竹採公園 竹採物語発祥の地
静岡県富士市比奈
昔話で有名な かぐや姫の物語。竹から生まれた美しい姫が成長し、最後は月に帰るという物語です。
竹取物語にまつわる史跡は全国に、京都府や奈良県など、主に関西圏に伝わっていて、とりわけ京都府京田辺市が古くて最有力とも言われていますが、今回の記事では ぼくの住む静岡県に伝わる竹採物語〜ゆかりの地を取り上げました。
かぐや姫の【竹採物語】ゆかりの地は、土地の名を籠畑といい、現在の静岡県富士市 比奈の町にその足跡が残ります。
昔、延暦年間のころ(今から1200年ほど前の平安時代初期)、富士の麓の比奈、篭畑の地に竹篭づくりをしている竹取のおじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんは竹の中から親指程のかわいい女の子を授かりました。日増しに大きく、しかも美しく成長し、この世の人とは思えない絶世の美女に成長しました。
名を「かぐや姫」と言い、美しいかぐや姫の評判を知った国司(役人)は、わざわざ姫のもとに押しかけ、数年間を共に暮らしました。ある時、姫は、国司に富士山にかかる月を見上げ泣きながら富士山へ帰りたいと告げました。
突然なことで驚いた国司はこれを許さず、姫は仕方なく国司をふりきり、国司への文と不老不死の薬の入った1つの箱を残して富士山に去ってしまいました。
国司は悲しみにくれ、後を追い、富士山の頂に登ると、そこには大池があり、池の中には宮殿がありました。再会した姫は、もはや普通の人間ではなく、あたかも天女のようでした。
この内容は、
〜富士郡比奈村皇国地誌編輯〜
〜(ふじぐんひなむらこうこくちへんしゅう)〜に明治17年に記されたものです。
また、臨済宗中興の祖、白隠禅師が書き残した無量寿禅寺草創期にも竹採物語として記されています。
富士郡比奈村皇国地誌編輯と酷似してますが、
富士市に伝わる伝説として…
平安時代の延暦年間(782~805年)この付近に翁(老夫婦)が住んでいて、竹で籠をつくることを生業としていたことから、作竹翁、あるいは寒竹翁と呼ばれていました。
ある日、翁は籠作りのために竹林の竹を伐ってみると、竹の中から女の子の赤ちゃんが出てきました。
翁は驚きながらも女の子を連れて帰り、夫人と共に育てることにしました。
かぐや姫と名付けられた娘はそれは美しく容姿端麗、無双の美女に成長し、その美しさは国中に知られるところとなり、やがて土地を治める国司の耳にも入ることとなります。
国司は、かぐや姫を妻として迎えたいと何度も願いますが、かぐや姫は承諾せず、国司が宝を差し出しても承諾しませんでした。
ついには、国司が翁の家に住み着きます。かぐや姫は故郷の仙洞に帰りたいと言い出し出ていきました。
国司が後を追うと かぐや姫は天女へと姿を変えて故郷の富士山へと帰っていきました。
伝説のような物語ですが、
竹採物語としてこの地には、比奈、籠原、富士見、見返り坂等、物語に登場した地名が現在伝わります。