懐かしい雲取山

朝刊に載っていた．
雲取山荘の新井さん．



２０年以上も前のこと．
前に勤めていたところに山好きの先輩がいた．
誘われて初めて経験した 2,000m 以上の山が雲取山だった．

新聞記事では「生半可な脚力では，たどり着けない」とあるが，
２０代・３０代ならそれほどでもなかろう．

当時，オヤヂは２０代半ばを過ぎていた．
まだ結婚してはいなかったのでそうなるが，何歳だったかは記憶がない．
新聞記事ほど厳しい歩きではなかった．

さて，新井信太郎さんが営む雲取山荘．
ここに一泊した．
先輩２人とオヤヂ，わずか３人の宿泊者．

新井さんのお名前は後で知った．
その時は山小屋のご主人という意識だけ．

風呂をたてたので俺の後でよかったら使ってもいいよと言って頂いた．
客が多ければそんなことは言ってもらえない．
人の多いシーズンを避けたおかげである．

その後，新井さんが本を出されたので買った．
名前を知ったのはこの時であろう．



　　「雲取山に生きる　ランプとともに３０年余の山暮らし」
　　　新井 信太郎，実業之日本社，1988年

この時の山荘は今はない．
1999年 5月に建て替えられたとのことだ（新聞記事）．

山行に誘ってくれた，岩登りもしていた先輩も今はいない．
雲取山荘に泊まったもう一人の先輩と見舞いに行った翌日，故人となった．

その時はオヤヂは今の会社に転職しており，
先輩からの誘いでターミナルケア病室に行った．
意識も思っていたよりはっきりしており，二人を認め，話もできた．
まさかその翌日に亡くなるとは想像できなかった．

今の生活にひと区切りできたら，雲取山に行ってみようと思う．
その時に女房は同行してくれるだろうか．