第156回直木賞受賞、2017年本屋大賞第1位、こういう肩書きに弱いものですから新刊を買ってしまいました。けっこう長い小説でしたが、一気に読み進み・・・・・、2回も。
***
芳ヶ江国際ピアノコンクールに進んだ風間 塵、栄伝 亜夜、マサル・C・アナトール、高島 明石の4人のコンテスタントの青春群像が描かれています。
音(聞く)を使った表現と言葉(読む)を用いた表現、耳と目、ちょっと次元が違う表現ですが、ピアノ演奏をリアルに文章で表現しているところが印象に残りました。
3人の天才と1人の努力の人、3人の天才のエピソードも面白かったのですが、楽器店で働きながら睡眠時間を削ってコンクールの準備をしている人、妻子を持ちながら音楽家としての道を諦めきれないでいる人、自分の限界や3人の天才との差を感じながらもコンクールのかけている人、そんな「高島 明石」のエピソードが最も好きですね。
さすが、本屋大賞! という小説でした。