アンジェリークの医療用ウィッグ ブログ

銀座 市川にて全国から製作依頼がある医療用ウィッグ 
ANGELIQUEです 

晴れの日

2012-01-09 17:39:01 | 今日の出来事
晴れの日 そんな日だった

今年の成人式 自分にとっては一生忘れられない日 心に深く刻まれた日でした

ウイッグのお仕事をはじめて 抗がん剤治療により脱毛される方の制作のご依頼がほとんどですが

脱毛症の方のご依頼もけっこうあります 行く美容室が無いのでずっといらっしゃる方ばかりです

そんな中でもAちゃん いや成人したからAさんとの出合いは思いで深いです

当時Aさんは高校生 

脱毛症のAさんを心配してお母様がお話を聞きに来ました

きの  「高校生のお子様のウイッグですか?」

お母様 「はい 娘はかつらなんていらない ちゃんと生活できてるしって言うんです
     でもこれから専門に行ったり 成人式だって 着物は着ないにしても
     とにかくあの子の写真は本当にまったくないんです」

きの  「そうだったんですね 自分も娘が2人います 写真が無いなんて・・・・
     分かりました ぜひウイッグを作らせて下さい 自分が責任もって成人式も手配します」

お母様 「アップもできるんですね・・・ ぜひともよろしくお願いします」


Aさんが何日かしてお店にいらしてくれました

Aさんは帽子もかぶらずお母様に連れられてやってきました

Aさんは自分の目から見てどうしてもウイッグが必要な感じに見えました 緊張感でしょうか

あまりに表情が暗く 自分には彼女のお顔は真っ青に見えたのを覚えています


ウイッグをおつくりしました 「少し使ってみて気になる事があったらいつでもおいで」とお伝えしました

2月ほどしていらしたAさんは明らかに別人になっていました

ウイッグを使うようになり好奇心旺盛な心に灯が付きバイトをすぐ始め 少しメイクもするようになりました

青く見えた彼女がピンク色に見えてきました

生命力 オーラ 普通の女子高生と全く同じです


それから2年ほどが経ち待ちに待った成人式になりました

ウイッグも新調し そして小物の手配もし 髪飾りも特別なつけまつ毛も

普段やるように いやそれ以上に気合が入りました





出来上がったAさんはウイッグを使っているようには決して見えないどころかたくさんの成人の中でも

目を引くほどでした

御両親がまぶしそうに遠目で見つめ

感動的なシーンだったと思います


きの  「お母様 お約束果たせて 自分は美容師冥利に尽きます」


お母様 「初めてちゃんとした写真を3人で撮って来ます きのさん感謝しております」


晴れの日 こんな日の事を言うのだろう 祝福するように 冬の肌寒いうすくもりの中から確かに光が見えた気がした

大人の階段一歩踏み出したAさんを見つめそして御手伝いできた事

自分達も感謝です「ありがとう」





コメント
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