FXトレードを1~2年程度続けている人達の多くはMetaTrader(MT4)のチャートで相場分析を行っているという事実があります。しかし、MT4の実口座を開設して取引を続ける人の数はまだまだ少ないのも事実です。その理由は;
① MT4のデモ口座は実口座と何ら変わらないトレード環境を提供しているので、相場分析に徹するのであればデモ口座で十分である。実際のところ、MT4デモ口座では、世の中に存在するほぼ全てのインディケータを利用して相場分析が可能となっている。
② MT4の最大の魅力は、自己作成ないしは既成のプログラムを利用して自動売買ができるとことにあるが、自動売買をするにはVPSという外部コンピュータをレンタルするか、そうでなければ、パソコンを常時オンの状態にしてプログラムを作動させ続けなければならない。
③ MT4にはC言語に近いプログラム環境が用意されており、独自のインディケータや自動売買プログラム(EA)を作成することができるが、多くのトレーダーは自分には関係ないと考えている。
上記の②と③の理由により、自動売買を敬遠する方が多いようです。日頃から中高年や女性のFXファンに接することが多いのですが、そのような方々にはトラップリピートイフダン(トラリピ)の自動売買のEAをご自分のパソコン上で運用されることからスタートすることをお勧めしています。VPSを賃借りすることもなく、また、パソコンを常時オンにしておくこともない、謂わば、半自動取引ということで、実際にやってみて感動される方も多いのです。
イフダン(IFD)注文の特殊性
なぜトラリピの自動売買が自己のパソコン上で可能となるのかという疑問に答えるためには、IFD注文の特殊性について述べなくてはなりません。トレードをしていて夜遅くなると、IFD注文を出しておいて床に就く方も多いと思います。現在の相場が107.50であり、翌朝までの間に再び108.00方向に向かうと予測した場合、買いの指値107.60、利確値107.80と20銭狙いのIFD注文を発してパソコンのスイッチを落として就寝することがあります。翌朝までに、相場が首尾よく動いてくれて107.80以上の価格が付くと、20銭の利益を得ることができます。よく考えてみると、IFDはまさしく自動売買の一種であることが分かります。パソコンから注文を出しておけば、相場次第でエントリーからエグジットまで眠っている間に勝手に業者のサーバーが行ってくれるからです。
ところでIFDは一旦仕切り(エントリー)から手仕舞い(エグジット)まで完了すると、そこでお終いということになります。同一の注文を入れるには再びパソコンから注文を出さなくてはなりません。再注文の部分を自動で行ってくれるのがリピートイフダン(RepeatIFD)で注文が1個ならそれでもよいのですが、これを複数の値幅で網の目のように仕掛けるのが、トラリピの正式名称トラップリピートイフダン(TrapRepeatIFD)ということになります。
例えば、ドル円の現在価格107.75の時、105.00~110.00の間にトラップ幅・利確幅共に50銭刻みで買いのトラリピを仕掛けると次のようなIFDの注文群が一斉に発注されます。発注はEAという自動売買ソフトを使います。
注文価格
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利確値
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指値・逆指値
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109.50
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110.00
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逆指値
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109.00
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109.50
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逆指値
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108.50
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109.00
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逆指値
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108.00
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108.50
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逆指値
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107.50
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108.00
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指値
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107.00
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107.50
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指値
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106.50
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107.00
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指値
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106.00
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106.50
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指値
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105.50
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106.00
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指値
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105.00
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105.50
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指値
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発注後にパソコンのスイッチを切ったとしても、前述のように後処理は業者のサーバーが自動的に引き受けてくれます。相場が107.50を付ければ即座に107.50の買いポジションが発生、その後ドル円が上昇を続けて108.00に達すれば、利益確定注文が働いて0.5円の利益が確定することになります。ただし、パソコンのスイッチを切ってしまっているので、完結した107.50のIFD注文はこの段階では再発注されることはありません。
考えてみてください。仮にドル円の1日の値幅を1円とすると、欠落した107.50の注文による機会損失は、相場が再び107.50に戻ってその後また108.00の価格を付けた場合に起こります。108.00の相場が再び50銭下落して107.50となり、そこで反転して再度108.00となる確率は相当に低いと考えられます。翌朝パソコンを立ち上げた際に何が起こるかというと、眠っていたEAも同時に目覚め、一瞬のうちに欠落した注文を発見して、その分のIFD注文を自動発注してくれるのです。
トラップ幅と利確幅を1日の値動きの半分程度にしておくと、確率的には1日1回の利確があることになります。また、1日、2~3回パソコンのスイッチをオンにしてやれば、欠落したIFD注文は自動的に補充されることになります。この種トラリピに限りVPSのレンタルは必要としません。
MT4利用によるトラリピの長所は数々ありますが、コストが安いこと、IFDの発注段階では証拠金が不要であること、順張りのみのトラリピ方式を選択すれば、たとえ相場が逆行した場合でも、含み損となるポジションの数を極小化できる等々枚挙にいとまがありません。
(注) この記事は、MetaGenicFX社の顧客から同社のトラリピEAに対する質問に関連して用意いたしました。別途、uploaderにも製品説明書の一部をアップしておきましたので参照ください。
https://ux.getuploader.com/FXTrader/
https://metagenicfx.thebase.in/