最近元ロンドンの敏腕ディーラーの手法を知る機会があった。講師はシティによくある根っからのたたき上げタイプで、話す英語もオックスブリッジからはほど遠いロンドン訛りであることからも窺われる。
その手法は5分足と1時間足とを使った順張りで、日本では押し目買い、戻り売りと称されるあの手法である。セミナーの中ではスキャルピングと称されてはいたが、1回の利益幅が10~15ピップスが標準であるところから、我々がよくいう超短期のスキャルピングとは異なり、どちらかというと短めのデイトレといった方が正しい。
押し目買いを例に話を進めてみたい。チャートは左が5分足でトレードチャート、右は1時間足でアンカーチャートと称される。アンカーチャートには2本のEMA(期間8、21)、トレードチャートには3本のEMA(期間8、13、21)が表示される。トレードチャートは実際のトレード用、アンカーチャートはトレンドの確認のためのチャートとなっている。
どちらのチャートにおいても、EMAの並びは上から8、13、21の順の右肩上がりになっており、押し目買いのチャンスを狙う形になっている。
トレードチャート(5分足)のローソク足が押し目を作り始めて、8EMAに接触を始めた(緑色の足)。8EMAを超えても21EMAに達していなければ、この足がトレードを始める基準のローソク足(トリガーバー)となる。
エントリーの方法が、我々が知っている方法とは若干異なる。トリガーの終値の段階で、過去の5本のローソク足を調べる。5本のバーの中では3のバーで最高値が付けられている。ここでエントリー価格が決定される。エントリー価格は3の最高値+3pipsとする逆指値、損切価格は緑色のトリガーバーの最安値-3pipsとなる。最高値をHP、トリガーバーの最安値をLP、エントリー価格をOP_BUY、損切価格をSLとすると;
OP_BUY = HP+3、SL = LP-3、利確幅(R) = OP_BUY - SLとなる。
一回目の利益確定
順調に相場が上昇し利確幅になったところで、仕掛けたロットの半分を決済し利益確定、残りの半分はそのまま残し損切りを仕切り価格(OP_BUY)に変更する。目標価格は最初の利確幅(R)と同じ(OP_BUY+2R)。以降はトレイリングストップで適宜利益の確保に努める。
戻り売りは上記の真逆になるので、試していただきたい。また、この手法、異なる時間足の組み合わせでも妥当すると思われる。過去5本の足の最高値と最安値を仕切りに使うという方法は、Fractalsを実際に応用した典型でもある。
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