気の向くままに

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民法改正案:トラブル防止に「約款」「敷金」分かりやすく

2015-03-31 15:43:53 | 日記

 

 

 政府は31日、お金の貸し借りや物の売り買いといった契約に関するルールについて計約200項目を見直す民法改正案を閣議決定した。保険契約やインターネット通販で使われる「約款」や、部屋を借りる際に大家に支払う「敷金」の定義を明記するなど、身近なトラブルの防止につながる改正も盛り込まれた。今国会で成立させ、2018年度までの施行を目指す。

 改正案によると、生命保険やネット通販などの契約条件として示される「約款」の定義や要件を定め、消費者に一方的に不利な条項は無効とする。買った商品に欠陥があった場合、買い手は売り手に対して修繕や代金減額を求められることも明記する。

 また、不動産の借り手が支払う「敷金」については、定義や返還の時期・範囲を定める。時間の経過で壁紙などが自然に劣化したとしても、借り主には退去時に元に戻す義務がないことも明確にする。

 中小企業が融資を受ける際に、経営と無関係な第三者の個人を保証人とする場合は、公証人による意思確認の手続きを経ていないと無効になる。

 現在は飲食店のツケなら1年、弁護士費用だと2年、病院の診療費なら3年など職種別になっている未払い金の返還請求期間(消滅時効)は、原則5年に統一して分かりやすくする。

 賠償金の支払いが遅れた時のように、契約時に利率の取り決めがない場合に適用される法定利率は、現在の5%から3%に引き下げて変動制にする。交通事故被害者らが将来得られたはずの収入を賠償金として先にまとめて受け取る場合、本来の受取時期までに発生する利息分として差し引かれる「中間利息」の利率も同様に3%にする。

 契約ルールの大幅改正は、1896年の民法制定以来初めて。社会情勢が変化し、判例や解釈が法の不備を補っている現状を受け、法相の諮問機関である法制審議会の部会が09年から議論を開始、今年2月に上川陽子法相に改正要綱を答申した。【和田武士】

 ◇民法改正案のポイント

 ・インターネット通販などの「約款」…消費者に一方的に不利な条項は無効

 ・欠陥商品…買い手が売り手に修繕や代金減額を求められる

 ・敷金…借り主には経年劣化の修繕費を負担する義務はない

 毎日新聞 2015年03月31日

 

コメント

判例や解釈が法の不備を補っている現状に鑑みて、整理して分かりやすくする趣旨であろう。


奇跡の城

2015-03-30 10:47:52 | 日記

 

 

 先月59歳の若さで亡くなった、歌舞伎俳優の坂東三津五郎さんの城好きは、よく知られている。中学時代から趣味として、全国の城めぐりを続けてきた。著書の『三津五郎城めぐり』(三月書房)で、最初に紹介しているのが、「美しさ日本一」と太鼓判を押す、姫路城である。

 ▼三津五郎さんによると、物見や射撃の拠点となる櫓(やぐら)は直線的なデザインが多いのに対し、姫路城の櫓は曲線をうまく取り入れている。「天守から美しい曲線の全容がよく分かりますので、ぜひ見下ろしてみてください」。そんな三津五郎さんも、楽しみにしていたはずだ。

 ▼世界文化遺産の姫路城は「平成の大修理」を終え、5年ぶりに一般公開が再開された。白鷺(しらさぎ)にたとえられる真っ白な漆喰(しっくい)の壁と、咲き始めた桜のコントラストはさぞ、美しかろう。もっとも、漆喰の壁は数年後には黒ずんでくるという。近いうちにぜひ、訪れたいものだ。

 ▼天下の名城とうたわれてきた姫路城は、これまで何度も大きな危機を迎えてきた。「東に傾く姫路のお城 花のお江戸を恋しがる」。江戸時代の俗謡にあるように、もともと構造的欠陥があり、天守の傾きが年々ひどくなっていた。30年に及ぶ「昭和の大修理」でようやく修正された経緯がある。

 ▼陸軍の部隊が置かれ、航空機製作所もあった姫路は昭和20年、米軍による大空襲にさらされる。先日、89歳の大往生を遂げた落語家、桂米朝さんの実家の神社も跡形もなくなった。防空のため、黒く染めた網に覆われていた姫路城だけが、奇跡的に焼失を免れ、焼け野原に悠然とそびえていた。

 ▼復員してきた米朝さんも、その姿を目に焼き付けている。まさか将来、ともに国宝となるとは、夢にも思わなかっただろう。

【産経抄】3月30日

 

 

 

 

http://www.himejicastle.jp/  より 

 

コメント

白い城もよいが、カラス城と言われる黒い岡山城も美しかった。日本の城には桜が似合う。城を見上げている柴犬が加われば最高。

 

 


戦国時代

2015-03-28 09:51:53 | 日記

 NHKの大河ドラマは昔ほど視聴率を取れなくなった。録画率の上昇など理由はいろいろあろうが、昭和の終わりに放映された「武田信玄」の最高視聴率は、49・2%もあった。

 ▼当初は、主役に抜擢(ばってき)された当時26歳の中井貴一さんを不安視する声もあった。大ヒットドラマ「ふぞろいの林檎たち」で演じた若者役のイメージが強かったためだが、見事に前評判を覆した。中でも平幹二朗さん演じる父の信虎をクーデターで追放し、国境(くにざかい)で見送るシーンは今も目に浮かぶ。

 ▼人間のすることは、戦国時代も今も代わり映えしない。大塚家具の経営権をめぐる父娘の争いは、株主総会で決着がつき、信虎と同じく父親が追放の憂き目を見た。

 ▼はた目には、ちょっと面白い「ミニ大河」だったが、創業者の父に付き従って記者会見にまで出さされた幹部社員の心境は痛いほど分かる。「総会が終わった後はノーサイド」と娘の社長が言おうと信じる者はまずいまい。

 ▼いまの世界情勢も戦国時代に近づきつつある。ソ連崩壊後、圧倒的な「一強」ぶりをみせつけていた米国が、オバマ米大統領の外交ベタと相まって退潮し始めた隙をついて、盟主の座を中国が軍事力とカネで虎視眈々と狙っている。

 ▼札束で途上国の歓心を買い、同時に中国企業をもうけさせようという意図が見え見えのアジアインフラ投資銀行(AIIB)に英独仏伊を引き入れたのも国盗りの布石である。今さらドイツなどを「裏切り者」と罵(ののし)っても後の祭り。だからといって中国が指定した締め切り期限までに飛び乗ることもあるまい。戦前、バスに乗り遅れるな、と飛びついたヒトラーとムソリーニが運転するバスは地獄行きだった。軍師・山本勘助なら一本待つよう進言するはずだ。

3月28日 【産経抄】


アジアインフラ投資銀

2015-03-26 08:27:11 | 日記

 

 

影響力・甘い審査・乱開発 3つの懸念、答えぬ中国

 ADBが中国の主導するAIIBとの協力関係を模索する背景には、ADBが採用する「国際基準」を、AIIBの組織運営などにも適用させる狙いがある。ただ、謎多き国際機関への警戒は根強い。中国の巨大な影響力→甘い審査→乱開発という「3つの懸念」に対し、中国側はいぜん不安解消に動く気配はない。(尾崎良樹)


巨大すぎる影響力

 AIIBで、最大出資国の中国が大きな議決権を確保し、意思決定で有利に立つのは間違いない。

 ADBは融資案件に対し、理事会が最終的な承認判断をしており、出資比率の高い国による恣意的な判断がなされないよう、議決権を調整している。出資が多い国の議決権を減らし、出資割合が低い途上国に多く割り当てる仕組みだ。

 だが、中国が5割近く出資するとみられるAIIBは、理事会の有無も不透明なままだ。大和総研の斎藤尚登シニアエコノミストは「早い段階できちんと説明しなければならない」と指摘する。


不透明な融資基準

 さらに不安視されているのが、融資審査における基準の不透明さだ。ADBや世界銀行など既存の国際金融機関は、融資の際に「返済が滞りなく行われるのか担当部署が厳しく審査している」(ADB駐日代表事務所)といい、担当者も定期的に研修を受ける体制をとっている。
 
 だが、AIIBが厳格な審査体制を構築し、担当者を雇用・育成できるかは不明だ。融資の判断も中国が独自基準を採用する恐れが強いとみられている。

 第一生命経済研究所の西浜徹主任エコノミストは「もし、借り入れ国の返済が不可能になった場合、既存機関との返済順位をどうするかが問題になる」と警鐘を鳴らす。


見えない環境配慮

 低利・迅速さを前面に、十分な審査がなされない融資が増えれば、環境破壊につながる乱開発が進む懸念もある。ADBは道路の新設などの投資案件が環境に与える影響を事前に調査するほか、人々の暮らしへの影響も外部の識者がチェックしている。

 ADBの中尾武彦総裁も「環境保護への配慮が必要になる」と中国側にくぎを刺した。だが、中国の楼継偉財政相は「官僚主義で最良とはいえない」と反論した。斎藤氏は「公正・公平な制度を担保し、透明性のある情報開示を行うことができるのか」と疑問視している。(尾崎良樹)

2015.3.26 産経

 

[FT]中国主導のAIIBで亀裂生まれる米同盟

 AIIBの設立の動きは、アジアにおける影響力拡大で、中国の最強のカードが経済成長だと明示している。また対照的に米国の最強のカードは軍事力と安全保障条約締結国との関係だ。日本、オーストラリア、フィリピン、韓国全てが米国と安全保障条約を締結しており、はざまにいる各国はジレンマに置かれている。だが、いまやそれら全ての国々の中国との貿易取引は、米国とのそれをはるかに上回っている。

 韓国を例にとると、北朝鮮をけん制するため、そしてしかるべき時に備えて、中国のへけん制としても米国の力に頼っている。だが、韓国の輸出額のうち米国向けは12%であるのに比べ、中国向けは25%以上を占めている。

 AIIB設立に向けた動きは、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉妥結を目指す米国と日本の動機を高めるだけだが、同協定は中国を含んでいない。米国側は再び、TPPが反中国圏を作ろうとするものではなく、経済開放の基準維持が目的だと主張する。しかし、同盟国の中にはこの議論を完全には受け入れない向きがあり、一部にはアジア太平洋地域を主導する貿易大国である中国抜きで新たな貿易協定を結ぶことに違和感を唱える国もある。

 かつて、世界がドルの威力にひざまずくといわれた時代があった。しかし、今回のAIIB設立に向けた動きは、米国と緊密な同盟関係を持つ多くの国々でさえも、人民元の威力に屈してしまいそうな可能性を示唆している。

2015/3/17 日経 から抜粋

 

 

 

 

 

大国主義の傲慢さ全開も…米の「アジア回帰」封じへ 中国が推し進めるAIIB

http://www.sankei.com/world/news/150325/wor1503250019-n1.html


上海余話 桜前線とともに…訪れる“爆花見”の季節

2015-03-25 08:29:50 | 日記

 

 2月の春節(旧正月)連休に“爆買い”でその名をとどろかせた中国からの訪日観光客。4月にかけて今度は、各地で“爆花見”現象を引き起こしそうだ。

 日本の在外公館で訪日ビザ(査証)発給数が最も多い上海の日本総領事館で3月、ビザ発給総数が過去最高の14万6千件に達する見通しとなった。春節を控えた今年1、2月の発給は合わせて22万件近くで前年同期比2・7倍も増えた。

 花見需要を中心に想定を超えた申請にも、限られた人員の査証担当者は発給を遅延させないよう連日の残業や毎週のような休日出勤にも必死に応えているという。うれしい悲鳴を上げているのは、「訪日観光した中国人のほとんどが日本に良い印象をもって帰国し、親族や友人にその思い出を語ることに喜びを感じているから」だという。

 どこまで桜をめでる日本人の気持ちが中国人に通じるか、少し心配ではある。ただ口コミで伝わる「日本と日本人の実像」が次の訪日需要を生み、ひいては新たな日中関係をつくる原動力にもなるとも期待している。

 この先の“爆花見”でどんなトラブルが起きるか予測できないが、共産党政権の宣伝だけではない本当の日本の姿を一人でも多くの中国人が見てくれることに意義があると信じたい。


2015.3.25 産経


グレートバリアリーフ:「危機遺産」回避に一手…豪政府

2015-03-23 15:00:18 | 日記

 

 世界最大のサンゴ礁地帯。広大な面積で,クジラ、イルカ、ジュゴンなど、生物も多様。珊瑚の敵 オニヒトデと 温度上昇などにより最近30年間に分布域が半減した。

 

 オーストラリア北東沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁で世界遺産に登録されている「グレートバリアリーフ」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が6月にも「危機遺産」に登録する可能性が高まっている。水質悪化などによって、最近30年間に分布域が半減したためだ。そこで豪政府と地元クイーンズランド州は、世界遺産海域での土砂の投棄禁止などを盛り込む初の保護計画を公表した。

 危機遺産に登録されれば観光産業への影響は避けられず、豪政府は2050年までにらんだ長期計画を提示することで、ユネスコが結論を出す6月の国際会議を前に対策をアピールする狙いがある。

 豪海洋科学研究所によると、グレートバリアリーフのサンゴ礁分布域は1985年以降50%減った。原因の内訳は、サイクロンや暴風による損傷48%▽オニヒトデによる食害42%▽海水温上昇に伴う白化10%。肥料由来の無機窒素の流入増加によるオニヒトデの大量発生や地球温暖化が背景にあるとみられる。

 危機遺産に登録されれば観光産業への影響は避けられず、豪政府は2050年までにらんだ長期計画を提示することで、ユネスコが結論を出す6月の国際会議を前に対策をアピールする狙いがある。

毎日新聞 2015年03月23日 

 

 

● グレート・バリア・リーフの絶景写真画像集

http://dlift.jp/photo/photoDisplayWorldHeritage307


「収拾」と「ポア」

2015-03-20 10:29:46 | 日記

 

 

 中国の長い歴史は、多くの奇人・変人に彩られている。その一人、明末の反乱軍のリーダー、張献忠(ちょう・けんちゅう)は、現在の四川省の住民の皆殺しを図り、親しい友人さえ気分次第で部下に殺害を命じた。「あいつを『収拾(ショーシ)』してくれ」。「収拾」とは、一家眷属(いっかけんぞく)皆殺しを指す隠語である(『中国人物伝IV』井波律子著)。

 ▼20年前のきょう、オウム真理教の信者が東京都心の地下鉄車両に猛毒のサリンを散布し、13人が死亡した。今も多くの被害者が深刻な後遺症に苦しんでいる。首謀者の教祖、麻原彰晃死刑囚は事件の報告を受けると、「ポアしてよかったね」と喜んだという。

 ▼「首謀者の命は 宗教より重く 他者の命は …砂漠の風よりも軽い」。数日前の「朝の詩」に掲載された、過激組織「イスラム国」をテーマにした作品は、麻原死刑囚にも当てはまる。殺人を「魂を奪う」という意味の言葉「ポア」で正当化した麻原死刑囚にとって、他者の命は限りなく軽い。

 ▼自らの命の重さは、どうだろうか。裁判で弁護側は、精神的に病み、訴訟能力がないと主張した。麻原死刑囚の四女は、小紙の取材に対して「詐病で自分を守っているのだろう」と突き放す。弁護団が繰り返してきた再審請求も、死刑の執行逃れとの見方がある。

 ▼昨年、「イスラム国」に日本から参加を企てる、学生の存在が明らかになった。オウムに入信する若者も、後を絶たない。地下鉄サリン事件をはじめ、多くの人の命を奪った凶悪事件に抵抗感が薄れる事態は、きわめて深刻である。

 ▼張献忠にしばしば言及していた作家の魯迅(ろじん)は、当時の人々が彼の暴虐をやすやすと許したのが奇怪だ、と指摘したそうだ。オウムに侵食され続ける日本社会もまた、奇怪である。


 3月20日 【産経抄】

 

 今から20年前の今日、化学テロは13人の命を奪い、6000人超を負傷させる大惨事を招いた。被害者や遺族は、いまだに心身に残された深い爪痕に苦しめられている。オウム真理教は宗教法人格を失ったのに解散せず、跡を継いだアレフと分裂したひかりの輪が公安調査庁の監視下で活動を続けている。若者らの入信は後を絶たず、今や信者は合わせて1600人を上回るという。


朝寝坊

2015-03-19 09:04:29 | 日記

 

 

 今朝、目が覚めると雨。うつらうつらもう一眠りしてしまった。唐の詩人、孟浩然の「春眠暁を覚えず」そのままである。春眠と同様に朝寝も春の季語とのこと。いつの時代も朝寝坊は心地いいようだ。

 うつらうつらしながら、昔々に赴任していた職場の庁務員のおばさんが言ったことを思い出していた。「食べたものと寝たことは、間違いなく自分のもの」だと。


 誰に遠慮することもなく、大いばりで朝寝坊ができる境遇に甘んじている。

 


ストリートビューで“散策”

2015-03-16 13:04:05 | 日記

 

ストリートビューで公開されている長野の地獄谷野猿公苑。視点を変えて周囲を見渡すことができる

https://www.google.com/maps/views/view/streetview/japanese-pick-up/jigokudani-monkey-park/-_0l0tU3lKz0JtaEsqJk7w?gl=jp&heading=4&pitch=125&fovy=75

 

秘湯、屋久島、富士山、軍艦島、北陸新幹線…Googleぐるり仮想旅行 「ストリートビュー」いろんな場所、拡大中

オンライン地図で指定した場所の景色を見渡せる米グーグルの「ストリートビュー」サービス。その対象エリアが近年、急速に広がっている。公道周辺だけでなく、大自然の中や観光地、なかなか立ち入れない施設内部まで、より広く、より詳細な画像が続々と公開されている。一体、どんな場所へ仮想旅行に出掛けられるのだろうか。(三品貴志)

 鹿児島の屋久島、長崎の軍艦島、富士山の登山道や山頂…。これらは全て、ストリートビューで“散策”できる日本の観光地だ。パソコンやスマートフォンで利用できる地図サービス「グーグルマップ」の表示を切り替えると、周囲360度が見渡せるパノラマ画像が表示される。端末の操作で好きなように視点を変えることができ、画像上の矢印を選択すれば、その方向に進むことができる。

 サービスは2007年にスタートし、当初は米国の主要都市のみが公開されていた。その後、対応地域は徐々に広がり、50カ国超、800万キロメートル以上で撮影を実施。既に日本の主要道路の大部分はカバーしているという。グーグル日本法人のストリートビュープログラムマネジャー、長沼由希子さんは「その場所を訪れたかのような感覚を味わえるのが特徴。出張や旅行前の予習もできるし、道や建物の段差も分かるので、体の不自由な方にも活用していただけるはず」と話す。

 公道沿いの撮影は、車の屋根に専用の撮影システムを取り付けて行っている。だが、車両が通行できる場所には限りがある。そこでグーグルは、人が背負えるバックパック型の「トレッカー」や、手押し車型の「トロリー」といった撮影機材を開発した。長沼さんは「屋久島や富士山といった険しい場所や建物の屋内、ボート上などでも撮影できるようになった。最近は、なかなか行けないような世界中の名所が公開されていて、目的なく眺めているだけでも楽しいですよ」と語る。

 アマゾン川流域、ガラパゴス諸島、エジプト・ギザのピラミッド…。これまでに撮影された主な自然や観光地などは「スペシャルコレクション」としてまとめられており、サービスのトップページ(www.google.com/maps/views/)からアクセスできる。

 コレクションは「日本の桜の名所」「日本の城」など細かくジャンル分けされており、中には「日本の秘湯露天風呂」という一風変わったシリーズもある。雪景色のなかで温泉につかるサルや、カピバラなどの動物が写り込んでいるものもある。

 また、近年は所有者の協力を得て、商業施設や歴史建築、美術館、駅、空港などの建物内を撮影した「インドアビュー」も充実。米フロリダの「NASAケネディ宇宙センター」内が公開されているほか、今月13日には北陸新幹線の車両内が開業前に公開。無料で「グランクラス」に仮想乗車することもできる。


震災記録にも活用

 グーグル日本法人では平成25年から、一部の団体や観光協会などに撮影機材を貸し出しており、この取り組みも画像の増加を後押ししているようだ。最近では、各地の観光協会が地域の名所を撮影してPRしたり、大学が構内や講堂を公開することで「仮想公開キャンパス」として活用したりするケースもあるという。

 一方、東日本大震災後に開設した震災アーカイブサイト「未来へのキオク」では、自治体などと連携。震災遺構や帰還困難区域などをパノラマ画像で撮影し、デジタルデータとして保存、閲覧することにストリートビューのシステムが使われている。

 グーグル広報部は「時間や場所を超えて簡単に参照できるのがデジタルアーカイブの利点。そんな強みを生かした取り組みを今後も進めていきたい」と話している。

2015.3.16 日経


www.google.com/maps/views/

 

 


2015-03-15 11:27:04 | 日記

石ころを投げても反響がない。底なしかと思われるほど、その穴は深く暗く、人々は調子に乗って委細構わず放り込む。廃棄物に機密書類に都会のごみ。「穴は、捨てたいものは、なんでも引き受けてくれた」(星新一『おーい でてこーい』)。

 ▼子供時分に読んだ話とはいえ、途中で裏があるなと察したものだ。空から石ころが降ってくるエピローグは、多くの方がご存じだろう。寓意(ぐうい)は脇に置くとして、昨今の紙面で「汚染土壌」や「中間貯蔵」の文字を見る度に、「穴」の顛末(てんまつ)を思い出して胸がふさがる。

 ▼東京電力福島第1原発事故から4年、復興への一歩となるのだろうか。汚染土など廃棄物の中間貯蔵施設予定地への搬入が福島県大熊町で始まった。廃棄物の総量は東京ドーム18杯分ともいわれる。最初の1年に運び込まれるのは1%以下で視界良好とは言い難い。

 ▼施設建設に要する約16平方キロの土地も、用地交渉が難航しているという。廃棄物を一つ所にまとめる作業は、約2400人の地権者の意見を一つにまとめることを意味している。法は30年以内に廃棄物の県外処理を定めているが、それも実現の見通しは立っていない。

  ▼福島市出身の詩人、和合亮一さんは悲痛な思いをつづっている。〈福島に/福島を/涙に/涙を/日本に/日本を/埋めるのだ〉(『詩の礫(つぶて) 起承転転』徳間書店)。つるはしで地をうがち、シャベルで「穴」を掘る。その作業にわれわれもどこかで加わっている。

 ▼小欄は「脱原発」にも「火力依存」にも首肯しないが、今はしばし、つるはしとシャベルを動かす手を止めてみる。物語にみた「穴」が、おのが頭上にあいていないか。エネルギーのあり方を考え、日々の営みを再考する余地はあろう。

 【産経抄】3月15日

 

 

 

<memo>


3月14日 産経抄

2015-03-14 07:26:58 | 日記

 

 3月14日北陸中日新聞より

 

きょう午前11時15分、特急「北斗星」は札幌駅に滑り込む。昭和33年、東京と博多を結んでいた夜行特急「あさかぜ」用に新造された濃青色の20系客車を始祖とするブルートレインは、半世紀以上の歴史に幕を下ろす。

 ▼臨時は今夏まで走るが、春夏秋冬、毎日走ってこそ列車である。カメラ片手に東京駅や大阪駅を駆け回り、昭和50年代前半の「ブルトレブーム」を経験した中高年の愛好家にとっては、長年大切にしていた宝物を失った以上の喪失感がある。

 ▼惜しまれて引退するブルトレは果報者だが、惜しまれずに引退した元首相は、いつまでたっても、いたずらばかり繰り返し世間に迷惑をかけ続けている。元首相とは、もちろんクリミアを訪問した鳩山由紀夫元首相である。

 ▼現地で元首相は、ロシアへの編入を賛成多数で決めた昨年3月の住民投票を絶賛、「日本人は間違った情報の下に洗脳されている」とおっしゃっている。プーチン露大統領は、自ら国営テレビに語ったように、住民投票実施以前に併合を決めていたのだが…。

 ▼ご本人が普天間基地移設問題をこじらせ、クリミアに大規模な露軍基地があるにもかかわらず、「沖縄にこれ以上米軍基地を造らせないよう協力してほしい」と現地の人々に呼びかけたのにも度肝を抜かれた。弟の邦夫氏は「本物の宇宙人になった」と嘆いたが、宇宙人が聞いたら怒るだろう。

 ▼由紀夫クンがここまで暴走するようになったのは、首相経験者なのに誰も尊敬してくれない、という事実に気がついてしまったからではないか。自らがつくった民主党の幹部連中も冷た過ぎる。ここはひとつ、「党功労賞」でも贈って顕彰してはいかが。それでもたたるようなら熨斗(のし)をつけてプーチン氏に献上すればいい。

 

 

 <memo>

金沢駅を出発する北陸新幹線の一番列車「かがやき500号」(14日午前、金沢市)


金沢散歩

2015-03-13 07:49:52 | 日記

 

「散歩」と言う言葉が、一般に使われるようになったのは、明治のことという。『日本国語大辞典』によると、それは今で言うウオーキング、健康増進の運動の意味で定着し、次第に「そぞろ歩き」の意味も含むようになった。

▼明治二十二(1889)生まれの作家・室生犀星がこの言葉が当時持っていた斬新かつ弾むような響きを活写している

▼<こそこそ歩きでも・・・なんでも彼でも散歩と言えば運動行為であり、散歩も学門の内の一つにさえ認められて、散歩という言葉の軽快さで大概のことが片づいた>(『加賀金沢・故郷を辞す』講談社)

▼用もないのに出歩くことへの後ろめたさ、古い世間体から解き放たれ、自分の思うがままに歩を進める。そんな時代の気分を感じつつ若い犀星が歩き回ったのは、故郷・金沢だ。この街を愛する五木寛之さんの随筆を読めば、金沢散策から犀星が得たものの大きさがしのばれる。

▼<金沢の街には、たくさんの用水が流れている。暗渠をめぐる用水は、金沢に暮らす人々の心の迷路さながらに、ひそかに流れ続けている。人情、といった月並みな感覚ではない。もっと陰影にとんだ、彫の深い気配である>(『五木寛之の金沢散歩』)

▼あす、北陸新幹線が金沢まで開業する。「ちょっと、金沢の迷路を散歩しに…」。そういう旅がしてみたいものだ。

2015年3月13日 中日春秋


メルケルの“予言”

2015-03-12 09:47:44 | 日記

大正11(1922)年にアインシュタイン博士が来日したときの熱烈な歓迎ぶりは、今も語りぐさになっている。大変な親日家だった博士が残した言葉も、よく知られている。「このような尊い国が世界に1カ所ぐらいなくてはならない」。

 ▼小欄も引用したことがあるが、ドイツ文学者の中澤英雄さんによれば、まったくの創作だ。当時の新聞や雑誌には見当たらず、内容も本人の思想と矛盾するという。いずれにしても、日本人は外国の要人の発言を、ことさらありがたがるようだ。

 ▼「欧州の女王」とも呼ばれる、ドイツのメルケル首相の来日でも、同じ性癖が見られた。「過去の総括が和解の前提となる」。安倍晋三首相との共同記者会見で出た発言を、1面の見出しに掲げる新聞もあった。

 ▼ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の歴史に向き合った成果を、強調したものだ。にもかかわらず、歴史認識問題をめぐって中国と韓国に対立する日本に、メルケル氏が物申した、とでも言いたげである。「隣国の寛容な態度がなかったら(和解は)不可能だった」。フランスに触れたこちらの発言は、韓国でも波紋を広げている。

  ▼言うまでもなく、日独両国の戦後処理については、事情が大きく違う。発言が必要以上に日中韓3国で取りざたされるのは、メルケル氏の本意ではないはずだ。日本と中国との板挟みになることだけは避けたい。これが本音だろう。

 ▼「慰安婦問題などは、きちんと解決した方がいい」。民主党の岡田克也代表との会談で語ったという。メルケル氏が慰安婦問題について、どれほど正確な知識をもっているのか、あやしいものだ。岡田氏は発言をありがたがるばかりでなく、誤解を正してくれただろうか。

2015.3.12 産経抄】

 

  

 

あの人はクリミアで何言った?

11日、ロシアがウクライナから一方的に編入したクリミア半島の中心都市シンフェロポリで記者会見する鳩山由紀夫元首相(共同)

 

鳩山元首相、クリミア住民投票は「民主的だった」 対露制裁は「欧米追随」

【モスクワ=黒川信雄】ウクライナ南部クリミアからの報道によると、鳩山由紀夫元首相は11日、中心都市シンフェロポリで記者会見し、昨年3月16日に実施された編入の是非を問う住民投票について「ウクライナ憲法の規定に従い、平和的かつ民主的プロセスにのっとって行われ、クリミア住民の意思を反映していた」と述べた。

 また「クリミアで起きたことはより広い視点で見る必要がある。日本の外務省の立場が唯一正しく、現状において唯一取り得るというものではない」と述べ、日本の外交を批判した。

 さらに、ウクライナ情勢をめぐり日本が対露制裁を科したことにも言及し、「日本政府は、米国や欧州の国々の例に追従するよりも、自主的な状況評価をすべきだ」と主張。「制裁が早期に解除されるよう全力を尽くす」とも述べた。

・「鳩山氏はあまりに軽率」…クリミア訪問で菅官房長官が厳しく批判  2015.3.11
・「鳩山氏を首相にした民主党は反省を」…クリミア入りで自民・高村副総裁 2015.3.11
・ 鳩山元首相クリミア入り 民主党も「一切関知しない」と批判 2015.3.11

以上 産経から

クリミア入りした鳩山元首相の記事は、毎日、読売、産経に出ていたが、朝日には見当たらなかった。 


グーグルが被災地の写真、新たに公開

2015-03-11 09:15:57 | 日記

グーグルが「ストリートビュー」で公開した、復興に向けた工事が進む岩手県陸前高田市=1月

 

米インターネット検索大手グーグルは11日、ネット上で風景写真が見られるサービス「ストリートビュー」で、東日本大震災の被災地の現状を伝える写真を新たに公開した。災害の記憶が風化するのを防ぐ取り組みの一環で、昨年11月以降に撮影した写真を追加した。

 独立行政法人都市再生機構の協力を得て、復興に向けた工事が進む岩手県の様子を撮ったほか、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示区域に指定された福島県の小学校や幼稚園の内部も撮影した。

2015.3.11 08:22 産経

https://www.miraikioku.com/2015.html

 

 

<memo>

鳩山・元首相:クリミア入り

毎日新聞 2015年03月11日 東京朝刊

 【モスクワ田中洋之】鳩山由紀夫元首相は10日、ロシアが一方的に編入したウクライナ南部クリミアを訪問した。ロシア通信が伝えた。

 

 鳩山氏は12日まで滞在し、昨年3月にロシアに編入された「クリミア共和国」の親露派指導者、アクショーノフ首長らと会談するという。共和国のポロンスキー副首相は「ロシアの一部であるクリミアと日本の関係正常化にとって重要な訪問だ」と歓迎した。

 鳩山氏のクリミア訪問については、日本外務省が「クリミアに対するロシアの主権を認めることになる」と中止を求めていた。


ヘイトウオッチング

2015-03-09 13:26:36 | 日記

 

「ヘイトウオッチング」という言葉があると聞く。最近の俗語だそうだ。直訳すれば「憎悪の観察」。「ヘイトスピーチ」とは関係ない。絶えず文句を口にしながらテレビを見る行為を意味する。

▼どこの家にもいらっしゃるか。テレビに向かって「くだらん」とか「わらえない」と悪態をつく。本気で怒っているわけでなく、何となく出る「合いの手」のようなものであろう

▼筆者にも症状が出ている。あるCMを見るたびに「本当か」と口に出る。大学受験予備校のCMのようだ。18歳から80歳まで年齢を横軸にしたグラフがある。「現役合格したみなさん、おめでとうございます。その合格はすーっと先の人生までつながっています」とナレーションが入り、矢印が80歳に向かう。人生の成功が約束されたか

▼高校三年間の継続的な勉強が大切と言っているのだろう。それでも18歳の合否がその人の人生を「すーっと」左右するかの宣伝文句にどきどきする。志望校へ現役合格しない場合は、どうなるというのか

▼長い人生で一度もつまずかない人はおるまい。つまずいて立ち上がる。痛手の悲しみを知る。そこから知る人の優しさや味もある。

▼「その合否は人生にはつながらないさ」。そうテレビに言い返す。現役合格が成功を約束するほど甘くはないだろう。これでは、高校生を勉強に発奮させる広告にはなるまいが。

2015年3月8日 中日春秋

 

<memo> 

気がつけば、小生にも症状が出ている。

文句ではなく、相手や周囲が気分良くなれる、或いはフォローする、やる気を出させる「合いの手」を発せられるようにテレビ見ながら練習でもしてみっか。