今週月曜日(11月7日)から英米のサマータイム(Daylight Saving Time)が終了、標準時間に戻りました。正確に言うと、英国のDSTは少し早い10月30日に終わり、翌10月31日(月)から標準時間に戻っています。
ロンドンやニューヨーク市場で取引するFXトレーダーにとっては、慣れているとはいえ春と秋にはこのトレード時間帯の切り替えが必要となり、1時間とはいえサラリーマン兼業にとっては、体内時計の調整も必要になってきます。
とりわけ、MT4/5採用の業者においては、国内法人であってもサーバーを海外拠点に置くことが多く、チャートで採用する時間はその海外拠点の標準時間となっているところがほとんどです。EAを使って取引時間帯をロンドン時間帯と指定する場合には、EAにはその業者の時刻を使って指定する必要がありますが、その業者もDSTを採用していますから、ますますこんがらがってしまいます。この機会に、おすすめのトレード時計とあと2個の便利インジを紹介します。
1) おすすめのClock_JPTime
上記インジをチャート右下の空白部分(4隅から選択できる)に表示させたものです。本インジはサマータイムの無い日本時間を基準に作成しているため、ブローカー採用時間その他に影響を受けません。ロンドン、ニューヨークのDST開始と終了のタイミングで下記の設定をするだけです。
2022年秋の英国DST終了時には「UKDST」をfalse(DSTではない)に変更しました。10月30日までは、「UKDST」は「true」(DSTである)としていました。ニューヨーク時間(USDST)についても同様で、11月7日(月)からはfalseに設定しています。Broker Timeはインジが直接チャートの時間を読み取るため、設定の必要はありません。ブローカータイムもDSTを採用するところがほとんどですが、それへの考慮は不要ということです。ロンドンとニューヨークのDST期間は毎年多少のずれがあります。FX会社がその都度教えてくれますので、その開始、終了のタイミングで、上記のtrue、falseの設定を変えます。一番上のLocalTzは海外旅行に出かけた時など、日本と現地の時間差を入れておくと、現地時計代わりにもなります。これはあまり利用されないでしょう。もっとも役に立つのは、時間関数を使って自動取引をする場合でしょうか。日本時間と、London・New York・Broker Timeの関係が明白になりますので、頭を悩ますことはなくなります。
2) Price Ticker
MT4にもプライス表示板が用意されていますが、ピップスの部分のみが大きく示されていて全体の価格を見るには不十分です。また多くの通貨ペアを表示すると、肝心のローソク足と重なって見えなくなり表示板としては好ましくありません。掲げたPrice Tickerは各チャート右上隅(デフォルト)に表示され、Spread、取引当日のHigh、Lowの価格差、過去12日間の日中High Low値幅が各ピップスにて表示されます。下方の0: 35: 29は次のローソク足に代わるまでの時間35分29秒であることを示します。(11月11日の4時間足の場合) この次の足までの時間は設定で表示しないことも可能です。
3)HLine_Mult
黄色のピボットポイントの上下に50ピップス間隔で各10本の価格線を引いた例
このインジは一定の価格の上下に例えば40ピップス間隔で各20本の価格線を引くことができるインジです。100本まで表示することができます。上記2種のインジ同様トレーダーの要請にこたえて開発したものです。一定の価格はデフォルトでは当日のピボットポイント(黄色の線)になっています。ピボット値を使用したくない場合は、自由に任意の価格を中心価格とすることができます。
これはいかなる場面で利用されているかというと、PivotやEnvelopesの逆張り指標の代用とされる方が多いと思われます。有名なところでは、その昔Fibonacci BollingerとHLine_Multを組み合わせた逆張り手法・順張り手法を教えておられたプロの先生がいました。通常は、30分足FBのσ±1及びσ±2の間で逆張りをするが、利が乗ってきた場合には、ストップ値を変えていく(手動のトレイリングストップ)。σ2を超えれば順張りに備える。主要通貨では40ピップス間隔でHLine_Multを引き、その中でFBσ±3に近い横線をσ±3として±10程度まで価格線を引いておきます。そしてσ±2を突破した際には、順張りの利益を伸ばしていき、σ±3~σ±9にかけては逆張りの反対玉を持つとうものでした。いうなれば、FX版「うねり取り」に似た手法でした。他にも類似の戦略に価格線を利用される方が多く、簡単なインジが欲しいとの要望に応えたものです。
以上3種のインディケータはMT Studio21社にて公開されます。