寒波くる日本列島弓なりに
季語 寒波来る 寒波の傍題。 冬期、日本付近を低気圧が通過して東の海上に抜けると、シベリヤ方面から神庭の固まりがにわかにやって来る。すると、気温も急激に低下し、激しい寒さに襲われることがある。この現象は波の押し寄せるように周期的にやって来ることから『寒波」の名がついた。歳時記伐採。
掲句 来週はこの冬一番の寒波が来るとか、迎撃態勢をとって日本列島が見まがえているのか、または中央部分が圧力をうけていながら堪えているのか?
例句 列島に二泊三日の寒波来る 塩路隆子
細々と道が一筋大枯野
季語 草の枯れ果てた冬の野原。花も紅葉もいつの間にか消え去って、枯草が風に淋しい音をたてる。枯野が盛んに詩歌によまれるようになるのは中世以後である。歌人たちは荒涼たる枯野にのちの「わび」「さび」に通じる美を見出した。華やかなものこそ美しいと考えていた古代の美意識がここで大転換を遂げる。枯野は植物の命が衰退へと向かう局面であるが、春にはここから新しい命が芽生える。歳時記抜粋。
例句 吾が影の吹かれて長き枯野かな 夏目漱石