数年前、とあるFX研究グループに参加して世話役を務めていたことがある。名前だけの会員も含めると150名近くいたが、月に1~2回の会合には20名近くが集まって活発な意見交換がなされていた。
毎回、プレゼンターが決まっていて、各自のFX作法や経験を紹介することも多かった。経験談の中では、難しいといわれるFXトレードで「いかに生き残ってきたか」や「これでFXトレーダとしてやっていけると確信した瞬間」等も披瀝してもらった。その中では、「逆指値の注文が普通にできるようになったとき」というのが目を引いていたのを記憶する。
逆指値と言えば、ポジションの損切り注文がそれであるし、また、高値を買う注文や安値を売る注文のいわゆる順張りの取引手法である。いずれも、FXを始めるにあたり、指導者の先生から口を酸っぱくして語られていた教訓である。ストップを入れておくと、2回に1回は損切りに終わる。一流のトレーダが6割の勝率があれば、大成功と言われる世界である。好成績を残す自動売買ソフト(EA)でも勝率は5割未満というのが大半であることを考えると、逆指値(ストップ)注文がいかに重要であるかが理解できる。
同じストップでも損切り注文は損失であるのに対して、逆指値による新規注文は順張りの注文であり、利益の源泉である。損小利大には以下に逆指値注文が大切であるかは、単純な思考回路からも再認識させられる。
単純なナンピンではなく、計画的な分割売買で考えてみよう。現在のドル円相場が、110円であるとき、50銭間隔で、109.50、109.00、108.50、 108.00と各1万ドルずつ買い下がる注文で考えてみよう。トラップ取引やトラップリピートIFD取引に多い戦略である。
ドル円が思惑通り、円高に向かっているとしよう。FXを始めて間もない方は、早速、109.50から108.00まで4本の指値注文を出されるかもしれない。その場合、ドル円が急速に進んで107.00まで下落したら大変である。4本の指値注文は成立し、大きな含み損を抱えた計4万ドルの買いポジションを持つことになる。
上の注文を出す場合には、もう一つの注文方式がある。相場が110.00の段階では、現値より安い買いの逆指値注文は出せない。出せるのは、指値注文だけである。逆指値注文を学んだ人の答えはこうであろう。
「相場が109.00に落ちたところで109.50の買いの逆指値注文を出す」。
大正解です。しかし、一つ問題があります。相場が110.00から109.00まで下がったのが、貴方が夜眠っている間に起こっていたが、翌日目が覚めた時には、元の110.00に戻っていた場合は、この注文を出すことができません。眠っている貴方に代わってこのようなサービスを引き受けてくれるFX会社は現在存在しません。
幸い、MT4でトレードしていれば、この問題は簡単に解決します。貴方が夜眠っているときも、システムがマーケットを常時監視し、上の取引で言えば、相場が109.00(109.25でもよい)になった瞬間に109.50の買いの逆指値注文を発出してくれます。相場が110.00に戻っていれば、50銭の含み益を持つポジションを有していることになります。
これをトラップリピートIFD(通称トラリピ)に応用すると、上の例で、相場が107.00に下落した段階では、109.50、109.00、108.50、108.00の4個の逆指値注文が出されています。注文が残っているだけであり、未だポジションとして成立していませんから、損益はありません。MT4では、注文時には証拠金も要求しませんから、資金残高の心配をする必要もありません。相場が反転し、再び110台に戻ってくる場合には、各注文が次々と約定して、あたかも順張りのトロール漁のように利益を確定していきます。
トラリピやループイフダン等の業者の提供するシステムでは、将来価格に基づく逆指値注文を受けることは現在のところできていません。膨大なシステム投資を伴うからです。
トラリピが初心者にも勝ちやすいと言われる理由は、百万ドル単位のプロにはまねのできない取引手法であり、彼らの市場かく乱行動はトラリピにとっては、利益チャンスともなりえるからです。
TrapTradeSystemは通常の指値注文のほか、逆指値注文方式を装備していますので、初心者の方のベース取引としてお勧めです。