしたが、そこには、夢に懐かしい記憶を蘇らせさせるのに
充分なものがありました。夢の胸では一年生の時のことが、走馬燈のように、
浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返しています。そして次の瞬間、夢は、まるで
何者かに取り憑かれたかのようにペンを執り、四小の校長先生宛に手紙を書いて
いました。十日ほどたって、校長先生から丁寧な返事が届きます。それには、番組を
聴いた夢への礼と現在の四小の様子、そして番組を通して、子どもたちが未来への
明るい思いをふくらませる機会にしたい、という先生方の思いが書かれてありまた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それから四か月、
夢は四小を訪ねることにしました。