化石の日記Ver.2

ミーハーのたわごと。
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妄想産業

2012-09-03 00:16:44 | 音楽の話
さて。ウィキペディアの英語版↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Echo_%26_the_Bunnymen_discography

を細かく読んでいたら、

Seven Seas"、"Bring On the Dancing Horses"、"Lips Like Sugar"

といったEcho & the Bunnymenの不思議ちゃんPVは

ビデオディレクターにAnton Corbijnという名前が記されていました。

まあ、おそらく彼の趣味だったんだろうかと…

萌え狙っていたのか聞きたいけど、英語でどう書いていいのか悩ましいところです。



もっといろいろアーチストを紹介したいのですが、

不思議ちゃんと怪しい人で停滞してしまい、なかなか先にすすめません。

恐ろしい底なし沼にはまってしまった気分です。


それなのに、今日はもっと横道にそれたことを書きます。


80年代前半のUKロックについて書いていて

当時のことが段々記憶によみがえってきました。

20年前ですが、もう、後もどりできないくらい。別世界なくらい

今とは様相が違いました。


前にもブログに書いたかな~と思ったのですが、

自分で見つけられなかったので、また書いてみます。




当時。インターネットなんて、ありません。

洋楽ファンは、どうやってアーチストの情報を手に入れてたのかというと…

雑誌「ミュージックライフ」、「音楽専科」 

…月1回

ラジオ番組 「全米トップ40」、「全英トップ20」

…週1回。


…これだけでした。


80年代になって、プロモーションビデオが日本でも見られるようになったり、

洋楽雑誌が増えたりとかありましたけど、

70年代は本当にこれだけだったと思う。


そして、格安航空券なんてなかった(と記憶)ので

イギリスなんて簡単には行ける時代じゃなかったんですよね。。。

まして私は学生だったので、月に行くくらい可能性を見出しにくかった。




70年代、80年代(90年以降は良く知らない…)のイギリスの男性芸能人って

まるで、少女漫画から抜け出したようなルックスの人が多かったんですよね。

今でこそ、男の子はオシャレに関心があり、女子とみまごうケースも多々みられますが。

当時の日本人は、オシャレするなんて、男じゃない!で。

男の子は着たっきりがほとんどで、それが当たり前だったな…


そんな状況だったので、

勿論彼らは、実在の人物だったけど、

あまりにも日本とイギリスの距離感があり、文化も違いすぎたので、

今にして思うと現実感、ゼロに近かった。


この感覚を無理矢理、現在にあてはめると、

本当に「星の王子さま」というか、

3次元じゃなくて、2.5次元くらいか。

そんな存在でした…





こんな状況下。女性ファンの間に何が発生するかというと、


「妄想」


これだ!!!

今でいうと、ボーイズラブ的な妄想。

何でかというと、彼らは、ファンの脳内では、少女漫画の世界の人たちだから…




イギリス芸能界の9割くらいは、ゲイで、…っていうか、美しい人は、みんなゲイ!

…みたいな、我田引水的な妄想でした(苦笑)。。


さらに、80年代に出てきたアーチストは、ボーイ・ジョージとか、

ゲイを公言する人が多数でてきたのも

妄想を確信に変える材料となってしまい…



…実は、ブログを書くにあたり、Ian McCulloch のウィキペディアの記事を探し

83年に結婚して娘が二人いる…というところを読んで、


…この人、ゲイじゃなかったんだ!

…でも、同性から言い寄られたことは、一回や二回じゃなかったんだろうな…


…といったことが、即、脳内に浮かんでしまいまいました

ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさい(平謝)。。。。


そのくらい、当時の思い込みって、凄かっただなあって

我ながらあきれてしまいました。。。



でも、こういった「ファンの妄想」が、

レコードや、音楽雑誌の売上を支えていた。


芸能界は「妄想産業」である、ということは、

当時を振り返ってみて、はっきりといえることであります。




2012年。

インターネットのおかげで、海外の出来事もほぼリアルタイムで入り、

ブログやツイッターでアーチストが何を思っているか

ダイレクトに入るようになった今。


アイドルと交際していた元彼の告白、とか

知りたくもない情報まで入るようになった今。


生身の人間に対して、ここまで妄想をくりひろげる、ということは

もう、無理だと思います…


(ボーイズラブについてちょこっと検索をかけたのですが、

やはり漫画や小説での表現が主流で、

現実の人間に対して…は、ほぼ、ないみたいですね…)



世界的に音楽業界が不況なのも、妄想できなくなったからでは

なんて、個人的に思います。


インターネットが普及して、瞬時にいろいろな情報が手に入るようになりましたが、

それと引き換えに、何か大切なものを失ってしまったような

そんな気がしてなりません。。。




私の拙い文章だと、非常~~~~にわかりずらいことになってしまったので。

当時の女子ロックファンの空気を存分に味わえる文献として、

青池保子の「イブの息子たち」「エロイカより愛をこめて」(の初期)を

あげたいです。

何人かの登場人物のモデルが、実際のロックミュージシャンです。