トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MT5 チャートをいじってみる

2017-08-31 17:22:09 | 投資

 MT5の仕様が改善され、ネックとなっていたオーダーやポジションの管理方法がMT4に近づけられた。このことにより、同一通貨ペアで複数のポジションが持てるようになるとともに両建て取引も可能となった。加えて、MT4で書かれた指標インディケータやEAのプログラムをMT5のプログラムに自動変換するコンバータが用意されることになり、いよいよMT4のMT5への移行計画が本格化する兆しが見えてきた。 

 日本国内にはMT5を採用するFX会社は存在せず、海外でもMT5を提供するブローカーは数少ない。しかし、MetaQuotes社のサイトからは既にMT4のダウンロードはできなくなっているし、新規に参入するFX会社にはMT4のサービス提供は停止され、MT5のシステムのみが顧客には利用可能となっている。このことからも、3~4年の準備期間を経た上で、MT4からMT5への全面移行が予想されているのである。 

 MT5のシステムの本格的展開までには、今後もいろいろな面で改善が図られるはずであり、現行のMQL5自体も相当程度変貌を遂げるはずである。したがって、MQL5に基づいたプログラムの書き方等の学習はもう少し時間をおいてもよさそうだ。 

 一方、MT5のチャートを開いてみると、MT4チャートとの差異はほとんど感じられない。ただ、初期画面では上段ツールバー中にナビゲーターやツールボックス(MT4ではターミナル)等のアイコンがなかったり、売りのはずの10分足や2時間足の選択もできなかったりして一瞬戸惑う。しかし、これらは自由に配置できるので心配はいらない。以下、参考まで。 

1)アイコンのカストマイズ

 上記画像はAlpariのMT5の初期画面である。但し、上段のアイコン類は既にMT4の仕様にカストマイズした後であり、本当の初期画面には気配値表示、ナビゲーター、ツールボックス(ターミナル)、ストラテジーテスター等のアイコンは表示されていない。これらを表示するには、現れているアイコンの一つを右クリックしてカストマイズを選べば、必要なアイコン類が揃っているので、適宜選択できる。 

2)時間足のカストマイズ

 時間足のカストマイズも表示されている時間足の一つを右クリックすれば、MT4では存在しなかった時間足を適宜表示させることができる。 

3)指標カレンダーを消したい

 チャートの下方に指標カレンダーが表示されるようになった。便利な一面うるさいと感じる人もいそうだ。これを消すには、ツールボックス(ターミナル)の「指標カレンダー」を開いて画面を右クリック「チャート表示」→ 「すべて削除」を選択する。ついでに「自動更新」の☑を外しておく。 

4)音がうるさい

 指標カレンダー等のアラート音を消すには「ツール」→ 「音声アラートを有効にする」の☑を外す。


MT5でも両建て可能になる?

2017-08-24 17:04:16 | 投資

 MT4からMT5への移行が進まない大きな要因の一つが、MT5では同一通貨ペアで複数のポジションが持てないことであった。複数のオーダーから生じたポジションは一つに纏められてしまうのである(Netting)。同様に売り買いのポジションは相殺されてしまう結果、両建てもできないというFX取引の実態にそぐわないものであった。 

 この問題の解決なしにはMT5への統合はあり得ないことを認識したMetaQuotes社は、ようやく重い腰を上げて、MT4と同じく、オーダー別ポジション管理を可能とするシステムを完成させたようである。MT5を導入しているFX会社は国内にはなく、海外業者においても数少ないので、実態ははっきりしない。筆者が持つFxProのMT5(デモ)で試してみたが、残念ながら両建てはできない状況である。 

 MetaQuotes社のホ-ムページからダウンロードすれば、両建て可能デモ口座(Hedge Account)の申請ができる。興味のある方はお試しあれ。また、情報によれば、MT4からMT5へのCode Converterが既に開発されているそうである。 

MT5への完全移行もそれほど心配しなくてもよさそうだ。 

関連情報

http://metaquotes.co.jp/2016/05/30/mt5-demo-hedge/

 上記ページから両建て(Hedge)デモ口座が開設できます。ただし、ダウンロードの途中でサーバーを選択する必要がありますが、サーバー欄にはMetaQuotes-Demoが表示されていないので、手書きで追加する必要があります。

追記:その後、Alpari社及びXM社ではMT5_Hedge Account(両建て口座)開設が可能であることが確認されています。

 

 


任意のトレンドラインのブレークアウトで自動売買(EA)

2017-08-22 18:26:09 | 投資

 FXを始めて程なく教わるのがトレンドラインの引き方でしょう。そして、「ローソク足が下値支持線を割ったら売り参入」、「ローソク足が上値抵抗線を上抜ければ、買い参入」という典型的な順張り作戦を試すことになります。 

 ビギナーズラックで当初1~2回は成功したとしても、時間が経つにつれ徐々に成功率が下がってきます。失敗の中には、ストップロスを入れていなかったために、騙しに遭って大きな損失に繋がったということもあるでしょう。それだけなら、以後ストップロスを忘れずに設定することで防止できるはずです。 

 本当に難しいところは、相場がいつ下値支持線や上値抵抗線をブレークするかが分からないことにあります。折角、下値支持線を引いておいたのに、少し席を外している間にブレークは既に終わっており、今からの参入は遅すぎるという苦い経験をお持ちの方も多いはずです。また、心理的な要因で売買に参入できなかったという事例もあります。この手法の難点は、パソコンの前でブレークの瞬間まで待機していなくてはならないことであり、また、タイミングを失しない瞬発的な決断を必要とすることです。 

 MT4を使えれば、短期ブレークアウト自動取引も簡単に実現できます。5分足のチャートに自信のあるトレンドラインが引けたとします。MT4ではなんとこのトレンドラインを認識して、参入から手仕舞いまですべてこなしてくれるという美技が可能となります。利益を極大化するために、トレイリングストップまで装備させることもできます。もはや神経をすり減らすことはなくなり, 事前に損切り値や利確値を入れておくだけ、後はパソコンをオンの状態にしておけば、勝手に取引を始めたり、手仕舞ったりしてくれるのです。 

 MT4で本格的に自動売買をするには、通常はパソコンを24時間オンにしておくか、外部のコンピュータをレンタルすることになります。筆者も外部コンピュータ24時間賃借営業組に属します。ただし、デイトレの場合は、無理してレンタルする必要もなく、今まで述べたように、パソコン上で自動売買することが十分可能となります。一日3~4時間パソコンのスイッチを入れておくことは、トレーダーにとって普通のことであるからです。 

 MetaGenicFX社ではトレーダー諸氏のご要望にお応えするため、任意に引いたトレンドラインのブレークアウトで売り又は買い参入する自動売買プログラムをこのほど開発いたしました。 

 トレンドライン・ブレークアウト自動売買戦略(TrendLineBreaker.ex4)に興味のある方は、MT Studio21.comまで

 

こちらの商品は改訂されTrendLine_AutoTrade_V1.ex4として公開されました。トレンドラインのブレークアウトのみならず戻り売りや押し目買いにも対応しております。詳しくは本ブログ2018.04.25を参照してください。


エリオット波動論者も戸惑うドル円の動き

2017-08-19 20:44:22 | 投資

 6月28日のブログでドル円相場が重要局面にあることを指摘した。2007年6月の高値124.13と2011年10月の安値75.32とするドル円のフィボナッチで計ると当時の相場が61.8%戻しの112.61に接近していたからである(112.40近辺)。その後の値動きの可能性として、次のような仮説を立てていた。(以下原文のまま) 

「一方、もし61.8%のフィボナッチで押し戻されることになると、Ⅱ波(ABC)の下げは未だ続行中ということになり、一部のエリオット波動論者が唱えるように、38.2%戻しに相当する93.97辺りまで下落するとの予想もその可能性が否定できなくなる。いずれにせよ、重要局面に接近していることには間違いない。特にニューヨークダウの暴落説も囁かれている昨今、厳重な警戒が必要だ。」  

 以上の見立てに対して実際の値動きはどうであったかを振り返ると、6月の月足は重大地点の61.8%に未達の112.37円で終わった。その後の足取りは予測通り下げ基調となり、先週末(8/18金)には109.20円で引けている。年初来、ドル高を一貫して唱えてきたエリオット波動論者M氏も、ここに来てその論調を変えつつあり、「もし、4月安値108.13を割る場合には、昨年12月以来の下げ第2波が進行中と変更する」と専門家でなくても判断できるようなことを述べている。 

 日柄的にはそろそろ反転上昇に移ってもおかしくはないが、8月13日から9月5日までは水星が逆行する期間でもあり、今しばらくは相場が落ち着かない状況が続くと想定される。(前稿では、水星逆行の期間を誤っていた、上記の通り訂正する) 


FX版値板(日本古来の相場建玉記録法)

2017-08-11 09:22:39 | 投資

 書店に並ぶFXハウツー本には、トレード記録を付けることが成績の向上に繋がることが強調されている。なるほどその通りだが、そこで例示されている記録帳は概ね次のような形式のものが多い。エクセルで記帳するとすれば左から順に、日付、Sell/Buy、仕切り値、ロット、取得pips、損益、スワップ、手数料、総合損益となっている。この形式は取引をその日のうちに完結させるデイトレードやスキャルピングには適していると思うが、筆者のようにスイング取引で、しかもヘッジ(両建て)を多用する取引手法には、少々物足りない。 

 そこで、古来、米相場や株式の相場師の間で利用されてきた値板(ねいた)をFXに応用してみることにした。本来の「値板」は日々の取引枚数とポジションの残高を記録していくという簡単なもので、そこでは損益の把握まではされていなかった。損益については別途「場帖」等で把握していたようである。 

 誰もがコンピュータを利用する現代では、値板と場帖を統合することはいとも簡単で、一瞬で正確な取引記録を計算してくれる。実は、この記録は株式投資で使っていたのであるが、便利なのでFX取引の記録簿としても利用している。エクセルの初歩的知識があれば十分なので、参考にしていただきたい。

 画像には表れていないが、一番右に「備考」欄を設けていて、そこにはテクニカルの考察や、反省点、明日以降の方針等を備忘的に書き連ねている。なお表中の数値は単なる例示である。