蒲団 2023-01-26 09:24:55 | 日記 寒き夜の身持ち正しき布団かな季語 蒲団 綿や藁、羽毛やパンやなどを布にくるんだ寝具。もとは蒲の葉をほぐして編み、敷物にしていたことからこの字を当てたもので、布団は当て字。寝るときに防寒のために肩に当てる小さい布団が肩蒲団掲句 ここ数日の寒さは暖冬の言葉を吹き消した。床の中でも縮みこんで寒さに堪えているのか、身じろぎは少ない。名山に正面ありぬ星布団 小川軽舟
底冷え 2023-01-25 09:34:07 | 日記 底冷えに早めに済ます夕餉かな季語 底冷え 冷たしの傍題 冬の寒さのことに強い感じ。「寒さは」大気の温度からくるが、「冷たし」は手で触れた場合の感覚的な、また、地の底から肌を這い上がるような冷えをいう。京都をはじめ盆地の底冷えはよく言われる。 歳時記抜粋掲句 昨日・今日は十年来の寒さと雪で国中のいたるところで被害が発生し、難渋している人々が多い。こんな時は不要不急外出を控え、自宅でできる限りの対策を施し、じっとして家にこもる。老人にはこれが一番。そんな心境を詠んでみた。 例句 献立の一転二転底冷えす 山本美砂
冬菫 2023-01-24 10:24:15 | 日記 日当たりの城の石垣冬菫季語 冬菫 スミレ科の特定の品種を指すわけでなく、春に先駆けて咲く菫をいう。暖地の日当たりの良い斜面に葵菫や立壺菫なとせの野生種が冬季に咲くのをみかけた事がある。春の菫より心なしか小ぶりで、紫色が濃くみえる。冬枯れの中に健気に咲く可憐な姿に心惹かれる。歳時記抜粋。掲句 城跡から町を俯瞰したとき 風を避けるために城の石垣の下を通った。寒い高台なのに風当たりの少ないところに可憐な菫が咲いていたのには驚いた。春近しである。例句 山一つあたためてゐる冬菫 神倉 器
旧正月 2023-01-23 08:24:43 | 日記 旧正や寺より届く農暦季語 旧正 旧暦のお正月。地方によっては今でも新暦二月に祝うところもある。歳時記抜粋。掲句 戦後十年ころまで、田舎では旧暦で正月を行っていた。小中学校ても冬休みは二回に分けられてあった。近所のお寺より旧暦の暦が届くとそれに従い農作業の日取りが設定され、それに向かっての準備がされたようだった。今の農暦は正月に届くが冠婚葬祭の日取りの時のみの出番のようだ。例句 ふるさとや旧正月の雪籠り 名和三幹竹
寒雀 2023-01-22 09:42:53 | 日記 寒雀 久々の黒土の香り寒雀季語 寒雀 寒中は食物が乏しくなるので雀はひときほ人家に近くに住む。寒気を防ぐために全身の羽毛を膨らませて丸くなっているのがふくら雀。紋所模様にも取り入れられ、身近で親しい鳥である。寒雀は食用としても美味で薬効があるとされるが、多くはその可憐な姿を詠むことが多い。歳時記抜粋。掲句 餌が少ないので家の近くまでやつて来る。雪が融けて土が現れると一番先に訪れるのは寒雀かも知れない。子供のころに俵の蓋の部分に馬の尻尾の毛を抜いてつくったすずめ罠を仕掛けたことを思いだした。例句 脇へは行くな鬼が見るぞよ寒雀 一茶