画家・吉田博 1876(明治9年)-1950(S25)
画家発見の旅も4人目になった。4人目もまた知らなかった人。
もっとも明治の頃でも、よく知られた大家の絵はどこかで眼にしている筈。
だから、あえて知らない人の絵を探しているわけだ。
元ダイアナ妃が、妃の住む宮殿の部屋に飾っていたという吉田博の絵2点をまず紹介。
瀬戸内海集 光る海(1926) 猿澤池(1933)
吉田博は、洋画と木版画の技術を合わせた独自の技法を編み出した。
欧米各地を回り、透明感のある繊細で詩的な風景画は高い評価を得たという。
「光る海」は、海上を奔る光の筋、船の光と影、群青に染まる海・・・何とも魅力的だ!
妃は「猿沢池」のどこがお気に入りだったのだろう。塔に感じる異国情緒? それとも、
僅かに赤味がかった霞の空と池に映り込む風景、絵一面に春が漂う雰囲気がお好き?
他に多くの絵があったが2点選んでみた。最初は「雲井桜」の作品名。1899年作。
雲井桜は桜の品種でもあり、吉野山の桜もそう呼ぶらしい。
枝垂桜の向こうにはたぶん土手の道が通り、3人の女性が何やら話している。
その向こうの空に朧ろな月明かり、すごく幻想的な春の絵だ。(これは水彩画)
最後は、「初秋」1947年。
これは家の形からして外国の地だろう。たぶん油彩画。
手前の家、遠くの山並みと雲、真ん中に黄金色の畑、点在するのは何だろう?
実りの秋の色彩も構図も素晴らしい! で、今日の紹介を締め括ろう。
「今日のビデオ」はお休み。
[Rosey]