MT5の仕様が改善され、ネックとなっていたオーダーやポジションの管理方法がMT4に近づけられた。このことにより、同一通貨ペアで複数のポジションが持てるようになるとともに両建て取引も可能となった。加えて、MT4で書かれた指標インディケータやEAのプログラムをMT5のプログラムに自動変換するコンバータが用意されることになり、いよいよMT4のMT5への移行計画が本格化する兆しが見えてきた。
日本国内にはMT5を採用するFX会社は存在せず、海外でもMT5を提供するブローカーは数少ない。しかし、MetaQuotes社のサイトからは既にMT4のダウンロードはできなくなっているし、新規に参入するFX会社にはMT4のサービス提供は停止され、MT5のシステムのみが顧客には利用可能となっている。このことからも、3~4年の準備期間を経た上で、MT4からMT5への全面移行が予想されているのである。
MT5のシステムの本格的展開までには、今後もいろいろな面で改善が図られるはずであり、現行のMQL5自体も相当程度変貌を遂げるはずである。したがって、MQL5に基づいたプログラムの書き方等の学習はもう少し時間をおいてもよさそうだ。
一方、MT5のチャートを開いてみると、MT4チャートとの差異はほとんど感じられない。ただ、初期画面では上段ツールバー中にナビゲーターやツールボックス(MT4ではターミナル)等のアイコンがなかったり、売りのはずの10分足や2時間足の選択もできなかったりして一瞬戸惑う。しかし、これらは自由に配置できるので心配はいらない。以下、参考まで。
1)アイコンのカストマイズ
上記画像はAlpariのMT5の初期画面である。但し、上段のアイコン類は既にMT4の仕様にカストマイズした後であり、本当の初期画面には気配値表示、ナビゲーター、ツールボックス(ターミナル)、ストラテジーテスター等のアイコンは表示されていない。これらを表示するには、現れているアイコンの一つを右クリックしてカストマイズを選べば、必要なアイコン類が揃っているので、適宜選択できる。
2)時間足のカストマイズ
時間足のカストマイズも表示されている時間足の一つを右クリックすれば、MT4では存在しなかった時間足を適宜表示させることができる。
3)指標カレンダーを消したい
チャートの下方に指標カレンダーが表示されるようになった。便利な一面うるさいと感じる人もいそうだ。これを消すには、ツールボックス(ターミナル)の「指標カレンダー」を開いて画面を右クリック「チャート表示」→ 「すべて削除」を選択する。ついでに「自動更新」の☑を外しておく。
4)音がうるさい
指標カレンダー等のアラート音を消すには「ツール」→ 「音声アラートを有効にする」の☑を外す。