株式会社AN代表取締役の向山かおりです。
今回は、会社経営において重要である会計に関連して、日次決算の考え方についてお話したいと思います。
決算というと年次決算、月次決算という言葉の方が、日々の仕事やニュースなどで耳にすることが多いかもしれません。
日次決算とは1日単位で決算を行うことで、 わかりやすく言えば、「(1日あたりの収入)ー(1日あたりの支出)」を日ごとに計上することにより、会社の経営状況を把握する取り組みです。
家庭の収支管理に置き換えて考えてみると次のようになります。
例えば、月々の収入が30万円、 家賃や通信費などの固定費の支出が10万円だとします。
30万円-10万円=20万円を30日で割ると、1日あたりの支出は6666円が上限となります。
つまり、日々の支出を6666円未満にすれば、家計を黒字にすることができます。
この日次決算の手法は、日本航空が財政破綻した際に再生を手掛けた稲盛和夫が、同社の再建にあたって導入した「アメーバ経営」においても採用されています。
日々収支の状況を把握する日次決算は、経営状況をリアルタイムで可視化できるというメリットがあります。
日次決算を行っていると、年次決算、月次決算のみを取り入れている場合と比較して、 ・日々の収支を黒字にしようという意識が醸成され、経営の健全化につながりやすい ・通常と異なる支出などのリスクを速やかに察知し、改善のための対応を行うことができる といった点で、会社経営に資するものと言えるでしょう。
このように、会社経営の日々の状況を速やかに把握し、状況の変化にいち早く対応することにつながるものとして広まってきた日次決算ですが、 これは個人の財務状況の管理改善においても有効な手法です。
個人の収支管理を日次決算で行う場合は、 月収を30で割り、その額の中で毎日の支出が収まるようにすることで、黒字化を図ることができます。
ここで大切なのは、毎日1円でも多くの黒字を生み出すこと。
1日くらい赤字でもよいのでは、とも思われるかもしれませんが、 黒字化のための努力を先延ばしにする習慣は、結果的に大きな赤字をもたらしかねません。
逆に1円でもプラスを多く積み重ねていくことで、将来のために使えるお金も着実に増えていきます。
私自身、起業する前から個人の財務状況を日々把握し、毎日黒字経営にする努力をしてきたからこそ、 独立し事業を経営するようになった今でもこの経験がいきていると感じます。
今回は、会社の日々の経営を健全化し、より速やかな経営判断に資する日次決算の考え方についてお話しました。
今後も会社経営に役立つ様々な情報を発信していきます。
引き続きよろしくお願いします。