風の向こうに  

前半・子供時代を思い出して、ファンタジィー童話を書いています。
後半・日本が危ないと知り、やれることがあればと・・・。

風の向こうに(第三部)四小編 其の壱

2010-04-04 20:46:34 | 大人の童話

平成二十年一月の日曜日の朝、なにげなくつけていたラジオから聞こえてくる声に、

夢は思わず「えっ」と耳を澄ませました。ラジオの声は、夢にとって最高に

懐かしい言葉、『戸久野市立第四小学校』を告げていたのです。番組はほんの

十分ぐらいの長さのものでしたが、そこには、夢に懐かしい記憶を蘇らせさせるのに

充分なものがありました。夢の胸では一年生の時のことが、走馬燈のように、

浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返しています。そして次の瞬間、夢は、まるで

何者かに取り憑かれたかのようにペンを執り、四小の校長先生宛に手紙を書いて

いました。十日ほどたって、校長先生から丁寧な返事が届きます。それには、番組を

聴いた夢への礼と現在の四小の様子、そして番組を通して、子どもたちが未来への

明るい思いをふくらませる機会にしたい、という先生方の思いが書かれてありまた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それから四か月、

夢は四小を訪ねることにしました。