気の向くままに

終着はいつ、どこでもいい 気の向くままに書き記す

良薬は口に苦し

2015-05-31 12:28:27 | 日記

 良薬は口に苦し、と俗にいう。戦前戦後の政財界に名を響かせた高碕達之助は三十路を越えて苦い薬を飲んでいる。自身が創業した東洋製缶の第1号工場を、「大阪の北の方」(高碕)に建てた大正時代の話らしい。

 ▼通勤の便を考え、箕面有馬電気軌道(現阪急電鉄)の小林一三に「沿線の家を売ってくれ」と願い出た。小林はピシャリとはねつけている。「北の方に工場を持って…自分の家を北に設けるとはアホウなことだ」。南に住め。大阪の街を見て通え、と。自伝にある。

 ▼企業とは、社会がつける「通信簿」に盛衰を委ねる生き物である。生活者の息づかいを聞かずして、モノづくりを語るなかれ。企業経営の要諦をも言い尽くす「アホウ」だろう。小林は創業時の高碕を支え、社の相談役に就いた。さぞ心強い後ろ盾だったに違いない。

 ▼営利でも社会貢献でも、同じ目的を持つ人々が集まった組織は内輪の論理で動く。大企業でさえ理性を失い、法を犯す集団になり下がることもある。コーポレートガバナンス(企業統治)といえば仰々しいが、要は「アホウ」と意見できる部外者の目が命綱になる。

 ▼東京証券取引所は上場企業に対し、独立した社外取締役を2人以上置くよう促すという。株価の2万円超えは結構として、足元では東芝の不適切会計が露見し、海の向こうには中国リスクの影もちらつく。数字に踊らぬよう、経営の実態を冷ややかに見る目が必要だ。

 ▼先週末に「東証27年ぶり10日続伸」と大騒ぎしたのは、他ならぬ新聞各社だった。浮かれるとはアホウなことだ、生活者にはまるで実感がないぞ-。読者という、新聞社にとって実に心強い「社外取締役」からは、手厳しいお叱りの声が今にも聞こえてきそうである。


5月31日 【産経抄】

 

<memo>

 

 BMW M3 

直列8気筒

4000CC

450馬力

 


数学者 ジョン・ナッシュさんのこと

2015-05-28 15:40:10 | 日記

 数学者の藤原正彦さんは、ニュートンら三人の天才の足跡を追った『心は孤独な数学者』で難問に立ち向かおうというときに数学者が当面する恐怖は二つある、と記している

▼「それが誤った命題であったら」と「それがもし手に負えぬほど難し過ぎたら」との恐怖である。目指す山頂は幻ではないのか。頂があるとしても遭難せずに登れるような道があるのか

▼真理の頂に至る道はかくも厳しいのだろうが、米国のある数学者は、先日、交通事故のため八十六歳で急逝したジョン・ナッシュさんをこう評したそうだ

▼「山へ登るときは、誰もがどこかに小径(こみち)がないかと探しながら頂上へたどり着こうとします。しかし、ナッシュはまったく別の山へ登り、そこから最初の山をサーチライトで照らし出すのです」

▼彼は、その天才的な頭脳で数学や経済学の未踏峰を照らし出し、ノーベル経済学賞にも輝いた。だがそうした業績と並んで忘れられぬのは、心の病との闘いと再生の物語だ。その歩みを描いた『ビューティフル・マインド』(S・ナサー著)は映画化もされ、多くの人々の心を光で照らした

▼若いころは傲慢で冷淡で無感情な天才だったが、「得るとともに与えることがもっとも重要」だと考える「とてもすてきな人間」になったと、彼を支え続けた妻アリシアさんは言ったという。どんな賞にもまさる賛辞だったろう。

5月28日 中日春秋

 

 

<memo> 4時30分出発、 5時30分出港、11時30分帰港、12時50分帰宅

 


貸家暮らしの勧め 

2015-05-27 10:47:28 | 日記

5月27日 【産経抄】


 親友の一家が、転勤先から3年ぶりに帰ってくる。門倉修造は、いつものように借家探しを引き受けた。見つけたらまず、大家に大きな菓子折りを届けて挨拶する。植木を入れて垣根を繕う。

 ▼当座の所帯道具が調ったのを確かめると、風呂の焚き口にしゃがみ込んだ。親友が長旅の疲れを癒やす最初の風呂は、どうしても自分で沸かしてやりたかった。向田邦子の小説『あ・うん』の冒頭場面である。舞台となった戦前の東京では、貸家暮らしが普通だった。

 ▼戦後の日本は、持ち家社会に転じる。多くの日本人にとって、マイホームが人生の最大目的となった。住宅建築が経済成長を促した面もある。時は移り、少子高齢化と人口減少が加速する時代を迎えたというのに、新築物件の供給は続く。

 ▼全国で空き家が800万戸を超えるのは、当然の成り行きだった。特に倒壊の恐れや、ごみが放置されて衛生上の問題がある空き家は、周辺住民にとって迷惑この上ない存在である。そんな危険な空き家の所有者に対し、市町村が撤去を命令できる「空き家対策特別措置法」がきのう、全面施行された。

 ▼もっとも所有者が拒んだ場合、税金を投入して解体すべきか。財政難の自治体は、頭を抱えることになりそうだ。そもそも空き家の再利用や中古住宅市場の活性化が進まなければ、問題の根本的な解決にはつながらない。

 ▼「他人の家を我が家のやうに手をかけて…はひつた時と見違へるやうになつた時分には、もうそろそろ家に厭きてくる」。明治、大正、昭和を生きた日本画家の鏑木清方(かぶらき・きよかた)は、引っ越し好きで典型的な江戸庶民だったという母親について、随筆に書いている。今から思えば、貸家の札が目につく町の暮らしは、贅沢だった。

 

<所感>

 空き家が放置されるのは、坪当たり4~5万円の解体費用を出して、そのうえ、住宅の建つ土地の固定資産税が6倍になるからである。「空き家対策特別措置法」では根本的な解決にならないであろう。税制上の措置が待たれる。


上品な勝率

2015-05-26 19:40:26 | 日記

 

負け続けて愛されたアイドルホース、ハルウララ

 

 平成15年12月、高知市内にある高知競馬場は、久しぶりのにぎわいを見せていた。なにしろデビュー以来99連敗中の競走馬「ハルウララ」が、初勝利をめざして出走するのだ。

 ▼負け続けてもひたむきに走り続ける姿が共感を呼び、全国的なブームになっていた。この日も断トツ1番人気だったが、9着に沈む。ハルウララは結局、113戦全敗で引退する。今は千葉県の牧場で、余生を過ごしているという。

 ▼ハルウララと比べられることが多い東大野球部が、東京六大学野球の春季リーグ戦で23日、法大に6-4で勝利を収めた。これで5年前の秋季リーグから続いてきた、リーグワーストの連敗記録が「94」で止まった。

 ▼もともとスポーツ推薦のない東大と、甲子園経験者がチームに珍しくない他の5大学との実力差は、とてつもなく大きい。最難関の受験を突破した学生が、野球エリートたちに立ち向かう姿に、エールを送るファンは確かに少なくない。ただ、さすがに100連敗ともなると、リーグ脱退の声が出てくる可能性がある。危機はとりあえず去った。関係者は胸をなで下ろしているだろう。

 ▼連敗記録といえば、学習院大学名誉教授の篠沢秀夫さんの笑顔を思い出す。昭和52年から11年間、TBS系の「クイズダービー」でレギュラー解答者を務めていた。驚異的な正解率の高さを誇る漫画家のはらたいらさんに対して、珍答や迷答が目立った。司会の大橋巨泉さんにからかわれても、「愉快ですね」と笑い飛ばして、たちまち人気者になった。

 ▼現在は難病と闘っている篠沢さんは、「3割程度の正解率が上品」と語っていた。昨日、また負けてしまった東大には、せめてそれくらいまで勝率を上げてもらいたい。

産経抄 5月25日


習式揺さぶりの術? 二階氏ら「正義と良識ある日本人」、安倍首相が「諸悪の根源」

2015-05-25 18:29:58 | 日記

日中観光交流イベントで、自民党の二階総務会長(左)と握手する中国の習近平国家主席=23日、北京の人民大会堂(共同)

 

 【北京=矢板明夫】中国の習近平国家主席は23日夜、自民党の二階俊博総務会長が率いる約3千人の訪中団(財界や日中友好団体の関係者らで構成)と面会した際、安倍晋三政権の歴史認識を暗に批判する一方、訪中団のメンバーを「正義と良識のある日本人」などと褒めたたえた。日本政府と一般の国民を切り離す「二分論」を展開し、日本の世論に揺さぶりをかけようとする思惑があるとみられる。

 日中関係をめぐっては、3月末から5月初めにかけて自民党の谷垣禎一幹事長や高村正彦副総裁、額賀福志郎元財務相ら日本の要人が相次いで訪中し、それぞれ習主席との面会を求めたが実現しなかった。

 2012年11月に中国の最高指導者となった習主席は対日強硬姿勢を崩さず、日本政府要人と会うことを極力避けており、今回の二階氏訪中に関しても、「習主席には会えないのでは」との見方が出ていた。

 ところが、習主席は人民大会堂で開かれた日中の交流式典に突然登場し、関係者を驚かせた。ある中国共産党関係者は「習主席は日本の民間人に対し『日中関係悪化の原因は全て安倍政権にある』と直接強調するのが目的だ」とした上で、「日本の世論を分断し、8月に発表される戦後70年の首相談話や憲法改正の動きを牽制したい思惑もある」と指摘する。

 日本政府と国民を区別する二分論は毛沢東時代からの対日工作の常套手段だ。「諸悪の根源は軍国主義の復活を図る右翼政治家にあり、日本国民は政府に洗脳された被害者だ」という論法で、日本のリベラル勢力などを味方に付けることを目的にしているという。

 習主席はこの日の講演で、唐代の詩人、李白と、唐で学んだ阿倍仲麻呂との友情などを例に挙げ、日中交流には長い歴史があり、今後も民間交流を展開する必要性を強調した。その上で、日中戦争が中国国民に大きい災難をもたらしただけではなく、「日本国民もあの戦争の被害者だ」と主張し、訪中団に「歴史を歪曲(わいきょく)する動きに一緒に反対しよう」と呼びかけた。

2015.5.24 20:36更  産経

 

 

 

 

 


人生には転機につながる出会いがある…

2015-05-24 18:10:45 | 日記

毎日新聞 2015年05月24日 東京朝刊

 人生には転機につながる出会いがある。京都で手描き友禅の職人をしていた森本喜久男(もりもときくお)さん(66)にとっては、35年前にバンコクの国立博物館で見たカンボジア伝統のクメール織の絹絣(きぬがすり)がそれだった。赤を基調に唐草風の模様を織り込んだ布が醸し出す質感とエネルギーに魅了された。

▲この頃、カンボジアは激しい内戦の最中だった。森本さんは難民支援の活動に参加することを思い立ち、カンボジア国境に近いタイ東北部の村で、手織物を通じて貧しい人々の生活を支えるプロジェクトに取り組んだ。

▲内戦終結後の1994年、初めて国境を越えてカンボジアに入った。ポル・ポト派による大虐殺と戦闘で国内は荒廃し、クメール織の伝統は消滅しかけていた。各地を訪ね歩き、翌年、技法を受け継いでいるおばあさんにめぐり合った。

▲復興を目指して工房を開設。荒れ地に桑を植えて蚕を育て、染料を取る樹木や草を植えた。試行錯誤の末、クメール織の技術は再生し、工房は約200人が住む村に発展した。森本さんはその歩みを著書「カンボジアに村をつくった日本人」にまとめた。

▲繭からは手で糸を引く。生糸に人の呼吸が入り織物にぬくもりが残る。良い色を出すには良い土が必要だ。自然素材で染めた色は時間と共に変化し味わいを深めていく。織物は自然の豊かさそのものだ。

▲日本にも忘れられかけている大切なものがある。自然と共に生きてきた農山村のおじいさん、おばあさんたちの暮らしの知恵だ。代々伝わる生活の技を見直し、再生していくことが本物の豊かさにつながる。異国の地で伝統をよみがえらせた職人はそう感じている。

 

 

<memo>

野々市市スポーツセンターで実施された武術太極拳大会に出場させていただいた。

出場の機会をいただき、先生の特別指導と教室仲間の応援をいただいたことに心から感謝している。

 


片づけの魔法

2015-05-22 10:25:33 | 日記

 

 「この本は『一度片づけたら、絶対に元に戻らない方法』を書いた本です」。こんな書き出しの『人生がときめく片づけの魔法』が、日本を含めた世界30カ国以上で話題になっている。

 ▼著者の近藤麻理恵さんは、米誌タイムが選ぶ「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた。近藤さんによると片づけのコツは、「一気に、短期に、完璧に」。千葉市の市立中学で技術家庭科を担当している教諭(30)も、魔法に魅せられた一人か。

 ▼今年3月に異動が決まると、早速学校で保管していた荷物の整理を始め、段ボール44箱に収めた。ここまではいい。教諭はレンタカーの軽トラックで、あろうことか、市内の山林に運んで捨てたというのだ。全校生徒名簿や定期テスト成績一覧のほか、生徒の木工作品なども含まれている。生徒の個人情報への配慮はまったくない。そもそも教え子への愛着が、みじんも感じられない。
 ▼神奈川県茅ケ崎市の小学校教諭、藤谷純子さんが、担任として受け持った児童の似顔絵を描き始めたのは、昭和57年からだ。休み時間や放課後を利用して、鉛筆でデッサンした。それらの作品を手書きのメッセージを添えてプレゼントするのが、学年終わりの習わしとなった。

 ▼平成22年に定年退職を迎えるまで、28年間で700枚にも上る。作品のコピーは手元で保管し、時々見返すのを楽しみにしていた。藤谷さんは、昨年5月に64歳で亡くなり、今年3月には、遺作展が開催された。油絵や水彩画とともに、児童の似顔絵も展示された。教え子たちが、思い出話に花を咲かせていたという。

 ▼藤谷さんのような先生に出会えた子供たちは幸せだ。親としてはせめて、非常識な教員に当たらないよう、祈るばかりである。


5月22日 【産経抄】


和歌山県太地町のイルカ追い込み漁

2015-05-21 08:45:37 | 日記

アリストテレスは古代ギリシャのイルカ漁の様子を…

2015年05月21日  毎日新聞

 哲学者のアリストテレスは古代ギリシャのイルカ漁の様子を、その「動物誌」に記している。漁民たちはイルカの群れが来ると多くの丸木舟でいっせいに取り囲む。そこから石を投げたりして音を立て、驚いた群れを陸へと追い上げるのだ。

▲あれ、どこかで聞いたような……と思われるのもそのはずで、和歌山県太地(たいじ)町で行われている伝統的な「追い込み漁」とよく似ている。こちらは船をたたいて音を出し、群れを入り江へと誘導する。アリストテレスは音によってイルカが正気を失うと考えたのである。

▲何千年もの時を超え、海に暮らしの糧(かて)を求める人々が命がけであみ出した漁法が似通うのは不思議ではない。自然と共に生きる人々のごくまっとうな営みとも思える。だがそれが何やら途方もない非人道的な所業であるかのように難じられる今日の国際社会となった。

▲日本動物園水族館協会は追い込み漁で捕獲したイルカの展示は倫理規定違反だと改善を求める世界動物園水族館協会の勧告を受け入れた。これで漁からのイルカの調達はできなくなる。だが拒否して退会すれば世界的な希少動物の入手が難しくなる中での決定だった。

▲ただここは被害者意識にとらわれても仕方ない。確かにイルカショーなどを売り物とする水族館には痛手だが、それを伝統文化と強弁するわけにもいくまい。こうなれば国際社会での価値観の断層を冷静に踏まえ、イルカの飼育の新たな世界基準に参画するしかない。

▲今やその多くが自然と共に生きる暮らしから随分と遠ざかってしまった人間である。水族館や動物園の存在意義を改めて考えさせるイルカをめぐる騒動だ。

 

 

「変態民族め」「虐殺者」和歌山県太地町に送りつけられる嫌がらせFAX…常軌逸したイルカ漁批判に町民「うんざり」

2015.5.21 産経(抜粋)  

 イルカ漁が行われている和歌山県太地町への悪質な嫌がらせが絶えない。2010年に同町を題材にした映画「ザ・コーヴ」が米アカデミー賞を取り、国内外の注目を浴びて以来、抗議の便りは世界中から寄せられるようになった。町役場や町漁業協同組合に届くFAXの量は増え、「変態民族め」「大虐殺は日本の文化」などと内容もますます過激に。英語表記のものだけでなく中国語、韓国語のメッセージも目立ち、戦時中の南京大虐殺と関連づけた残忍な写真の添付も散見される。

太地漁協へ送られてくる嫌がらせのFAX。

  太地町では毎年9月から翌年3月まで、食用のためのイルカを捕獲しているほか、イルカをそのまま生け捕りして、国内外の水族館へ提供している。

 

 

 【閲覧注意】残酷すぎるイルカ追い込み漁~和歌山県大地町(you tubeより)


「人口減少地図」

2015-05-20 10:39:31 | 日記

 http://www.nikkei.com/edit/interactive/population2014/map.html#mode=/mode=/

 

今日は、上記アドレスの「人口減少地図」をいじくっていた。

「人口減少地図」について

日本の人口動向を表す地図を4つ作成しました。各地図は画面右上のタブで切り替えることができます。
 (1)2040年の若年女性の数がどれだけ減るかを推計した地図。日本創成会議は50%以上減る自治体を「消滅可能性都市」としています。
 (2)2010年から14年にかけて、人口が実際にどれだけ増減したかを示した地図。
 (3)各自治体ごとの小学校数。
 (4)各自治体ごとの医療機関数。
 画面左側に各地図ごとのランキング上位、下位自治体を示しています。
 画面右上に市区町村名をいれると、指定の自治体に移動します。
 環境により表示に時間がかかることがあります。その場合は画面トップの「簡易版」をご利用ください。


データについて
使用している数値データは日本創成会議、国立社会保障・人口問題研究所、総務省の資料に基づく。
2040年の人口推計は民間組織「日本創成会議」(座長:増田寛也元総務相)が発表した。 出産に適した年齢といえる「 20~39歳」の女性の人口動態に着目。 40年には全国のおよそ半数にあたる896の市区町村で20~39歳の女性が50%以上減り、女性が生涯に産む子どもの数が増えても人口を保てず、「消滅するおそれがある」とした。2040年の人口推計(創成会議)は、12の政令市(札幌市、仙台市、千葉市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市)では区単位で、8の政令市(さいたま市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、堺市、岡山市、熊本市)では市単位で推計している。
 病院・診療所は歯科を除く。


大阪のジンクス 

2015-05-19 14:20:52 | 日記

  橋下徹大阪市長の「大阪都構想」は、なぜ、住民投票に敗れたのか。直前の大阪市内の様子を伝えるテレビの報道番組に、印象的なシーンがあった。

 ▼反対派の議員の街頭演説を聴いていた中年女性は、記者に反対の意思を伝えていた。ところが続いて行われた橋下氏の演説に耳を傾けているうちに、賛成に転じる。投票所から出た同じ女性は、反対票を入れていた。

 ▼都構想について、大阪府、市議会で論議が尽くされたとはとてもいえない。メリット、デメリットが、市民の多くに伝わっていなかった。高年齢層に反対の割合が多かったのは、市民サービスが低下することへの懸念からだろう。

 ▼抜群の発信力を誇り、これまでの選挙で圧倒的な強さを見せつけてきた橋下氏自身にも、落とし穴があった。過激な言動に不安を感じてきた人たちにとって、初めて直接NOを突きつける機会を得たといえる。橋下氏はよく、織田信長になぞらえられてきた。改革を急ぎすぎ敵も多かった、英雄の轍を踏んでしまったのだろうか。

 ▼司馬遼太郎さんは、信長に加えて、平清盛、蓮如、豊臣秀吉、そして大久保利通を日本史上における天才として挙げている。清盛は、大阪湾沿岸の福原への遷都を強行し、蓮如は本願寺の本拠地を今の大阪の地に置いた。本願寺を追い払った信長の遺志を継いだ秀吉は、大阪城を築く。大久保もはじめ、京都から大阪へ都を移そうと考えていた。

 ▼大阪に地政学的価値を発見した彼らは、いずれも政治的には薄命に終わってしまう。司馬さんによれば、大阪が「政権を滅ぼす宿命の都」だったからだ(『歴史を紀行する』)。笑顔で政治家引退を宣言した橋下氏も、そのジンクスから逃れられなかったのかもしれない。

5月19日 【産経抄】

<一言>

「僕はワンポイントリリーフ、権力なんて使い捨てでいい」・・・・・らしい言である。


大阪都構想:橋下市長と松井知事の会見・一問一答

2015-05-18 08:44:08 | 日記

毎日新聞 2015年05月18日 01時17分(最終更新 05月18日 06時30分

 

 17日、大阪維新の会の記者会見であった橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事の主なやりとりは次の通り。

 橋下氏 大阪市民の皆さん、本当に重要な意思表示をしていただきましてありがとうございます。大変重く受け止めている。ぼくが提案した大阪都構想、市民の皆様に受け入れられなかったということで、やっぱり間違っていたということになるんでしょうね。本当によくいろんなことを考えていただいて、かなり悩まれたと思うし、非常に重い重い判断をされたと思うが、日本の民主主義を相当レベルアップしたかと思う。大阪市民の皆さんが、おそらく全国で一番、政治や行政に精通されている市民ではないかな。

 また、これだけ多くの税金を投入して大阪都構想というものをずっと進めてきた。特に大都市局、大阪府、大阪市の職員も、幹部はかれこれ5年以上ぼくに付き合ってくれている。大都市局以外にも関係各局の職員、相当なエネルギーを割いて、ここまでぼくに付き合ってくれて、最後こういう結論になった。あまりにも納税者の皆さんに対して失礼な言い方かも分からないが、政治家冥利につきる。本当にありがたく思っている。

 松井氏 この悩ましい問題に対し、二者択一の賛成か反対かという判断を求めた。本当に悩まれて判断された結果だと思う。この結果を真摯(しんし)に、謙虚に受け止め、賛成、反対双方とも問題があるというのは出たので、残された任期は精いっぱい、さまざまな問題解決に向けて働きたい。大阪府庁でも多くの職員が一生懸命、大阪都構想に向けて努力をしてくれた。支えてくれたみんなにお礼を言いたい。究極の民主主義で決まったので、しっかりと残りの任期を働いていきたい。

−−敗因は?

 橋下氏 ぼく自身に対する批判もあるだろうし、都構想について説明しきれなかったぼく自身の力不足。

−−市長の任期満了で政治家を退くのか。

 橋下氏 市長任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない。これは前から言っていたことだ。

−−市長だけでなく政治家は一切やらないのか。

 橋下氏 弁護士やりますから。維新の党の法律顧問として雇ってもらえないかと、さっき江田(憲司)代表に言った。まだ返事はもらっていない。

−−結果とはうらはらに笑顔に見えるが、その気持ちは。
 橋下氏 自分なりにやってきたつもり。38歳からやってきて、無理してきたところもあるでしょうし。公の仕事でお返ししないといけないという思いから政治の世界に入ったが、有権者の皆さんからすれば、「橋下、お前やってきたことおかしいじゃないか」といろいろあるでしょう。自分なりには、悔いのない政治家としての7年半。あと半年あるが、思う存分やらさせてもらった。

−−70万人が大阪都構想に賛成した。数を見て進退について気持ちの微妙な変化はないか。

 橋下氏 いや、ない。政治だから負けは負け。ここは公務員と違うところだ。昨日の街頭演説では、完全に戦をしかけた。たたきつぶすと言って、こっちがたたきつぶされた。この民主主義ってのはすごい。これだけの大層なけんかをしかけて、負けたのに命をとられない。ぼくはまた普通に生きて別の人生を歩める。絶対に民主主義のルール、体制は是が非でも守らなきゃいけない。そのためにはやっぱり報道だ。報道の自由は民主主義を支える根幹だから、メディアに頑張ってもらいたい。

−−過去にも自身の進退発言をくつがえしたが、100%辞めるのか。

 橋下氏 また2万%と言わせたいんですか。あの時は番組の収録を抱えていて、「どうしても出ない」というふうに言わないと放送ができなかったので、ああいう言い方をした。もう政治家はぼくの人生では終了です。

−−12月まで市長を続ける。将来、もう一度政治家になる可能性はあるか。

 橋下氏 ないですよそんなの。まず一つは、住民の皆さんの気持ちをくむ。負けるのだったら住民投票をしかけるべきでない。その判断が間違っている。住民の皆さんの考えをくみ取れていなかった。それは政治家として能力が一番欠けているところです。政治家は嫌われちゃいけない。民主主義である以上。僕みたいな政治家が長くやる世の中は危険。みんなから好かれる、敵のいない政治家が本来、政治をやらなければいけない。敵を作る政治家は本当にワンポイントリリーフで、いらなくなれば交代。権力は使い捨てが一番。それが健全な民主主義だ。ぼくみたいな敵をつくる政治家がずっと長くやるなんて世の中にとって害悪。でも8年間、僕みたいなスタイルでやっているのだから、大阪も相当問題を抱えていたのかもしれない。

−−維新の看板政策が今回否定された。今後はどうするのか。
 橋下氏 維新の党の方は分からない。ふがいない(大阪維新の会の)代表で、メンバーに多大な迷惑をかけたが、次のリーダーをしっかり選んでもらって次のリーダーにしっかり引き渡していきたいなと思う。

−−大阪維新の会では役職を退くのか。

 橋下氏 引き継ぎをどこかでやらないといけないと思っている。

 松井氏 任期満了までは、われわれも仲間に入れておいてもらう。

 

記者会見で、互いに相手への思いを語る大阪維新の会の橋下徹代表(左)と松井一郎幹事長=大阪市北区で2015年5月18日午前0時半、川平愛撮影

 

<所感>

 斬新な発想と実行力のある人。言い訳をしない、謝るべきところは謝る、、戦うべきところは戦う。

 政界を引退との表明は寂しい気がする。


高度な消費国、技術開発国として成長する中南米

2015-05-17 09:45:00 | 日記

 「中南米地域はこれまで鉱業、エネルギー、インフラ建設など、いわゆる重厚長大ビジネスの市場として注目され、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の一翼を担う地域として経済発展を続けてきました。一人あたりGDPが4,000ドルを超えるとモータリゼーション(自動車の普及)が2輪から4輪に移行するといわれていますが、中南米32カ国のうち10カ国は一人あたりGDP が4,000ドル以下です。経済力上位のアルゼンチン(同12,900ドル)、メキシコ(同10,700ドル)、ブラジル(同11,600ドル)でさえ自動車の普及率はそれぞれ30%、28%、19%です(米国78%、日本60%)。まさに将来が期待できる市場といえるでしょう。ITの普及“ITトランスファー”もこれからです。製造、小売、医療、金融機関など現地企業の経営効率の改善や、中南米に進出する外資系企業のシステム構築、保守・運用サービスのサポートなどでITトランスファーにも大きな発展の余地があります。中南米はインフレに悩む資源開発国、支援対象から、インフラ整備、生活改善、消費・文化・産業の高度化、技術開発の拠点として注目されるようになりました。自立して成長する国々が複合的に連携して巨大な市場を形成する大転換の時期を迎えています。経済誌『フォーブス』は2025年にはグローバル500の企業のうち中南米の企業が現在の10社から34社に増えると予想しています」
  東京、ニューヨーク、パリ、シンガポールなど世界7都市を拠点に日本企業や外資系企業、各国政府などのさまざまな事業領域についてアドバイスするショーンさんは中南米のマクロ経済の潮流変化について、そう分析する。

 

日本からの直接投資が拡大するメキシコ、ブラジルなどを擁する中南米は、消費市場、技術開発・生産の拠点として期待が集まるエリアだ(写真はメキシコ市)

日経新聞より


中国は晋の時代、呉猛は8歳だったが…

2015-05-16 08:38:15 | 日記

 

 

 

 中国は晋の時代、呉猛(ごもう)は8歳だったが、家が貧しく蚊帳がない。そこで自分の衣服を母親に着せ、裸になって寝て蚊に刺されるにまかせた。24人の親孝行談を集めた「二(に)十(じゅう)四孝(しこう)」の一つだが、落語家にかかっては格好の笑いのネタになる

▲この話を聞き、自分も体に酒を塗って蚊を引きつけようと考えた男、買った酒を飲んで寝入ってしまう。起きれば不思議に蚊に食われた痕(あと)がない。「孝行を天が感じたんだ」と喜ぶと、そばにいた老母が「何を言ってるんだい。夜っぴてあたしがあおいでたんだよ」

▲こちらは落語の「二十四孝」で、昔は酒をササの葉に注いで部屋の隅に置くと蚊がそちらに集まるという俗信があったとか。杉の青葉などをいぶす蚊やりが普通の蚊よけ対策で、これにもカヤの木のおがくずをいぶすと効果があるとの語呂(ごろ)合わせのような話があった

▲さて、例年なら梅雨明けも近くなってから話題になる蚊よけ対策だが、今年はもう東京都内の公園でボウフラの発生する側溝への薬剤散布が始まった。昨夏69年ぶりにデング熱の国内感染があったことで、媒介するヒトスジシマカをいち早く封じ込めようというのだ

▲気温が20度を超えるとふ化し、動きも活発化するという蚊である。厚生労働省は先ごろ自治体の担当者を集めたデング熱の対策会議を開き、どの自治体でも起こりうると対策の徹底を要請した。街の薬店ではすでに防虫スプレーなどの虫よけグッズが並べられている

▲地球温暖化による新たな感染症のリスクを誰にも身近に感じさせた昨夏のデング熱だった。いくら親孝行でも蚊に刺され放題はやめておいた方がよかろう。

毎日新聞 2015年05月16日 東京朝刊

 

<memo>

 先日の朝、庭に蚊がいた。暑い日が続いたから孵化が早まったのだろう。


タスケロン

2015-05-15 07:45:08 | 日記

 

 

 「ドラえもん」が、四次元ポケットから取り出す「ひみつ道具」は、1600種類にもなる。どんな病気にも効く「万病薬」もそのひとつだ。作者の藤子・F・不二雄さんによると、未来の国では、簡単に手に入るそうだが…(『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』小学館)。

 ▼独特のしゃがれた声で、アニメ「ドラえもん」の声を長年担当してきた声優、大山のぶ代さん(78)が、自宅で認知症と闘っている。夫の俳優、砂川啓介さんがラジオ番組で明らかにした。残念ながら今のところ、特効薬はない。

 ▼「人生の落日に向けた旅に出る」。1994年11月、83歳だったレーガン元米大統領による、アルツハイマー病の告白は、全米に衝撃と感動を与えた。続いて映画俳優のチャールトン・ヘストンさんも、ビデオを通じて病気と闘う決意を示す。2008年には、サッチャー元英首相の認知症も公表された。

 ▼レーガン元大統領の告白当時、日本の患者数は約100万人と推定されていた。病気に対する偏見や誤解も、根強かった。厚生労働省によると3年前の時点で、認知症高齢者の数は約462万人、10年後には700万を超えると推計される。まもなく高齢者の5人に1人が認知症となる時代に、もはや誰も、目を背けてはいられない。

 ▼大山さんには、まだ仕事を続ける意思があるという。好きだった料理ができなくなり、2分前に会った人の名前も思い出せない。そんな告白を、いつもの芸能ニュースとは違う切実さで聞き入った人も少なくないだろう。

 ▼ドラえもんのポケットには、「タスケロン」という薬も入っている。困った人を見つけたら、助けずにはいられなくなる。これからの日本に、一番必要な薬かもしれない。

5月15日 【産経抄】

 

<所感> 

 加齢にともなう心身の機能低下は避けられないが、生活態度によってそれを遅らせることは可能だろう。太極拳教室に通う目的はこのことに尽きる。

 今日までに、趣味の延長線上で種々の大会や競技に参加してきた。競技開始前の「気」「気分」「気持」は日常では味わえない独特のものがある。

 今回、石川県民スポーツ・レクレーション祭に参加する機会を得た。昨日は、そのための特別指導=補習をしてもらった。

 大会参加や特別指導は心身をリフレッシュするための良い機会だと受け止めている。


日本の長寿世界一続く WHO統計、平均84歳

2015-05-14 10:28:26 | 日記

 

 世界保健機関(WHO)は13日、2015年版の「世界保健統計」を発表、13年の男女合わせた日本の平均寿命は84歳で、前年に続き首位を維持した。男女別では、日本の女性の平均寿命が87歳と首位だったが、男性は80歳で、サンマリノ(83歳)やシンガポール(81歳)などを下回った。

 世界の平均寿命は71歳で、女性は73歳、男性は68歳だった。1990年に比べ、男女ともに6歳伸びた。

 男女合わせた平均寿命が最も低かったのは西アフリカのシエラレオネで46歳。レソトが50歳、中央アフリカが51歳、アンゴラとチャド、コンゴ(旧ザイール)がそれぞれ52歳と、依然としてサハラ砂漠以南のアフリカ諸国で平均寿命の低さが目立っている。(共同)

2015.5.14 00:27更新 産経