トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

ロンドンFXディーラーが教える正しい押し目買い・戻り売り

2019-08-22 20:04:00 | 投資

 最近元ロンドンの敏腕ディーラーの手法を知る機会があった。講師はシティによくある根っからのたたき上げタイプで、話す英語もオックスブリッジからはほど遠いロンドン訛りであることからも窺われる。 

 その手法は5分足と1時間足とを使った順張りで、日本では押し目買い、戻り売りと称されるあの手法である。セミナーの中ではスキャルピングと称されてはいたが、1回の利益幅が10~15ピップスが標準であるところから、我々がよくいう超短期のスキャルピングとは異なり、どちらかというと短めのデイトレといった方が正しい。 

 押し目買いを例に話を進めてみたい。チャートは左が5分足でトレードチャート、右は1時間足でアンカーチャートと称される。アンカーチャートには2本のEMA(期間8、21)、トレードチャートには3本のEMA(期間8、13、21)が表示される。トレードチャートは実際のトレード用、アンカーチャートはトレンドの確認のためのチャートとなっている。 

 どちらのチャートにおいても、EMAの並びは上から8、13、21の順の右肩上がりになっており、押し目買いのチャンスを狙う形になっている。

 トレードチャート(5分足)のローソク足が押し目を作り始めて、8EMAに接触を始めた(緑色の足)。8EMAを超えても21EMAに達していなければ、この足がトレードを始める基準のローソク足(トリガーバー)となる。 

 エントリーの方法が、我々が知っている方法とは若干異なる。トリガーの終値の段階で、過去の5本のローソク足を調べる。5本のバーの中では3のバーで最高値が付けられている。ここでエントリー価格が決定される。エントリー価格は3の最高値+3pipsとする逆指値、損切価格は緑色のトリガーバーの最安値-3pipsとなる。最高値をHP、トリガーバーの最安値をLP、エントリー価格をOP_BUY、損切価格をSLとすると;

OP_BUY = HP+3、SL = LP-3、利確幅(R) = OP_BUY - SLとなる。 

 一回目の利益確定

 順調に相場が上昇し利確幅になったところで、仕掛けたロットの半分を決済し利益確定、残りの半分はそのまま残し損切りを仕切り価格(OP_BUY)に変更する。目標価格は最初の利確幅(R)と同じ(OP_BUY+2R)。以降はトレイリングストップで適宜利益の確保に努める。

  戻り売りは上記の真逆になるので、試していただきたい。また、この手法、異なる時間足の組み合わせでも妥当すると思われる。過去5本の足の最高値と最安値を仕切りに使うという方法は、Fractalsを実際に応用した典型でもある。

 本ブログで取り上げたアイテムの一部は、インディケータもしくはEAとし公開されています。 


石原順(西山孝四郎)順張り手法のインジを更新

2019-08-18 17:17:47 | 投資

 メタジェニック社にて公開の現役ファンドマネージャー西山孝四郎(石原順)順張り手法では、ボリンジャーバンド、SDX及び標準偏差(StdDev)により相場を解析し、相場に上昇または下降のトレンドの発生と同時に、順張りで市場参入することを基本戦略としています。具体的には、SDXとStdDevがともに上昇している状態で、ローソク足がボリンジャーバンドのσ±1を飛び出すのを待って買いまたは売りのエントリーとします。 

 そのチャートの全体像は:AUDUSDの4H足 

 メインチャートのローソク足は終値ベースでBBσ+1を上抜けると赤色に、また、BBσ−1を下抜ければ黄色に着色され、それぞれ買い及び売りのシグナルとなります。サブチャートの赤と黄色の帯はローソク足の赤と黄色をそのままに表示した補完的なものです。 

 サブチャートの最下段にはADX(14)とStdDev(26)が表示されています。どちらも右肩上がりになればトレンドの発生を意味し、曲線は赤に変色します。サブチャート中段の薄い青はADXとStdDevのいずれか片方が上昇していることを示し、濃い青はADXとStdDevの両方が上昇していることを示します。西山(石原)式順張り手法は、サブチャート上段二つの帯状インジで簡易に説明することができます。

「濃い青と黄色の帯が重なる部分では売り参入、反対に濃い青と赤い帯が重なる部分では買い参入」ということになります。 

 今回更新したインディケータはメインチャートのローソク足です。新旧のローソク足を並列すると分かりますが、旧版のローソク足は足の色の変色がスムーズではなく、ローソク足が2色に分かれて表示されることがありました。今回、この部分のプログラム修正を行い、完全に同期させることができました。下のチャートは左が従来のローソク足、右側が今回修正したローソク足です。

  サブチャートの赤と黄色の帯の色変化は、従来から価格変化と完全同調していますので、実際のトレードでは支障はありません。今回はローソク足に関してのみ更新いたしました。既にメタジェニック社のEAやインディケータをご利用になっている方々には、更新分をお届けする計画と聞いています。ご利用者は同社に照会されますことをお勧めします。 

 日足や週足では明確なトレンドが認められない場合でも、4時間足以下では西山(石原)式順張り手法が機能する場合が頻繁に見受けられます。本年後半にかけてのダイナミックなマーケットの動きに備えて、絶えずチャートをウオッチをした方がよさそうです。 

 西山(石原)講師の順張り手法については、昨年までマネースクエア社にて、毎月のセミナーで繰り返し説明されていましたが、現在では同セミナーは実施されていません。他社主催のビデオが今でも視聴できますので、URLを紹介しておきます。セミナー開始後70分経過辺りからお聴きください。https://players.brightcove.net/5237767225001/QOahBaP9Ed_default/index.html?videoId=6042200388001 

こちらは、ビデオ開始後39分頃から説明があります。https://www.youtube.com/watch?v=_7Gc2pBtTOc&t=3070s

 MetaGenicFX社公開の製品は、セミナーで紹介されているインディケータを更にアップグレードした品質になっております。また、別途用意されております自動売買プログラム(EA)にもすべてのインディケータが同梱されています。

https://metagenicfx.thebase.in/

 

 


MT4でMT5のタイムフレーム(10分足、8時間足等)を使う方法

2019-08-17 16:27:08 | 投資

 MT4チャートで10分足を表示するには、オフラインチャートを利用する方法があります。補助的なチャート分析には利用できるとしても、これを自動売買プログラム(EA)に利用することはできませんでした。

 6月14日に公開された豊島久道教授のホームページによれば、MT4/MT5共通ライブラリーが更新され、その中にMT4においてMT5のタイムフレーム(時間軸)が利用できるヘッダーファイルLibTF5.mqhが追加されています。 

 その内容は、1分足の終値を使って、指定したタイムフレーム終値の配列を作成する。そこから、例えばiMAOnArray()やiBandsOnArray()等を使って指定したタイムフレームのテクニカル指標を算出するという方法です。 

 これまでのEAでは30分足ベースの移動平均線を使っていたが、20分足の移動平均線を試してみたいという場合は、EAの冒頭に#include <LibTF5.mqh>と追加することと、ソースプログラム本文中のiMA()の引数を指定通り書き改めることで済みます。 

使い方とLibTF5.mqhのダウンロードは、ToyolabFX:

http://forex.toyolab.com/?paged=2

http://forex.toyolab.com/?p=901

 


ドル円ペンタゴンチャート時間の逆行解消

2019-08-14 00:05:06 | 投資


 8月2日以降USDJPYの日足ペンタゴンチャートが時間の逆行という、あってはならないとされる状態になっていた。ペンタゴンから飛び出したローソク足が再び元の五角形に戻ってこなければ、新しいチャートに書き改めるのが約束事になっている。 

 飛び出しの原因は米中貿易紛争による過剰なマーケットの反応ではあったが、このような現象は一時的なものでたいていの場合は、ローソク足が次のペンタゴンの頂点に達するまでには元の鞘に収まることが多い。今回も例外ではなかったようで、米中会話が再開されるとの報に接し、つい先ほどローソク足が五角形の域内に戻ってきた。 

 無責任に今後の動きを予想すると、当面の高値は直ぐ真上にある対角線107.21あたり、そこで反転して再び下げに転じるのではないか。下値は1月3日の105.03が固そうである。


EAとIndicatorとの関係

2019-08-13 17:18:42 | 投資

 筆者開発EAのご利用者がそのブログにおいて、EAの設定方法や付属Indicators(インジ)についてレポートないしは解説頂いているものがあり大変感謝している。 

 最近、読ませていただいたそのようなブログの中に次のようなコメントがあったので、一部誤解を解きたく本稿を用意した。コメントの内容は、「EAを作動させるには、付属のインジはすべてEAを作動させているチャート上に表示させていなくてはならない」というものであった。 

 一般的に、EAは1個ないしは複数個のインジをトリガーとして売買のシグナルを発生させて、そのシグナルに沿った新規注文や決済注文をFX業者のサーバーに送信する仕組みとなっている。その場合、依拠する1個ないしは数個の関連インジは、パソコンのMT4ファイル(Indicatorsファイル)に格納されていなくてはならない。EAの実行プログラムからの呼び出しに際し、瞬時に応える環境でなければならないからである。半面、関連するインジは必ずしもチャート上に表示されている必要はないことを強調しておきたい。 

 筆者が、EAに付属する比較的多めのインジを用意しているのは、その手法が元々裁量取引であったためである。例えば、西山孝四郎(石原順)講師が提唱されている順張り手法は裁量取引として紹介されている。講師の裁量にはMT4に標準搭載されているインジの他2個の講師開発のインジがあり、トレンドの発生をいち早くとらえる働きをする。筆者開発のインジはこのほか更に3個のインジを用意し、西山流でも解析が微妙であったインジの動きをより鮮明に捉えることを主眼にしている。 

 結論的に申し上げると筆者が関与したMetaGenicFX社のEAには、5個のMT4非搭載インジが付属しているが、実際にEAにて使用されているのは、そのうち2個のみである。他の3種のインジはたとえインストールされていなくてもEAは作動する。ただし、裁量取引に使っていただくには、すべてMT4にインストールをしたうえでチャートにも表示しておく必要がある。 

 EAには視覚的な要請は伴わないので、プログラム上必要なもののみがIndicatorsファイルにあればよいことになる。

(注)サブチャート中段と最下段のインジは同一の性質を持つ。最下段のADXと標準偏差がともに上昇しているときには濃い青で、ADXと標準偏差のいずれか一方が上昇しているときには、薄い青で表示される。