トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

大循環分析(うねり取りの進化形)で個別株式運用

2017-07-29 16:10:19 | 投資

  小次郎講師により提案されている移動平均線・MACD大循環分析は、FXをはじめとするCFDのトレーダーの間で評判が高い。FX業者の中には、早速このテクニカル指標を自社のチャートシステムに組み込むところも出てきた。MT4では既に「小次郎大循環分析」としてプログラム化されているので、トレーダーの中にはMT4上でチャート分析をし、実際の取引はそれぞれの取引業者で行うという人も多い。 

 既ブログで述べた通り、大循環分析は株式取引手法として知られる相場師朗氏提唱の「うねり取り」手法の進化形と云えるもので、ほとんどそのまま株式手法として通用する。しかし、MT4のチャートはいまのところ個別株式には使えないので、証券会社が個々に提供するチャートに表示させる以外にはない。筆者が取引口座を有する証券会社の中では、野村證券の「野村ネット&コール」が提供する「詳細リアルチャート」が比較的簡単に3本の移動平均線(EMA)と3本のMACDを表示させることができた。 

 その仕様であるが、相場師朗氏が使う3本の移動平均線の期間(5、20、60)はそのままに、移動平均線の計算方式のみを単純移動平均(SMA)からより反応が早く且つMACDとは相性の良い指数平滑移動平均線(EMA)に変えてみた。さらに補助分析手段として大循環分析の3本のMACD(5/20、5/60、20/60)を追加した。添付画像は上から順にNTTドコモ(9437)の日足及び週足のチャートである。相場師朗氏、最近のラジオ日経セミナーでは、5/20/60/100/300と5本の移動平均線を表示させている。添付チャートには、期間100のEMAも表示させた。

 

  与えられた環境でのチャート表示には、大循環分析での帯の色表示や、MACDのヒストグラム表示はできないが、相場師朗の「うねり取り」実践者には進化形の無料チャートとなることは確かである。もし、相場師朗氏の単純移動平均線(SMA)のままで使いたいという場合は、単にEMAではなくSMAを選択すればよい。


もう一つのトラリピ戦略(らくらくヘッジ)

2017-07-25 15:03:51 | 投資

 FXトレードで難しいのは、レンジ相場とトレンド相場をどうこなしていくかであろう。できればレンジ相場、トレンド相場の両方で利益を上げることができれば万々歳であるのだが・・・ 

 ここに「くるくるワイド」というトレード手法がある。レンジ相場・トレンド相場両方に対処できる手法とする。元祖魚屋氏がその著書「FXくるくるワイド投資術」の中で詳述されている同取引手法は概ね次のようにまとめられている。

同手法の基本形

「本体1に対し、本体と逆向きのトラリピを1/2、同じく逆向きのヘッジトレード(デイトレ)1/2を組み合わせてリスクを±0に近づけてトレードする」というもの。具体的に例示すると: 

 今後のドル円相場を110.00 ~ 120.00と想定し、現値を112.00とした場合:

① 本体として10万ドルの買い

② 同時に110.00 ~ 120.00の間に1ロット$2000、トラップ幅0.20円の売りトラリピ25本を仕掛ける。(5万ドル相当)

③ もし、相場が逆行した場合には、残り5万ドルで売りのデイトレを繰り返す。

狙いとしては、

① 仕掛け方向には最初に大きくポジションを建てることで「大きく」利益を出す。

② 想定レート内では、損切りなしのトラリピ運用の波の中で「手堅く」利益を出す。

③ 建値の逆方向に動いた場合に備えて、本体の半分の通貨数で逆方向に10銭利食いのデイトレをして、損失を最小にとどめるとともに、場合によっては損失以上の利益を出す。

(以上原文の通り、ただし商標権を考慮して本文では、トラリピをトラップ運用と言い換えられている)基本形は上記のように単純なものであるが、著書では、その発展・応用形を200ページ以上に亘って詳説されている。筆者の私としては、あまりにも煩雑で付いていけなくなり全編を読むのは、途中であきらめた次第である。 

 筆者が実際に基本形を実践してみての感想は次のようなものである。

① そもそもトラリピ運用者は、相場の先行きがはっきりとは分からない状況でも、大きな相場の波動の中で少額・低レバ、時間をかけて取引できるからであり、ヘッジ方法としてトラリピを行うわけではない。トラリピをやるならメインの取引手法として行いたい。

② 相場が逆行した場合には、5万ドルのデイトレ(10銭狙い)をやるということであるが、トラリピ運用者の多くにとっては、デイトレはやりたくない、もしくは、できないというのが実情であろう。

③ トラリピは複数通貨ペアで行うことが多い。「くるくるワイド」手法では、複数通貨ペアでデイトレを行う必要性や頻度が高まる結果、通常の1通貨ペアで裁量取引を行う以上に複雑となる可能性がる。 

 私(筆者)の行っている手法は、トラリピを主たる取引手法とするものであり、ヘッジは行うもののそれはあくまでトラリピに付随するものである。次のようなトラリピを例に述べてみよう。

買いトラリピ:USDJPY ロット $1000.00

トラップの領域:110.00 ~ 120.00

トラップ幅:¥0.50 (トッラップ数20)

利確幅:¥0.50

仕掛け時ドル円相場:114.00 

 トラリピ仕掛け時点では、相場は120.00方向のトレンドにあると読んだのであるが、意に反して相場は逆行を始めた。112.00まで下げた段階では、ポジションとしては4本、計$4000.00の買い残となって、含み損が生じている。相場が200pips下げた段階では、多くのテクニカル指標は下げのトレンドが発生したことを知らせている。古典的なトラリピでは、この様な場合でも、下げは当初の想定内であるから、そのままトラリピを続けるのが普通だ。さもなければ、EAを一旦休憩させて111.50以下の指値注文を取り消し、相場の反転を待つというのが一般的だと思われる。(損切り撤退という最終判断も 考えられるが)

 しかし、相場が早期に反転する保証はない。想定を超えて、100円台まで下げ続ける危険は消えない。相場の反転を期待して、ずるずると含み損を増大させるのは正しい戦略とは思えない。筆者は、相場の下落が200pipsを越えた段階で、EAを一旦休憩させ、その上で両建て戦略をとることにしている。両建て($4000の買いと売り)の際には、当然のことながら、トラリピの待機注文は全部取り消して、相場の下げ続けるのを見守ることになる。含み損はそれ以上に膨らむことはないので、精神的には楽で、その間は他の通貨ペアに頑張ってもらうことにしている。 

 さて、ここからは少し裁量の技術が必要である。でも、日足のチャートだけ見ていればよいので、「くるくる」のようにばたばたする必要はない。要はいかに両建てを外していくか(ここでは売りを外す)の問題である。その場合、相場の反転を見極める方法であるが、その方法は、既ブログで述べた、一に「うねり取り」、二に「移動平均線・MACD大循環分析」に頼っている。一も二も本質的には同じものである。違いは、「うねり取り」が5,20,60のSMAを使っているのに対して、「大循環分析」では5,20,40のEMAを使用しているところであり、補助ツールに3本のMACDを援用していることである。どちらも、視覚的に相場の変遷を捉えることができる点で優れている。「うねり取り」は主として株式相場の分析に利用されることが多いので、筆者は、移動平均線はEMS(5,20,40)を採用している。 

「うねり取り」はラジオ日経で過去2年間放送続行中であり。そのすべては録画されており、現在も視聴可能である。「うねり取り」の概要は、最初の10回程度で詳説されている。そこでは、両建ての外し方も詳しい。また、「大循環分析」については、過去に行われたセミナーを数回にわたり紹介してきた。

「うねり取り」視聴先:簡単な登録必要

https://kabujuku.jp/movies

「大循環分析最新セミナー」:

http://www.jikiden.co.jp/jms/01719cfgAbg4kSTgGhC/

MetaGenicFX社では、小次郎講師の大循環分析をまるまる「小次郎大循環分析」としてMT4インディケータとして公開しております。同インジはFX用「うねり取り」としてそのまま使うことができます。株式分析にも使えるよう、パラメータにより移動平均線はSMA(標準移動平均)5/20/60に変えることができます。 

https://metagenicfx.thebase.in/

 

 


通貨インデックスから観たドル円の行方

2017-07-22 12:17:12 | 投資

 6月28日のブログで、当時のドル円相場がフィボナッチの重要な節目(112.61)に差し掛かっていることに言及した。もし、月足終値でこのレベルを超えるようであれば、エリオット波動第2波の調整相場(ABC)は終了し、いよいよ第3波の上げ相場に転じる可能性がある。半面、このフィボナッチで押し戻されるようであると、下げの第2波の終了は未だ確定したことにはならず(または第3上昇波の調整波終了確定ともならず)、改めて底値を探ることになると予想した。 

 残念ながら、6月の月足終値はこのレベルを下回ることになり、今日現在の下げ相場が示現することとなった。それでは、この下げはどこまで続くのであろうか。本日はドルインデックス、円インデックスから今後の均衡点を探ってみたい。

添付画像は、ストックチャート社が提供するドルインデックス、円インデックスチャートである。

 

 トランプ大統領就任以来、その保護主義政策を先取りしたのか、それまで100を超えていたドルインデックスは下降を続け、7月21日終値ベースでは93.68まで下げてきた。一方、日銀のゼロ金利政策と金融緩和で3月には80台半ばまで落ち込んだ円インデックスは7月21日終値では89.96まで戻しており、両インデックスは接近している。

 両インデックスの均衡点は、91.82であるから、円インデックスはあと2%程度上昇するとみてよさそうだ。昨日のドル円終値は111.12であるから、112.12 ― 112.12 x 2/100 = 109.87という計算になるがはたして?計算通りにはいかないのが相場ではあるが。

 


小次郎移動平均線・MACD大循環分析最新セミナー

2017-07-21 12:29:11 | 投資

  7月19日(金)小次郎講師による大循環分析に関するセミナーが行われました。過去の当ブログでも関連セミナーのオンデマンド視聴URLを掲示していますが、今回のセミナーでは、大循環分析に基づくFXトレード戦略が最も理解しやすく説明されています。(視聴は下記URL)

http://www.jikiden.co.jp/jms/01719cfgAbg4kSTgGhC/

 

 セミナーを主催したFXプライム社は、自社のチャートシステムに大循環分析のためのインディケータを組み込んでいますが、他社のほとんどでは採用されていません。MetaGenic社では、小次郎講師の大循環分析をまるまる「小次郎大循環分析」としてMT4システムに移植しております。

https://mtstudio21.com/


一括Close、一括DeleteするMT4スクリプトに加えて

2017-07-18 11:40:02 | 投資

 FXトレード戦略の中には、少額且つ多数のポジションや待機注文(指値・逆指値注文)をとるものがある。トラップ取引などはその典型で、ポジヨンの数と待機注文の数を併せると20を超えることはざらである。このような取引で、全ポジションを個別に決済したり、指値・逆指値注文の全部を個別に取り消したりするのはとても厄介であるが、その際にお世話になるのが、Close_AllとかDelete_Allという名称で出回っているスクリプト(Scripts)である。筆者もこのスクリプトを時々使わせていただいていたが、ある時に大変な目に遭って以来、面倒ではあるが、ひとつひとつ地道に決済や削除を行っていた。 

 MT4チャートでは、通常複数通貨ペアの画面をセットで開いているが(初期設定では4画面)、そのような状態で、Close_AllやDelete_Allを使用すると、すべての通貨ペアのポジションが決済されたり、待機注文が取り消されたりしてしまうのだ。ドラッグアンドドロップでUSDJPYのみのポジションの待機注文を取り消すはずであったのに、となりのEURUSDやGBPUSDに係るものまで、全て決済・削除されてしまったのである。 

 他からの要請もあったようで、筆者の関係するMetaGenic社から、各通貨ペア別個に働く全決済、全取消しのスクリプトを開発するようにとの依頼を受けた。さしずめClose_ALL_bySymbol、Delete_All_bySymbolといったところか。実を言うと筆者自らの必要性から、そのような機能のスクリプトは既に作成しており、実際の取引で使っていた。それらをそのまま渡してもよかったのであるが、それだけではただの便利なツールというだけで、実際の取引戦略に積極的に役立つものではない。新たな付加価値が必要だ。そこで次のような機能を持つModify_All_bySymbolをセットに加えることにした。 

Modify_All_bySymbol

 一括決済、一括取消しを多く使用するトレーダーはトラリピ等のトラップ取引をする人が多いであろうことは容易に想像できる。今回新たに開発したスクリプトModify_All_bySymbolは待機注文に係る「注文価格、損切り値、利確値」を通貨ペア毎に一括変更する機能を有する。 

 この機能はトラリピを順張りで行う場合には、大変有利な武器となる。例として、現値が115.00の時、USDJPYの順張り買いトラリピを110.00 ~ 120.00の範囲でトラップ間隔50pips, 利確50pipsで設定したとする。また、逆指値発動の条件は、現値があるトラップの一段下のトラップに達した際に発注されるものとする。(114.50になれば115.00の逆指値買い注文が出される等) 

 ところが、案に相違して相場はほぼ一直線に下落108.00に達してしまった。逆指値注文のみであるから、相場が108.00に達した段階では、下記のような逆指値買い注文出されていることになる。上から順に;

①118.00 ②117.50 ③117.00 ④116.50 ⑤116.00 ⑥115.50以下⑳110.00まで20本の逆指値買い注文が出されている。この例では、話を単純化するために、115.00からの下落では、途中50pips以上の綾戻しもなかったものとしている。また、118.00以上の注文がないのは、EAの注文範囲が現値(115.00)から300pips以内とデフォルトで設定されているからである。 

 ここから先は、トラリピで勝ち続けている人の企業秘密でもある。上記の注文群は一見無駄な注文であろう。実際115.00超の注文は当面不必要であるから、それらの6本の注文は取り消すことにしよう。残った14本の注文をうまく使うことによって、不利な環境を逆手に取ることも可能なのである。 

 相場は、108.00で底を打って戻り始めた。109.00を越えたら本格的な回復相場となるであろうとの確信がある場合に、巧者は14本の逆指値注文を一か所に集中させるのだ。14本が多過ぎると思えば、5本のみとすればよい。上から9本を取り消せばよい。現値(108..00前後)から300pips外の注文であれば、それら注文を取り消してもEAにより自動再発注されることはない。(EAのダイアログボックスを開いて自動売買を止めておけば確実) 

 その際に、Modify_All_bySymbolが大いに役立つ。スクリプトをドラグアンドドロップでUSDJPYに適用すると次のようなダイアログボックスが現れる。(デフォルトではいずれの数値も0.00)

 

新価格を109.00に利確を109.50に設定すれば。上記の14本ないし5本の逆指値注文は、1点に集約させることができる。注文を1本に纏めたわけではないので、注文は未だ別個のままであり、EAはマジックナンバーにより各別にコントロールし続ける。相場が109.00から199.50と思惑通りに動けば、今までの忍耐は一挙に報われることになる。 トラリピEAにトレイリングストップ機能が付いていれば理想的だ。

上記3種のスクリプトは現在MetaGenic社にて準備中。

https://metagenicfx.thebase.in/