ローレンス・ブロック作「八百万の死にざま」(ハヤカワ・ミステリ文庫)などに登場する探偵マット・スカダーは、依頼料の10分の1を教会の寄進箱に入れる。強盗に向けて発砲した銃弾がそれて通りかかった少女を死なせ、警官を辞めた。以来、「10%税」を自らに課し、ろうそくをともして祈る。
▼昨日朝刊の曽野綾子さんのコラム「透明な歳月の光」に、聖書のエピソードが載っていた。1人の寡婦が賽(さい)銭(せん)箱にレプトン銅貨を2枚入れた。最低の単位の貨幣だが、見ていたイエスが「だれよりもたくさん入れた」と言った。「乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである」
▼曽野さんは「人を救うということは、自分が得てもいいものを、いくらかでも辛(つら)い思いをして他者に譲ることだ」と書く。歳末助け合い運動がスタートした。クリスマスソングが流れる街のボーナス商戦や忘年会のにぎわいから、取り残された人たちがいることを忘れてはなるまい。
2016.12.1 【浪速風】
<👀も> 2016年 こころ旅
・ 日に新たに 日々に新たに
・ 自然体
・ 動くのだ 停滞はならぬ
残された機能で最期まで
理性と知性と愛情をたずさえて
・ <人が人に対してできること>
心と身体で支える。それが出来なくなったら物心両面で支える。
それが出来なくなったら思いやる、優しいまなざしを向ける。
それが出来なくなったら死んでやればいい。
・ 優しさ 思いやり 誠実 素直な人
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