最初は、煉獄界の入り口に開いた小さな四つの点に見えた。
だんだんと、人間界に近づくにつれて四羽の巨大なチョウに見えた。
秩序を乱した罪で閉じ込められていたが、冥界からの脱獄を果たした四人の魔女たちであった。
「爆破するもの」悪魔姫ドルガは、翼竜の羽を持っており羽ばたきの度に小さい竜巻が起こる。ドルガを救うことには、父親で死の神トッドの嘆願があった。
「いたぶるもの」氷天使メギリヌは、美しい16枚の黒い羽を持っている。その気高さとサディストとしての内面は、遠縁にあたるかつての天使長ルシファーと大魔王となったサタンの両面を表していた。
「酔わすもの」蛇姫ライムは、母で「遠くへ飛ぶ女」エウリュアレ譲りの青銅の腕と黄金の翼によって誰よりも力強く、遠くまで飛べた。だが、怒りに身をまかせて変身すれば、顔にイノシシの牙を見せ、髪が蛇になり、口からは長い舌が垂れ下がる。その姿を見たものは、誰であっても血も凍る恐怖によって石に変わってしまうが、普段はネプチュヌスの愛人であった美しかった頃の叔母メデゥーサにうり二つ。
「悩ますもの」唄姫リギスは、芸術の才があり、優雅にコウモリのような羽を動かす。得意技は、空中に浮遊しながらの精神攻撃で、さすがのマクミラもあやういところでリギスには不覚を取るところであった。
六百年の長きにわたって極寒地獄コキュートスに閉じこめられた後、彼女たちをとらえたマクミラへの復讐と大魔神スネール復活に双眼は燃えていた。
(マクミラへの怨み、いかにはらしてくれようか)ドルガが思念を発する。
(ドルガ様、怨みをはらし最高神たちの鼻をあかす一石二鳥、いや追求の手をもつぶす一石三鳥の手がありますぞ)メギリヌが思念を返す。
ライムが質問の思念を送る。(なんじゃ、それは?)
リギスが代わって答える。(アポロノミカンでありんすな・・・・・・)
メギリヌが同意する。(その通り。マクミラは、ミシガン山中に「悪夢と恐怖」のテーマパークを作った。第1の建物では不老不死研究。第2の建物では軍事兵器研究。第3の建物では精神世界研究。最後の建物では魔術研究とアポロノミカン探索を担当させた。すでに不死者軍団は、マーメイドの小娘と天使連合との闘いで壊滅的な打撃を受けたようだ。だが、責任者の魔道とかいう奴には、つけこむスキがありそうだ。スネール様の眠っておられるニューヨークに行く前に、様子をうかがっておこうじゃない?)
リギスが思念を送る。(ニューヨークには邪悪なエネルギーが渦巻いてありんすが利用するには、我らの能力はまださびついてありんす。腕ならしに、まずアポロノミカンを手に入れてみてはどうでありんすかえ?)
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