アンジェリークの医療用ウィッグ ブログ

銀座 市川にて全国から製作依頼がある医療用ウィッグ 
ANGELIQUEです 

沖縄にて

2011-08-19 21:00:50 | 忘れられない出来事
昨日まで沖縄の渡嘉敷島へ行ってきました 



15分ほど船で離れた無人島のビーチ 純粋で透明なビーチ

海を眺めながらある患者さまを思い出していました

Hさま と言います

Hさまは抗がん剤が始まるのにどうしても沖縄に行きたくて

先生に反対されたけど シュノーケリングをガンガンしてきたというのです

そんなHさまとはもちろん初対面でしたが 一回抗がん剤治療をしたので

もう髪は抜けはじめているので ネットで買ったウイックを切ってほしいとお店にいらっしゃいました

自髪もベリーショートにしてほしいと言います

大量の注文です 正直ちょっと びっくりしました


まずベリーショートにカット とにかく気に入ってもらえました

1つめのウイック 普段かぶるようにネットで注文したようです。

「NHKでも紹介された方が作ったかつらだから」とお顔に合わせますが どうしてもイメージがわかず

ウイックも値段も5万円前後だし、どこかのお店でカットしてもらうように作られたものですが

残念ながら洗練されてないと言ううか、マスコミから取り上げられるような医療用かつら

何が本物なのか 患者さまの事を考えたら 悲しくなります

通販では伝わらない事

人の思いが入ったもの 器でも 工芸品でも 見ただけですぐわかるものです

ネットで雰囲気は分かるのですが 思いまでは感じ取れないものです

うちのお店では 患者さまからお電話が入れば だいたい電話で雰囲気を聞いて

ウイックをその方に合わせて 前処理しておきます

正直2時間ほどかかる事もあります このように手を入れるのはオリジナルの発想です

そのおかげでしょうか まだカット前の段階でもこれはいいウイックだとわかっていただけるようになってきました


実際 エピテーゼのウイックをお見せしました。Hさまはウイックの裏を見ただけで

「あっ 本物だ こっちにする ネットで買ったこれはキャンセルする」

そして実際かぶってみて

「やっぱり 全然違うよね」

とにかく即決という感じです


よくよく聞いてみると Hさまは余命宣告もされていて もうその期間を過ぎていると言うのです

自分も初めてのケースの患者さまです どう接したらよいのか・・悩みました それが顔に出ていたのかもしれません

「沖縄に行くのも先生と喧嘩しちゃったけど行ってよかった」 最近はどんどん決断が速くなって

良いもの 悪いもの すぐ見わけがつくようになったと言います

これは他の患者さまからもよく聞く言葉です


自分にとって医療用かつらは天職

やればやるほどたくさんのことを教わり 患者さまの思いを毎日聴いております

いろいろな思いがあり 「こんな考えもあるんだ」いつも新鮮で

いつもスタートラインに引き戻してくれます

その度 純粋にいいウイック作りたい 微力だけど支える事が出来れば

思いは日に日に強くなります


今回 Hさまとの出合いは大事な事をいっぱい教えてもらいました

時間を大事にしているHさまが感性で選んでくれた事

人を信じる事は 自分自身を信じる事につながること

少しだけ自信になりました

Hさまが きのさん「出会えてよかった ずっと笑顔でいて」

もっともっといつも純粋になって いつでも素敵な言葉頂けるように そして笑顔

Hさま ありがとうございます 大事にします
















コメント
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