トレインキルン Train kiln を造る アトリエ陶夢 2024,02,02
アメリカの平地窯、トレインキルンとの出会いは県立信楽陶芸の森で行われたトレインキルン築窯講座に参加したことによるものだった。この講座は、信楽陶芸作家 篠原希氏がアメリカの窯「トレインキルン」を日本にも紹介したいとの思いから設定されたものだ。
篠原氏は以前、陶芸の森の交流事業でカリフォルニア州スタンフォード大学に行く機会を得、現地の窯の視察と焼成を体験してこられたようだ。この時知り合ったHideo Mabuchi氏やトレインキルンの設計者のジャン二―リー氏の協力によって、講座のための窯が用意された。
Train kilnの構造と特徴
<アメリカのトレインキルンと焼成の仕組み>
日本の穴窯とTrain kilnの違いは、薪を焚く場所(ファイヤーボックス)という燃焼室を独立させているところにある。其の構造によって燃焼室から完全燃焼された強い炎が押し出される。穴窯の場合は、場所による炎の違いが大きいこともあり、窯焚きの技術が求められる面が大きい。薪の種類や太さ、薪投入の仕方などなど窯の性質に合わせた焼成の技術が必要となっている。その点Train kilnは、燃焼室で作られた強い炎がターボの様に送り出される為、誰が焚いても何を焚いても一定の焼き上がりが可能で合理的な窯だと篠原氏は話す。
焼成は工夫により変化を付けられそうである。窯の構造から基本、酸化炎の強い焼き締め焼成が考えられる。そして横穴から薪投入することや空気穴の調整で中性炎から還元炎への変化を楽しめそうだ。更に炭の投入による炭化焼成や冷却還元焼成など幾つかの焼成方法が楽しめると想像する。
夢宇窯 Train kiln の築窯過程写真
夢宇窯Train kilnは、篠原氏の築窯講座で使用された設計を基に焼成室の長さを短く修正したものだ。