トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

FX塾長酒匂隆雄氏の無念を晴らす、これにてリベンジ成功

2018-06-26 05:45:49 | 投資

 6月17日ブログで「ゴッドディーラー酒匂隆雄氏は何故リアルで敗退したか」にてその失敗の要因に触れた。今回は、その反省に基づいて「あのフィボナッチピボット手法のどこをどう変えれば、勝てる手法に変身させることができるにか」について述べてみることとしたい。 

一、FiboPivotのS1とS2(同じくR1とR2)の間隔が狭すぎる

 酒匂さん提唱の手法では、毎朝一番にその日のピボット各数値を取得して、S1,S2には買い、R1.R2には売りの指値注文を入れるのであるが、酒匂さんお使いのFiboPivotはS1とS2間、及びR1とR2間の幅が狭すぎる。その関係で、相場が逆行した際には両方のポジションがほぼ同時にストップに掛かることが多かった。そこで、S1とR1の計算値を次のように変更した。(New FiboPivot 下図2)

R1 = P + (R * 0.382) 酒匂手法では、R1 = P + (R * 0.500)

S1 = P − (R * 0.382) 酒匂手法では、S1 = P − (R * 0.500)

酒匂式ピボット(ドル円1時間足)

 

NewFiboPivot(ドル円1時間足)

 

 サポート、レジスタンスともσ1とσ2の間隔がかなり広がった。 

二、最大の誤りは指値注文

 酒匂さんは元敏腕ディラーとして、セミナーでは逆指値の有効性をかねて説かれていたにもかかわらず、しろふくろう氏のFiboPibotにほれ込まれ、毎朝4個の指値注文を出しておくという不本意な誤りを重ねられたのである。ピボットの戦略であっても逆張りとして使うのではなく、順張りとして利用すれば、たとえ相場が逆行して次々とσ3やσ4を突破しても、損切りとなって終わる確率は大幅に減少する。このことは特殊逆指値の有利性を述べた前ブログを再度確認したいところである。しかしながら、リアルトレードを主催した外為どっとコム社をはじめとする日本の業者では、そのような注文はそもそもできなかった。酒匂さんが朝一番、R1,R2,S1,S2に逆指値を仕掛ける環境はなかったのである。MT4のEAを使えば問題は簡単に解決する。以下にその利用方法を述べる。 

三、NewFiboPivotのEAの使い方

 ここで提案の手法は、NewFiboPivotを朝一番に仕掛けるところは酒匂さんと変わらない。しかし、特殊逆指値であるからEAは起動されれば、逆指値のチャンスが来るまで、延々とマーケットをウオッチし続ける。EAを起動させても酒匂手法のように注文がすぐ出されるわけではない。この逆指値は将来の価格に基づく逆指値なのである。実際の数字で示してみよう。 

 前掲のチャ―トによると現在の相場は109.975、S1,S2,R1,R2の数値は各順に109.826, 109.609, 110.526, 110.743となっている。EAの論理式はS1を例にすると例えば次のようになっている。

「もし、相場が下げて109.706(S1より10ピップス下)を付けたなら109.806(S1)に逆指値の買い注文を入れよ。ストップはS3(109.259)に利確値はPivot Point(110.176)に置く。さらに、もしポジションに10ピップスの利益が出たら、その時点でストップをS3からエントリー価格に変更して以降この取引で負けないようにせよ。(One Time Trailing Stop) 

 もし、相場がS1を突破して下げ続けた場合には、逆指値注文109.806は待機注文として残るだけでポジションを取ることがない。これを通常の指値注文を置いていたらどうであろうか。S1に達すれば即買いのエントリーとなり、相場が下げ続ければ含み損は増大、ついにはストップが付いて実現損という結果にもなろう。EAを使った特殊逆指値であれば不要なポジションは取らずに済むことになる。 

 因みに本日のドル円1時間足でこのEAを動かしてみた結果は、次のチャートに如実に示されている。

 

 もちろん、EAは朝の6時(サ―バ―時間0:00)から稼働させているが、相場がS1より10pips下げた3時17分(日本時間9:17)にS1(Ask)に買いの逆指値注文が出されている。ところが、この逆指値注文はこの日ポジションを取ることはなかった。相場は、その後も下げ続けてS1に戻ることはなかったからである。S2の逆指値注文についても全く同様であった。結局、この日のドル円では、ポジションは取ることはなく、2本の逆指値注文は、プログラム通り22:00(日本時間午前4時)に取り消されている。当然損益はゼロということであった。 

 もし、酒匂方式でトレードに臨んでいたらどうであっただろうか。指値注文であるから、相場がS1とS2に達した瞬間(日本時間午前9時台)にポジション化している。その後、相場はそれぞれの損切り値S3,S4にまで達したから、ロットが各1万ドルとすれば、おおよそ5,700円の損失で終わっていた。指値を使うのはとても危険であることを知らされる1日であった。 

 筆者は酒匂さんのファンの一人でもあって、氏のセミナーには会場又はウエッブで必ず参加していた。また、彼の持論である逆指値の使い方(例えば逆指値の逆指値)は教わった通りに実行して何の問題もなくFXを楽しんでいたものである。その酒匂さんがしろふくろう氏の怪しげな理論に乗ってしまったのである。大変残念な思いであったが、やっとそのリベンジのできる日がやってきた。

注)本EAは、現在もテストを続けていますが、未だ公開に足る結果が得られておりません。


逆指値トラリピのメリットを再び問う

2018-06-18 10:39:48 | 投資

 このブログにてトラリピを安全に運用するのには、逆指値がお勧めであることを強調致しました。筆者は6月14日午後11時以降、CADJPYのトラリピを開始しております。そのチャートとトラリピの設定は下記のようになっています。

 

  79.60を最下段とした買いの逆指値(順張り)で仕掛けています。逆指値のため、現値71.318より下の注文は発注されていません。それ以上に注目していただきたいのは、通常のトラリピであれば、設定時間6月14日午後11時から現在まで約190ピップスも下げていますから、3本の買いポジションが約定されているはずです。しかし、この仕掛けでは現在のポジションはゼロです。例えば普通のトラリピでは、85.60の指値は相場がそのプライスを付けた時点で約定しますが、本仕掛けでは逆指値が発注されるのは相場が85.60よりさらに20ピップス下がった85.40以下になった瞬間です。相場はそれからも下がり続けましたから、逆指値には戻ることなく、ポジションは発生しておりません。ポジションがないのですから含み損も発生しません。 

 相場がどこかで反転すればどうなるでしょうか。逆指値注文が次々と約定・利確して行き順張りのトラリピに変身します。トラップの幅を広め(1日の変動幅ATRの半分程度)にして、EAを自己のパソコン上のみ運用することをお勧めしています。1日3~4回PCを立ち上げてやれば十分です。 

筆者が常々申し上げているように、トラリピは逆指値の半自動(半手動)お得です。VPSを必要としません。

逆指値注文可能なトラリピAはこちらまで

 

 


ゴッドディーラー酒匂隆雄氏は何故リアルで敗退したのか? ー

2018-06-17 11:30:00 | 投資

 今から3年前の4月から6月までの約3ヶ月間に亘り、塾長こと酒匂隆雄氏が外為どっとコム社において「The Goddealerのリアルトレード」をオンラインで実況公開された。そのトレード画面がネット上で期間中24時間常時公開されるという大変チャレンジングな試みであった。 

 酒匂氏は外コム社創業来の大株主兼専属解説者として、同社で毎月1回のセミナーを担当されていたが、そのFX手法はピボットによる逆張り手法であった。Pivotといえば元祖ワイルダーによるものがあまねく知られているが、塾長が使われていたのは、これとは異なるちょっとマイナーなフィボナッチ・ピボット(Fibonacci Pivot)であった。いずれにせよ、日ごろからお勧めのフィボPivotの効能を実戦で証明するという意気込みを感じたものである。 

 ワイルダーのPivotとFibonacci Pivotの違いは、計算方法が全く異なるので、中心となるPivot Pointを除いて異なるチャートが描かれる。①が通常のPivot、②がFibonacci Pivotである。 

① ワイルダーのPivot 

 

② Fibonacci Pivot

 

ワイルダーの計算式はよく知られているので省略するが、Fibonacci Pivotの計算式は、次のようになっている。

Pivot Point(PP) = (前日の高値H + 安値L + 終値C)/3

本日のPP及び各レジスタンス(R)とサポート(S)は上から順に;

R4 = PP + (H-L)*1.382          

R3 = PP + (H-L)*1.000     

R2 = PP + (H=L)*0.618

R1 = PP + (H-L)*0.500

Pivot Point (PP)

S1 = PP – (H-L)*0.500

S2 = PP – (H-L)*0.618

S3 = PP – (H-L)*1.000

S4 = PP – (H-L)*1.382

それはさておき、ゴッドディーラーの戦術はというと

  毎朝一番にR1,R2,S1,S2に指値注文を入れる。

  ストップはそれぞれに対しR3,R4,S3,S4

     利喰いは、相場の成行きをみて状況次第で判断するが、

  通常はS2かS3或いはR2かR3に利確の注文を入れる 

 では、3ヶ月のトレードの結果は、どのようなものであったか? その生々しい戦績は今も外コム社のサイトに本人の最終コメントとともに残されている。

http://www.gaitame.com/goddealer/

 なんと、期間中元金500,000円を上回ることはほとんどなく、最終的には1割に当たる約5万円の損失となって終わっている。酒匂さんへの風当たりは強く、ブログ炎上の挙句、遂には外コム社における塾長のセミナーも中止となって現在に至っている。 

名だたる元敏腕ディーラー塾長こと酒匂さんの敗因は何であったのか? 気づいた点を2~3上げてみると:

① 酒匂さんは、ピボットのセミナー以前では「逆指値の逆指値」等、逆指値の効用を強調されていたのであるが、Pivot戦略を日本業者の提供するシステムで行うには、指値注文で臨むしかなかった。

② Fibonacci Pivotの計算式は何種類も発表されているが、酒匂さんが使用されたものは、しろふくろう氏が使っているもので、チャートを見ても分かる通り、S1とS2(同じくR1とR2)の間隔が大変狭く設定される。したがって、相場が逆行した場合には売り買いとも同時に損切りとなる確率が高い。

③ IFO注文で利確値は入れてはいるが、実戦ではエントリーとはPPを挟んで逆の位置にあるS2やS3(R2やR3)に達することはほとんどなかった。PPを利確値とするかトレイリングストップを併用しつつ利益を極大化する方法が考えられたのではないか。 

 MT4の特殊逆指値手法を使えば、相場が逆行した場合には逆指値注文は素通りしてしまい注文として成立しない。酒匂さんのような悲劇はなくなる可能性が高まるとの確信もあって、前ブログを記した次第でもある。前ブログで紹介のインディケータFibonacci PivotのS1とS2(R1とR2)の間隔が狭いので、これを改善した新インジも作成中である。


ロブ・ブッカーの Pivot Vortex Tradeでデイトレ開眼(逆張り手法ピボットが順張り指標に変身)

2018-06-14 14:20:12 | 投資

 前ブログではMT4でしかなしえない特殊逆指値手法について述べた。一般のFX業者が提供する逆指値機能は、例えば現値が110円の場合に、111円の買い指値の注文を出すことや、109円の売り指値注文を出すことを意味する。いわゆる現値より高い価格の買い注文や現値よりも安い価格の売り注文で、どの業者でも備えている注文機能である。 

 高値の買いや安値の売りに掴まってしまう可能性もあるので、一般トレーダーにはなかなか扱い辛い機能でもある。ところが逆指値注文が次のような形で発注できるようになればどうであろうか。 

現値が同じく110.00の場合に:

「もし、相場が109.00円まで下がれば109.50の買い注文を出す」とか、もし、相場が111円にまで上げれば、110.50の売り注文を出す」ことが可能となれば、面白いと思われるに違いない。一見逆張りのように見えるが、中身はれっきとした順張り手法でもあるからだ。これが、MT4ではできるが、MT4非対応の一般FX会社ではできないことの一つである。 

 全米最強のFXコーチとも称されるロブ・ブッカー氏(CTA)は自らもFXトレードで資金運用されているが、その利益の6割以上がピボット(Pivot)を使ったデイトレでたたき出されているとのことだ。ピボットといえば有名な逆張り手法なのにと考えがちだが、実はブッカー氏既述のMT4特殊逆指値機能を多用されているのだ。逆張り指標を使いながらも、将来価格に基づく逆指値での順張りに徹しているのである。 

 ブッカー氏は2010年あたりから、パンローリング社その他の主催する講演会に度々講師として来日されている。セミナーでのコーチングでもピボットに関するものが多い。ここでは、2010年11月に外為どっとコム社で行われたセミナーでの手法と氏の著書「米国式FXマニュアル」の中で取り上げられた二つのピボット順張り手法(Vortex Trade)を取り上げてみたい。

1)Vortex Pancakes

 

 

 この手法は、10個の注文が積み重ねられたパンケーキ(ホットケーキ)のように見えるので、パンケーキ作戦(Stacked Pancakes)と呼ばれる。売りの作戦を例にとると次のようになる。(数値はEURJPY本日のもの)パンケーキを上から下へ或いは下から上へとと串刺しにして一挙に利益を手にしようとする作戦である。 

本日のパンケーキ戦略

① 現在のユーロ円価格:130.034

② 本日のPivot Point(PP):129.987

③ エントリー価格:130.687(PPの70 pips上)を頭に5 pips間隔10本の売り注文 (130.637, 130.587・・・)

④ ターゲット:PPから20 pips上までの20ピップスのゾーン、最下位の注文はPPから20 pips上となるので、利確値はPPに設定

⑤ トリガー価格:エントリー価格の20 pips上に設定

⑦ TradeProfitPips:15 pips(含み益15 pipsで1回限りのトレイリングストップが発動される) 

上記設定のダイアログボックス(買いは売りの逆なので説明は省略)

 

  上のチャートで説明すると「もし、相場が130.887に達すれば、130.687以下5pips間隔で計10本の売り注文を出す。利確は、いずれも129.987(PP)、損切りは各注文につき50pipsということになる。 

 EAは常時マーケットを監視し続け、もし相場が130.887に達すると瞬時に10本のオーダーが発せられることになる。MT4を使わなければ、その瞬間に達するまでPCの前でチャートと睨めっこしていなければならない。この戦略の妙味は、もし相場が一挙にトリガー価格を突破して、そのまま戻らない場合でも、指値注文のように途中で不本意なポジションを取ることがなく、成立しなかった逆指値注文は後で取り消せばよいだけのことである。 

2)Vortex Trade デイトレ修正版

 G社主催のセミナーに出席していて疑問に感じたことがある。日足のPivotでパンケーキのトリガーに達することは1週間に一度あるかどうかの頻度である。そのような滅多にない相場環境を1日中チャートと睨めっこして待ち続けることなど不可能ではないかと。まして、MT4を採用していない外為どっとコム社でそのようなセミナーをするなんてありえないとも思われた。 

 翌年早々、ブッカー氏はダイヤモンド社から「米国式FXマニュアル」を出版された。そこでは、日本のFX会社のシステムで実行可能なデイトレ方式に仕上げられていたのだ。先ずトリガーであるが、もはや将来価格に基づく順張り注文を今から出しておくMT4方式ではなく、現値をトリガーとして使っている。現値がトリガー値に達したら、その時点で逆指値のIFDやIFDOCO注文を入れるという通常のやり方である。それがデイトレとして成り立つには、トリガー価格やエントリー価格ももう少し現実的なものでなくてはならない。エントリー価格も20pipsピボットに近づけられているし、注文数も1本に修正されている。 

 この方式であれば、各通貨ペア1日1回程度のチャンスはあろう。しかし、それでもチャートを見続けてチャンスを待つのは大変だ。できれば、MT4上でアルゴリズム化したいところである。いずれにせよ、順張りの長所は条件が整わなければ、注文は出されないこと、また、一旦エントリーすればトレンドフォローということで、当初は利益方向に動くことが多い。15pipsの利益が出れば、ストップをエントリー価格に変更すれば、もはやそのトレードで損失となることはない。MT4自動売買プログラムではそのような1回限りのトレイリングストップを組み込むことも容易にできる。 

 MetaGenicFXでは、上記1)2)のいずれにも対応するEA、VortexTrade_MT4を開発している。EAにはチャートに添付したPivotのインディケータやPivotの上下に10ピップス刻みで表示する価格線のインディケータも同時に付随して提供されているので、裁量取引にも利用できる。

 

ご興味のある方は:https://metagenicfx.thebase.in/

をご覧ください。


大底で買い、天井で売る、MT4ではこんな注文も可能になる

2018-06-09 01:39:32 | 投資

 FXのトレードではよくあることだが、相場が一定期間下げ続けることがある。このような時、『もし大底で買えることができれば超ラッキーなのに』とついつい考えてしまうのであるが、現実的にはほとんどそんなことは不可能に近い。 

 ドル円の現値が110.00を割り105.00まで下げてきているとする。相場観として、このまま下げ続けた場合、瞬間的に100.00割れがあるかもしれないが、その辺りで反転上昇するのではあるまいか。ということで、100.00に指値の買注文を置いたとしよう。 

 このトレードの辿る結果は次のどれかであろう。

① 首尾よく100.00の指値買いが通りストップ(損切り注文)にかかることもなく相場が反転、現在の気配値は103.00で含み益となっている。

② 100.00の指値買いは通ったが、98.00に置いたストップにかかり、2円の損切りとなった。もし、損切り注文を忘れた場合に相場が98.00より下げた場合は、悲劇ということになる。

③ 相場は103.00で下げ止まったため、指値には届かずトレード不成立。 

 多くのFX講師やプロのトレーダーが指値注文は差し控えるべきと説かれる理由は、上記のようなトレードの成功率の低さに由来しているのである。 

 注目してほしいのは、逆指値注文である。逆指値とは相場は将来上昇すると観た時には、現値より高値で指値買い注文をし、相場が下げると観た時には、現値より安値で指値売り注文をすることである。トレンドに乗る注文方法としてプロも勧める手法で、いずれのFX会社でも標準装備されている注文方式である。ところが、この注文方式をそのまま使っても、天井圏で売ったり、底値圏で買ったりすることはできない。  

 ここにMT4でしかできない柔軟な取引手法がある。例えば、現在のドル円相場が105.00である場合、『もし、相場が99.50になったら、100.00で買いの逆指値注文を出したい』としても、一般のFX会社では注文の出しようがない。現実に相場が99.50にならなければ、100.00の逆指値による買い注文は出せない仕組みだからだ。 

MT4で簡単なプログラムを書けば、この注文は問題なく発注できてしまう。

プログラムの中身は、おおよそ次のような簡単なものだ。

 {

    もし、買値の建値(Ask)が99.50以下になれば、逆指値100.00の買注文を出せ

 }

 もちろん、この注文だけでは底値は拾えない。安全を期して95.00 ~ 105.00の間に50銭間隔で連続した合計20本の小分けした逆指値注文を出すことにする。(コンピュータには繰り返しはお手のもの、命令は1回でよい)一番下の注文は『Askが94.50になれば、95.00の買いの逆指値注文を出せ』というもの、途中には、『Askが100.00になれば、100.50の買い逆指値注文を出せ』というのも含まれる。 

 現在のドル円相場が105.00としてシミュレーションをしてみよう。 

① 相場が下げ続けて90.00までに達した場合:

 買いの仕掛けは95.00 ~ 105.00である。条件付き逆指値注文の条件が整ったのですべて発注された。しかし相場はいまだ95.00に戻していないため、ポジションはゼロである。相場が反転し、95.00から100.00方向に戻るとすれば、順次待機注文が発動されて買いのポジションが生ずることになる。大底では買えなかったが、まず不満の無いところであろう。相場が下げ続けている段階で条件付き注文が出されるため、一見、逆張りのように聞こえるが、実際は逆指値のみの順張り作戦になっている。もし、これが指値注文であれば、破産への道まっしぐらであった。

② 相場が98.00で大底を付け、反転上昇した場合:

この場合には、仕掛けた逆指値注文のうち98.50以上の逆指値買い注文は待機注文として受け付けられている。98.00以下の注文は逆指値の条件に合わないため、逆指値注文として成立していない。この場合、大底からの差は50銭あるが、ほぼ底値圏で買玉を仕留めたことになる。

 

③ 相場が105.00以下に下がらなかった場合:

 いずれの注文も成立しなかったため、売買プログラムは停止または取り消すことになる。 

一般のFX会社では成行、指値、逆指値、IFD、OCO、IFDOCO注文がすべてであると云ってよい。しかし、ヘッジファンドその他マーケットのつわもの達は、コンピュータ技術を駆使して市場を席巻している。彼らに出し抜けられないためにも、また、隣のFXトレーダーの一歩先を行くためにも、我々も電脳で武装する必要がある。 

 上述した連続した逆指値注文、実はMetaGenicFXで取り扱っているトラリピEAでその実力をいかんなく発揮している。逆指値のオプションを使えば、相場が逆方向に動いた場合にも、含み損を抱えるポジションを極少化することができるからだ。同じ考えは、先年、ピボットを使った逆指値戦略として、Rob Booker氏が提唱されていた手法にも酷似している。当時、あらかじめピボットのR3やS3を起点に逆指値注文を出すのは可能なのだろうかと悩んでいた人が多かったと記憶するが、MT4を少しかじるといとも簡単にこの様な注文を出すことが可能であることに気付く。 

 ロブ・ブッカー氏は自らも投資家であるとともに、米国最強のFXコーチとして知られており、パンローリング社その他の主催するセミナー講師として度々来日されている。次回ブログでは、氏の提唱する「パンケーキ作戦」(英語名Vortex Trade)について紹介したい。これまた、逆張りに見えて、実は効率のよい順張り作戦なのである。