財部剣人の館『マーメイド クロニクルズ』「第一部」幻冬舎より出版中!「第二部」朝日出版社より刊行!

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第8章—8 惨劇の夜

2018-11-30 15:24:24 | 私が作家・芸術家・芸人

「23年前の真相を教えて上げる。本当の私は、青龍様の結界が完璧なのを知った“三合会”によって送り込まれた間諜だったの。幹部たちは、黒龍様から表に出せない数々の秘密を青龍様が引き継いでいるのではないかと疑心暗鬼になった。内部から青龍様の御屋敷に隙を作るべく、白龍の妻になるようすべてが仕組まれた」薛妃は言葉を切った。

     

「誤算は、私が白龍を愛してしまったこと。白龍は私が出会った中でも最も完璧な人間だった。頭がよくて、美男子で、武道の達人。まるで非情な部分は黒龍様と青龍様に吸い取られてしまったかのように、やさしい性格をしていた。普段は一日中デイトレーディングに精を出していた。一言で言って、あの人は天才だった。どんな連戦連勝トレーダーも、たまに損を出すことがある。だが白龍は、マーケットのささいな徴候から暴落の危険を察知するといつでもうまく売り抜けた。だけど青龍様の財産を、易々と数十倍、数百倍にしていった彼はコワくなったの。このまま自分の一挙手一投足が世界中の相場を動かすようになるのではないかと。実際、白龍が動いていると知られると、勝負を挑む者などおらず他のトレーダーたちが追従するようになった。そんなことが続くと仮眠を取るための特製の強い睡眠薬も、だんだん効かなくなっていった。すでにオーシャムに操られていた私は白龍をノイローゼにすることにした。彼の不安につけ込んで、いつか悪魔が目の前に現れてマーケットクラッシュの引き金を引かせるという暗示を与えた。選択の余地はなかった。命令をきかなければ、一族郎党皆殺しにすると組織からは言われていたから。しかし、オーシャムは『天罰を与えるもの』だった。愛する夫に妄想を与える妻が天罰を受けないはずがない。組織が送り込んだテレパスによって錯乱状態に陥った白龍は、家族を悪魔と思い込み、まずお前がお腹の中にいた私が殺された。さらに荒れ狂っていた彼は、青龍様の手によって葬られた。幽体離脱中にお前が無事生まれたことを見た私は、その後も霊体となってオーシャムに忠誠を誓うことにした。お前がいつか一族の呪いを晴らすというアポロノミカンの予言を知っていたから」
「それなら、おかあさん、眠眠をたちゅけて」普段と違う自分の声に気づくと、数才も若返っていた。
「助けてはあげる。でも、それはお前と闘うことでしかできないの。その様子では、私と闘えないほど若返ってしまうのも時間の問題ね」
「いったい、どういうこと?」
 薛妃が羊水から空中に舞い上がると、口の端がつり上った。
 そこにいたのは先ほどまでとは別人の、妖刀を抱えた鬼妃の姿だった。
 深紫色の艶やかな振り袖と裏腹に、その双眼は血走り爪は鋭く尖っている。


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第三部闘龍孔明篇 第8章−7 子宮へと届く扉

2018-11-26 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 これぞオーシャムの秘技ツイン・グリーンドア。
 一度扉を開ければ勝利しない限り、二度と出ることは叶わぬ禁断の技。
 彼女が「夢魔世界の掟破り」と糾弾された最大の理由がこれであった。
「いらっしゃいませ、お爺ちゃん、お嬢様、お姫様」オーシャムがメイド喫茶風に出迎える。
「今回は歓迎してくるのか? 女海賊の風体に似合わずサービスがよいの」
「もちろん大歓迎ですわ。『天罰を与えるもの』オーシャムと申します。これはコスプレでございます。ご友人を取り戻したければ、お爺ちゃん、お嬢ちゃん、お姫様の中から代表者を選んでくださいませ。もしも出てこられれば、負けを認めてなんなりとご希望通りにいたしますわ」
「よいであろう。夢魔の支配する夢で、そちらの土俵に乗ってみるのも一興」
「おじいちゃん、本当に大丈夫?」
「大丈夫も何も、ここまで来ておいてワンダーランドに行かぬなどあり得ない。お前が扉に入るがよい。儂とこのお姫様は高みの見物と行こう」
 眠眠は、ゆっくりと扉を開けて暗闇の中に入っていった。

     

 人は海の「生命の源」と呼ぶ。だが、子宮こそが真の「生命の源」。
 そこは生命が宿り、500万年前とも400万年前とも言われる人類の誕生の歴史を繰り返す魔法の場所。
 一歩踏み出した瞬間、眠眠は羊水に浸かっていた。それは、けっして不愉快ではなく、身を深く沈め眠りにつきたいと思わせるような感覚だった。
 一歩進む度に、陶酔感が脳天まで昇ってきた。
 恐怖心がなくなり、好奇心が満ちていく。
 水は冷たいようであたたかく、澄んでいるようで琥珀色にも見えた。
「この感覚におぼれてはダメよ。帰れなくなる」
 後ろからの声に気づくと、写真でしか見たことがない母薛妃の姿があった。
「おかあさん・・・・・・」
「眠眠、大きくなったわね」
「もう会えないと思っていた」
「いままでも会えたし、これからも会おうと思えばいつでも会うことはできる。あなたは夢魔の眷属だから」
「おじいちゃん、眠眠にはくわしく教えてくれない」
「黒龍様の妻、樹里のことは誰もよく知らない。ただ教えてあげられるのは、私がここでは敵だということ。オーシャムからは、やさしい母親を演じて夢に閉じ込めるよう命を受けた。でも、あなたは私を倒して出ていかなきゃ」
「やだ、やっとお母さんに会えたのに」
「時間がないの。羊水の湖にいればいるだけ、あなたは赤ん坊に戻っていく」しかたがないという風に続けた。「もうひとつ、あなたが闘いたくなるように教えてあげる。お父さんが亡くなったのは私のせい」
「何を言っているの!?」


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第三部闘龍孔明篇 第8章−6 眠眠対夢魔オーシャム

2018-11-23 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 バリ、バリ、バリ・・・・・・
 ファイナル・フロンティアに勝るとも劣らない音を立てて、竜巻がヒビキムを巻き込んでいく。だが、彼女が別世界に飛ばされることはなかった。
 眠眠が秘剣夢魔スレイヤーを振るってできた竜巻は、ドリームカリバーに向かっていったからだ。
 アアッ、シュリリス様、もうしわけございません。そんなつぶやきが眠眠の耳に届くこともなかった。引き裂かれたヒビキムの身体はドリームカリバーに吸い込まれ、魔剣が勝利の雄叫びを上げた。
 竜巻が去った精神世界には、茫然としたドルガの姿があった。

     

「お嬢ちゃん、正気に戻ったのかな?」
「ここはどこ? 私は誰?」ヒビキムの消滅によって偽りの記憶も消滅したが、本来の記憶はまだ回復していないようだった。
「まるで不思議の国のアリスじゃ。だが、ここは誰、私はどこと言い出さないうちは、まだ大丈夫。お主は、いままで夢魔に操られていたのじゃ」
「夢魔・・・操られていた・・・」
「儂等にはまだやることがある。一緒に付いてくるかの?」
 眠り込んだままのチャックは、しかたなく置き去りにすることにした。

 夢の中の「暴走しない核融合炉研究所」に三人は入り込んだ。
 パイレーツ風の衣装をまとって両手に剣を持った碧眼の「天罰を与えるもの」オーシャムが、すぐ気がつく。緑色の髪を逆立てると、つぶやいた。
 まあ、サマンザに、ヒビキムまで、やられちゃった! 
 年寄りに小娘と油断したかな。ここで何とかしなくちゃ。でも大丈夫、私から天罰を受けない人間なんていやしない。
 とりあえずビルは研究させておけばいいか。
 でも・・・・・・ン、ン、ン〜、何てこと! 
 悪魔姫がなんでビルの夢の中に入って来てるの?
 まあ、しかたがない。特別メニューでお相手するか。
オーシャムは、両手の剣をカチャカチャ鳴らすと、呪文を唱え始めた。

     二匹の龍と悪魔姫がハリネズミの夢に入る時
     夢魔の碧い隻眼が天罰の世界への扉を開く
 それらは喜びと悲しみと闘いの世界への扉
     子宮の中で、己の原点と出会い天国に行き
     地獄で極楽を知り、永遠の闘いの快楽に身を投じるがよい
     そして、苦しみにあふれたうつし世へ戻ることが忘れるがよい
     さめない夢ことまこと
     永久に続くまことのうつし世
 

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第三部からお読みになった方へ

2018-11-19 12:18:12 | 私が作家・芸術家・芸人

 財部剣人です! 前回のエピソードで悪魔姫ドルガが登場しましたが、もしかして「マーメイド・クロニクルズ」第二部魔女マクミラ篇の内容を忘れてしまった方や、第三部闘龍孔明篇から読み始めた方もいるかと思います。ドルガは、第二部のラスボスです(^0^)。

 第二部がお読みになりたい方は、どうぞ以下のリンクをクリックしてください。次回から、また第三部のエピソードに戻りたいと思います。

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「第二部 序章」

「第二部 第1章−1 ビックアップルの都市伝説」
「第二部 第1章−2 深夜のドライブ」
「第二部 第1章−3 子ども扱い」
「第二部 第1章−4 堕天使ダニエル」
「第二部 第1章−5 マクミラの仲間たち」
「第二部 第1章−6 ケネスからの電話」
「第二部 第1章−7 襲撃の目的」
「第二部 第1章−8 MIA」
「第二部 第1章−9 オン・ザ・ジョブ・トレーニング」

「第二部 第2章−1 神々の議論、再び!」
「第二部 第2章−2 四人の魔女たち」
「第二部 第2章−3 プル−トゥの提案」
「第二部 第2章−4 タンタロス・リデンプション」
「第二部 第2章−5 さらばタンタロス」
「第二部 第2章−6 アストロラーベの回想」
「第二部 第2章−7 裁かれるミスティラ」
「第二部 第2章−8 愛とは何か?」

「第二部 第3章−1 スカルラーベの回想」
「第二部 第3章−2 ローラの告白」
「第二部 第3章−3 閻魔帳」
「第二部 第3章−4 異母兄弟姉妹」
「第二部 第3章−5 ルールは変わる」
「第二部 第3章−6 トラブル・シューター」
「第二部 第3章−7 天界の議論」
「第二部 第3章−8 魔神スネール」
「第二部 第3章−9 金色の鷲」

「第二部 第4章−1 ミシガン山中」
「第二部 第4章−2 ポシー・コミタータス」
「第二部 第4章−3 不条理という条理」
「第二部 第4章−4 引き抜き」
「第二部 第4章−5 血の契りの儀式」
「第二部 第4章−6 神導書アポロノミカン」
「第二部 第4章−7 走れマクミラ」
「第二部 第4章−8 堕天使ダニエル生誕」
「第二部 第4章−9 四人の魔女、人間界へ」

「第二部 第5章−1 ナオミの憂鬱」
「第二部 第5章−2 全米ディベート選手権」
「第二部 第5章−3 トーミ」
「第二部 第5章−4 アイ・ディド・ナッシング」
「第二部 第5章−5 保守派とリベラル派の前提条件」
「第二部 第5章−6 保守派の言い分」
「第二部 第5章−7 データのマジック」
「第二部 第5章−8 何が善と悪を決めるのか」
「第二部 第5章−9 ユートピアとエデンの園」

「第二部 第6章−1 魔女軍団、ゾンビ−ランド襲来!」
「第二部 第6章−2 ミリタリー・アーティフィシャル・インテリジェンス(MAI)」
「第二部 第6章−3 リギスの唄」
「第二部 第6章−4 トリックスターのさかさまジョージ」
「第二部 第6章−5 マクミラ不眠不休で学習する」
「第二部 第6章−6 ジェフの語るパフォーマンス研究」
「第二部 第6章−7 支配する側とされる側」
「第二部 第6章−8 プルートゥ、再降臨」
「第二部 第6章−9 アストロラーベ、スカルラーベ、ミスティラ」
「第二部 第6章ー10 さかさまジョージからのファックス」

「第二部 第7章ー1 イヤー・オブ・ブリザード」
「第二部 第7章ー2 3年目のシーズン」
「第二部 第7章ー3 決勝ラウンド」
「第二部 第7章ー4 再会」
「第二部 第7章ー5 もうひとつの再会」
「第二部 第7章ー6 夏海と魔神スネール」
「第二部 第7章ー7 夏海の願い」
「第二部 第7章ー8 夏海とケネス」
「第二部 第7章ー9 男と女の勘違い」

「第二部 第8章ー1 魔女たちの二十四時」
「第二部 第8章ー2 レッスン会場の魔女たち」
「第二部 第8章ー3 ベリーダンスの歴史」
「第二部 第8章ー4 トミー、託児所を抜け出す」
「第二部 第8章ー5 ドルガとトミー」
「第二部 第8章ー6 キャストたち」
「第二部 第8章ー7 絡み合う運命」
「第二部 第8章ー8 格差社会−−上位1%とその他99%」
「第二部 第8章ー9 政治とは何か?」
「第二部 第8章ー10 民主主義という悲劇」

「第二部 第9章ー1 パフォーマンス開演迫る」
「第二部 第9章ー2 パフォーマンス・フェスティバル開幕!」
「第二部 第9章ー3 太陽神と月の女神登場!」
「第二部 第9章ー4 奇妙な剣舞」
「第二部 第9章ー5 何かが変だ?」
「第二部 第9章ー6 回り舞台」
「第二部 第9章ー7 魔女たちの正体」
「第二部 第9章ー8 マクミラたちの作戦」
「第二部 第9章ー9 健忘症の堕天使」

「第二部 第10章ー1 魔女たちの目的」
「第二部 第10章ー2 人類は善か、悪か?」
「第二部 第10章ー3 軍師アストロラーベの策略」
「第二部 第10章ー4 メギリヌ対ナオミと・・・・・・」
「第二部 第10章ー5 最初の部屋」
「第二部 第10章ー6 ペンタグラム」
「第二部 第10章ー7 ナオミの復活」
「第二部 第10章ー8 返り討ち」
「第二部 第10章ー9 最悪の組み合わせ?」

「第二部 第11章ー1 鬼神シンガパウム」
「第二部 第11章ー2 氷天使メギリヌの告白」
「第二部 第11章ー3 最後の闘いの決着」
「第二部 第11章ー4 氷と水」
「第二部 第11章ー5 第二の部屋」
「第二部 第11章ー6 不死身の蛇姫ライム」
「第二部 第11章ー7 蛇姫ライムの告白」
「第二部 第11章ー8 さあ、奴らの罪を数えろ!」
「第二部 第11章ー9 ライムの受けた呪い」

「第二部 第12章ー1 ライムとスカルラーベの闘いの果て」
「第二部 第12章ー2 責任の神の娘」
「第二部 第12章ー3 リギスの戯れ唄」
「第二部 第12章ー4 唄にのせた真実」
「第二部 第12章ー5 アストロラーベの回想」
「第二部 第12章ー6 勝負開始」
「第二部 第12章ー7 逆襲、アストロラーベ!」
「第二部 第12章ー8 スーパー・バックドラフト」
「第二部 第12章ー9 さかさまジョージの魔術」

「第二部 最終章ー1 魔神スネール再臨」
「第二部 最終章ー2 ドルガのチョイスはトラジック?」
「第二部 最終章ー3 ナインライヴス」
「第二部 最終章ー4 ドルガの告白」
「第二部 最終章ー5 分離するダニエル」
「第二部 最終章ー6 ドルガの回想」
「第二部 最終章ー7 ドルガの提案」
「第二部 最終章ー8 ドルガの約束」
「第二部 最終章ー9 ドルガの最後?」

「第二部 エピローグ 神官マクミラの告白」

 第一部人魚ナオミ篇がお読みになりたい方は、以下のリンクをクリックしてください。

  

「第一部 神々がダイスを振る刻」をお読みになりたい方へ

第三部闘龍孔明篇 第8章−5 悪魔姫ドルガ、降臨!

2018-11-19 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 青龍の言葉を聞いたとたん、眠眠に姿形が醜い故に忌み嫌われ、モンスター扱いされる彼らの悲しみが伝わってきた。
 夢魔の技に囚われていただけで、何の怨みがあるわけではなかったのだ。
 眠眠の目から、涙が一粒こぼれた。モンスターたちの動きが止まった。
 誰も分かってくれない悲しみを分かってくれる存在に出会った感動が、彼らにこみ上げた。モンスターたちは、ヒビキムに攻撃をしかけ始めた。
 まあ、なんてこと。タトゥーにしてやった恩も忘れて!ヒビキムは、夜叉の表情になるとモンスターたちを爪で切り裂いてしまった。
「なんてことをするの、自分の仲間を!」
「仲間などではない。手下のくせに逆らうとは許せない。モンスターたちには頼らない。今度こそ、本物の怪物に会うがよい。カモン・ダウン、悪魔姫!」
 最初は、深層世界の入り口に開いた小さな点に見えた。だんだん近づくにつれて、それは一羽の巨大なチョウに見えた。
 嵐の吹き荒れる部屋での闘いで、命を絶ったはずの「爆破するもの」悪魔姫ドルガであった。翼竜の羽の羽ばたきの度に小さい竜巻が起こる。

     

「眠眠よ、心して闘うがよい。この相手は桁違いの強さじゃ」
 四人の夢魔は、女王シュリリスの命を受けて、精神世界で復活したが記憶を失いさまよっていたドルガを発見した。「操るもの」ヒビキムは、悪魔姫に偽りの記憶を与えることで傭兵として使役していた。
「さあ、ドルガよ。お前の技を見せてやるがよい」
 ドルガが、翼の羽ばたきを強めていく度に起きる竜巻も、大きくなっていく。それにつれて、ドルガもだんだん巨大化していく。ドルガの目が輝いた瞬間、翼から自ら意志を持ったかのように荒れ狂う竜巻が眠眠を襲った。
 バリ、バリ、バリ・・・・・・ドリルのような音を立てて竜巻が爆発すると、眠眠が巻き込まれて異次元空間に飛んでいってしまう。冥界最強技の一つとおそれられたドルガのファイナル・フロンティアであった。消え失せた眠眠がどこにいくかは、ドルガ自身にも分からない。
 一つだけ分かっているのは、彼女がもう二度とこの世界に戻ってくることはないはずだった。しかし、天空に黄金の裂け目が現れた。光り輝く裂け目から、艶やかな天女姿から、黒い網笠をかぶった黒装束の女戦士に進化した眠眠が飛び出してきた。左手で魔剣ドリームカリバーの柄を、右手で鞘を掴んでいる。
「眠眠は夢魔の血を引いているんだ。うつし世こそまこと!」
 グルグル身体を回転させながら魔剣を振り回すと、竜巻には竜巻とばかりに秘剣レインボートルネードを振るった。


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第三部闘龍孔明篇 第8章−4 眠眠対夢魔ヒビキム

2018-11-16 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 眠眠はドリームカリバーを青竜刀の要領で振り回すと、渦巻きを生み出した。それはだんだんチャックが立っていられないほどの大きさになった。
 勢いをつけると眠眠はドリームカリバーを切り下ろした。七色の虹が広がり、すべてが一変した。可憐な娘は、紫色の羽を広げて99のタトゥーをまとった「操るもの」である夢魔ヒビキムに戻った。
 真の姿を見て、チャックは茫然としている。
「チャック、一緒に闘って!」
 眠眠が声をかけるのと、ヒビキムがハートのタトゥーをチャックに投げるのが同時だった。タトゥーを顔面に受けたチャックは、ばったり倒れ込んだ。
「シリウスには淫夢を見ながら眠っておいてもらう。お嬢ちゃん、私のタトゥー・クオンダリーで楽しんでもらうわ」
「夢魔のお嬢ちゃん、何の用だね?」
 サマンザはここで返事をしてしまったが、ヒビキムは薔薇のタトゥーの棘を引き抜くと青龍の首に突き刺した。
 思わず青龍がうめき声を漏らす。
「おあいにく様。夢魔の意識は深層心理でつながっている。あなたのやり口は、サマンザが深層心理の底に落ちて行く時、教わっていたの」
「おじいちゃん。すぐ助けるから、ちょっと待ってて」
「大口を叩くのも、今の内。見せてやろう、タトゥー・クオンダリー!」
 ヒビキムがタトゥーを次々と実体化させていく。
 右腕のタトゥーから巨大な吸血コウモリ。
 左腕のタトゥーから巨大な毒蜘蛛タランチュラ。
 右足のタトゥーから巨大な雪男。
 左足のタトゥーから巨大な悪蛇。
 右太もものタトゥーから巨大なナメクジ。
 左太もものタトゥーから巨大な毒蛾。
 最後に、ヒップのタトゥーからフランケンシュタインの怪物。
 眠眠は無意識の内に、闘い方を身に付けていた。夢では、恐怖に囚われればより相手の力が増し、逆に闘志を持っていれば相手は矮小化される。
 吸血コウモリの周囲には、暗闇が湧き出てくる。
 毒蜘蛛タランチュラの周囲には、蜘蛛の糸がだんだんと広がっていく。
 雪男の周囲には、吹雪が吹き始める。
 悪蛇の周囲には、ヒンヤリとした空気が満ち始める。
 ナメクジの周囲には、じめじめした空気が満ち始める。
 毒蛾の周囲には、鱗粉が漂い始める。
 フランケンシュタインの怪物だけは、ただゆっくり身体を不気味に揺すりながら近づいてくる。
 これだけのモンスターに襲われたら、普通の神経の持ち主なら心臓が止まりそうになってもおかしくない。
 その時、青龍が絞り出すように言った。「うつし世は夢。よるの夢こそまこと。夢魔の世界を垣間見ることを許された、江戸川乱歩という作家の言葉じゃ。だがお前にとっては、よるの夢こそうつし世。うつし世こそまこと」

          

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第三部闘龍孔明篇 第8章−3 天使たちの夢に潜り込む

2018-11-12 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「時間ならくさるほどあったと言ったであろう。名付けて、反転ミラージュ!」
 サマンザと入れ替わりに、包帯が解けた眠眠は天女のような服をまとった美少女に変身していた。芋虫がサナギを経て美しい蝶になっていくように闘いを通じて眠眠は進化した。
「我が孫ながらなんと美しい」
「今日は助けてもらった御礼に女装してあげる」
「さあ、夢魔スレイヤーを使うのじゃ!」
「言われなくたって、眠眠そのつもり」
 眠眠が再び気合いを込める。闇の世界に黄金色の光が満ちる。
 切り下ろすとサマンザの身体を切り裂き、ドリームカリバーに吸い込まれ、魔剣が勝利の雄叫びを上げた。秘剣夢魔スレーヤーだった。
 一匹屠る度、エネルギーを取り込んでより力が強くなる。
「沈めた夢魔は一匹だけじゃ。呪いを解くには、まだ四匹残っているぞ」
「眠眠も血筋を引いてるんだから、『一匹』とか動物みたいな数え方止めてよ」
「すまん。すまん。お前はやさしい娘じゃ」
 青龍は青い龍、眠眠は赤い龍に変身して、無意識の底から夢の上層部へ向かって泳ぎだした。

     

 チャックの夢に潜り込んだ二人に、ヒビキムはすぐ気づいた。
 ご老人と孫がやってきたってことは、サマンザが倒されたってことね。
 管理能力を買われてリーダーやっていただけだから、しかたないか。ここは、私の戦闘能力を発揮と行きましょう。
 かわいい顔に似合わないセクシーボイスでヒビキムが囁く。「チャック、青い龍と赤い龍が近づいてくる。コワいわ」
 いいカッコをしようと、チャックが答える。「心配するな。龍の一匹や二匹、俺がやっつけてやる」
 夢の世界は夢魔の天下。二人は、夢の中では目を血走らせ口から火を吐きながら襲ってくる悪龍にされていた。彼は、天界の光の軍団長「光り輝くもの」シリウス時代の銀狼の姿に戻って、二人を待ち構えた。
 宙に浮かんだまま、青龍が眠眠に話しかけた。
「これは険呑。銀狼が待ち構えておる」
「大丈夫。チャックのレインボースクラッチなら防ぐ自信がある」
「おそらくドリームカリバーは通用せぬぞ」
「眠眠、考えがある」
「ほう、ではやってみるがよい」


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第三部闘龍孔明篇 第8章−2 十八般の第二の武器対ドリームカリバー

2018-11-09 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人



「どれだけ抵抗力のあるものでも、7つすべてに対応できるものなどいない。美女たちの波状攻撃を受けて死んでいくがよい」
「踊り回るもの」サマンザはすでに勝利を確信して、サキュバス一族に伝わる官能的な踊りの世界に入り込んでいる。
 黒龍拳を使っても、サマンザの髪の化身たちは叩かれても噛みつかれても、馬を操って柳に風と受け流してしまう。しまつの悪いことに美女たちの攻撃は、とびっきりの快感を伴うため青龍は恍惚感に囚われ始めていた。
 もはやこれまでと青龍が絶望しかけた時、ボロボロの包帯姿の眠眠が立ち上がった。「やられっぱなしじゃ終わらないぞ。秘剣、夢魔スレイヤー!」
「何! まさか?」
 眠眠がオラ〜とかけ声を発し、ドリームカリバーに気合いを込めた。

     

 闇の世界に黄金色の光が満ち始める。肩越しに振りかぶり一気に切り下ろす。黄金の光が七色の虹を切り裂き、サマンザと配下の7人の美女も一巻の終わりと思われた。
 光がおさまった空間に、サマンザだけが浮かんでいた。服はボロボロだが、化身たちが盾になって本体の消滅だけは免れたようだった。
「あぶないところであった・・・・・・」
「もう守ってくれる美女たちはいないよ。次の一撃はかわせないぞ」
「ここまでは油断させていたのだ。十八般の第二の武器、弩を意識的に抜いていたことに気づかぬとはおめでたい」サマンザの操る武具の先で、青銅の魔神兵がうごめいている。
 弩は機械仕掛けで石や矢を発射する武器だが、夢魔は恐怖を発射することで相手の魂を抜く。夢で死を迎えると、目覚めても自分が死んだと思い込んで昏睡状態になる。「夢魔の弩は、相手を深層心理の奥底にまで突き落とす。さあ、これを喰らうがよい!」
 魔神兵が発射された。鋭い爪に捕まれた眠眠は、そのまま深層心理の闇に向かって落ちていくはずだった。だが、魔神兵の爪に捕まれて血を流していたのはサマンザ自身であった。
「な、なぜ我が!?」
 いつの間にか老人姿に戻った青龍が、不敵に笑う。「孫のためなら何でもする。悪鬼にも悪龍にもよろこんでなろうではないか。最初にのぞき込んだ時に、鏡の中に落ちこんだのに気がつかなかったようじゃな」
「何?」大量の血がサマンザの口からこぼれた。


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第三部闘龍孔明篇 第8章−1 黒龍対七色の神の化身たち

2018-11-05 08:58:49 | 私が作家・芸術家・芸人

 巨大な猿が姿を現した。気づいた時には、ガッチリ両手を捕まれて身動きが出来ない。毒蛇まで、いつのまにか身体に絡みついている。
 こんなのズルいよ。おじいちゃん、お兄ちゃん、助けて!
 眠眠の後ろから声が聞こえた。「大分、苦戦しておるの」
「おじいちゃん、遅すぎ!」
「勝手に相手の誘いに乗り闇の中に飛び込んでおいて、ご挨拶じゃな」
「そんなことより早く助けて!」
「よいじゃろう。究極の象形拳、我が黒龍拳を見るがよい」

     

 その名を聞いた瞬間、なぜか眠眠は寒気を覚えた。
 青龍は、両手を上方に向けて気合いをかけた。
 一瞬にして、彼は巨大な海龍となった。
 幻視中では、見事なたてがみ、背びれ、鱗を持つ龍になっていた。
 落ち着きを称えたブラウンの瞳とは裏腹に数本の角と爪はするどくとがり、掌中には龍の王族が持つ御霊があった。
 これこそ『凶風』と呼ばれ畏れられた彼の父黒龍の姿であった。深層世界の闇をゆうゆうと移動すると、次々と猿を、毒蛇をするどい爪で切り裂いた。
 慣れない龍の口を使って、青龍が言葉を話した。
「出てくるがよい、サマンザ。もはやお前に勝機はない」
 腕組みをしていたサマンザの七色の髪が、四方八方に逆立った。
「年寄りと甘く見ていたら、お主も夢魔の血筋を引くものであったか? それならそれで闘い方がある」
 元々黒目がちな瞳が広がり、サマンザの目が真っ黒になった。
 七色の髪が青竜刀を持ち、前足が車輪になった馬に乗った7人の美女に生まれ変わり、黒龍と化した青龍を取り囲んだ。
「サマンザとその配下のメリーゴーランドの舞を見せてやろう!」

 赤い美女は、馬の上でクルクル回りながら黒龍を切りつけた。
 青い美女は、馬の受けからブーメランのように刀を投げつけて来た。
 黄色い美女は、馬を近づけて袈裟懸けに刀を使って攻撃してきた。
 紫の美女は、馬を近づけて二刀流の刀を使って切りつけた。
 橙の美女の刀は、馬が飛び上がる度に火を噴いた。
 緑の美女の刀は、馬が飛び上がる度に冷気を発した。
 藍色の美女の刀は、馬が取り上がる度に電撃を発した。


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第三部闘龍孔明篇 序章と第1〜7章のバックナンバー

2018-11-02 15:31:47 | 私が作家・芸術家・芸人

 財部剣人です! 第7章のネタは、アメリカ中間選挙にもちょっと関連した内容になっています。

 ちょっと悲しいお知らせがあります。私がこのブログを立ち上げたちょうど9年前からお世話になっていたランキングサイト blogram が2018年10月31日でサービスを終了されました。キーワードでランキングをしてくれるユニークなシステムにずいぶん励まされました。この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。これまでありがとうございました。 #ホラー、#ファンタジー、#ディベート、#アメリカ中間選挙

「第三部闘龍孔明篇 序章」

「第1章−1 茨城のパワースポット・トライアングル」
「第1章−2 チャイニーズフリーメーソン 洪門」
「第1章−3 「海底」の秘密」
「第1章−4 アポロノミカンの予言
「第1章ー5 太古の龍」 
「第1章-6 神獣たちの闘い」
「第1章-7 龍神対孔明」
「第1章-8  龍が再び眠る時」
「第1章-9 精神世界へ紛れ込む魔性たち」

「第2章−1 四次元空間エリュシオンのゆがみ」
「第2章−2 3つの鏡」
「第2章−3 ヤヌスの鏡と3人の魔王」
「第2章−4 ゲームは変わる」
「第2章−5 パンドラの筺は二度開く」
「第2章−6 魔界の気まぐれ」
「第2章−7 ヤヌスの鏡を閉じる」
「第2章−8 冥界の会議」

「第3章−1 絶対悪」
「第3章− 2 ヴラド・”ドラクール”・ツェペシュの名」
「第3章−3 パラケルススの名」
「第3章−4 神導書アポロノミカン」
「第3章−5 ヴラドとラドウ」
「第3章−6 ヴラド・”ドラクール”・ツェペシュの誕生」
「第3章−7 地獄によって地獄を救う」
「第3章−8 血の契りの儀式」
「第3章−9 エリザードの誕生」

「第4章−1 エリザードの愛と死」
「第4章−2 エリザードの野望」
「第4章−3 愛ゆえに」
「第4章−4 "ドラクール"対エリザード」
「第4章−5 冥主プルートゥの決定」
「第4章−6 ドラクールの願い」
「第4章−7 海神界の議論」
「第4章−8 王子トリトンの決意」

「第5章−1 ナオミの夢」
「第5章−2 ナオミの誕生日」
「第5章−3 ディベートの審査哲学」
「第5章−4 ディベートの審査哲学に関する論争」
「第5章−5 宇宙開発を巡るディベート」
「第5章−6 『地球外知的生物探索』というプラン」
「第5章−7 なぜディベートの試合で勝てないんでしょう?」
「第5章−8 利益と不利益の比較」
「第5章−9 奇跡的リバタルの秘密」

「第6章−1 孔明たちへの襲撃」
「第6章−2 夢の続き」
「第6章−3 青龍と夢魔サマンザ」
「第6章−4 眠眠の夢」
「第6章−5 眠眠の戦い」
「第6章−6 三重の呪い」
「第6章−7 夢魔樹里の決断」
「第6章−8 孔明と眠眠」
「第6章−9 覚醒しながら眠り、眠りながら覚醒する娘」
「第6章−10 深層世界に入る」

「第7章−1 マクミラの不安」
「第7章−2 振り子の原理」
「第7章−3 アウトサイダー」
「第7章−4 アメリカの悪夢」
「第7章−5 冥界の神々降臨」
「第7章−6 輪廻の蛇ウロボロス」
「第7章−7 逃げ出した魔性と魔獣たち」
「第7章−8 魔神スネールの告白」
「第7章−9 ダニエルの復活?」
「第7章−10 ヒエラポリス神殿」


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「第一部 神々がダイスを振る刻」をお読みになりたい方へ

「第二部 序章」

「第二部 第1章−1 ビックアップルの都市伝説」
「第二部 第1章−2 深夜のドライブ」
「第二部 第1章−3 子ども扱い」
「第二部 第1章−4 堕天使ダニエル」
「第二部 第1章−5 マクミラの仲間たち」
「第二部 第1章−6 ケネスからの電話」
「第二部 第1章−7 襲撃の目的」
「第二部 第1章−8 MIA」
「第二部 第1章−9 オン・ザ・ジョブ・トレーニング」

「第二部 第2章−1 神々の議論、再び!」
「第二部 第2章−2 四人の魔女たち」
「第二部 第2章−3 プル−トゥの提案」
「第二部 第2章−4 タンタロス・リデンプション」
「第二部 第2章−5 さらばタンタロス」
「第二部 第2章−6 アストロラーベの回想」
「第二部 第2章−7 裁かれるミスティラ」
「第二部 第2章−8 愛とは何か?」

「第二部 第3章−1 スカルラーベの回想」
「第二部 第3章−2 ローラの告白」
「第二部 第3章−3 閻魔帳」
「第二部 第3章−4 異母兄弟姉妹」
「第二部 第3章−5 ルールは変わる」
「第二部 第3章−6 トラブル・シューター」
「第二部 第3章−7 天界の議論」
「第二部 第3章−8 魔神スネール」
「第二部 第3章−9 金色の鷲」

「第二部 第4章−1 ミシガン山中」
「第二部 第4章−2 ポシー・コミタータス」
「第二部 第4章−3 不条理という条理」
「第二部 第4章−4 引き抜き」
「第二部 第4章−5 血の契りの儀式」
「第二部 第4章−6 神導書アポロノミカン」
「第二部 第4章−7 走れマクミラ」
「第二部 第4章−8 堕天使ダニエル生誕」
「第二部 第4章−9 四人の魔女、人間界へ」

「第二部 第5章−1 ナオミの憂鬱」
「第二部 第5章−2 全米ディベート選手権」
「第二部 第5章−3 トーミ」
「第二部 第5章−4 アイ・ディド・ナッシング」
「第二部 第5章−5 保守派とリベラル派の前提条件」
「第二部 第5章−6 保守派の言い分」
「第二部 第5章−7 データのマジック」
「第二部 第5章−8 何が善と悪を決めるのか」
「第二部 第5章−9 ユートピアとエデンの園」

「第二部 第6章−1 魔女軍団、ゾンビ−ランド襲来!」
「第二部 第6章−2 ミリタリー・アーティフィシャル・インテリジェンス(MAI)」
「第二部 第6章−3 リギスの唄」
「第二部 第6章−4 トリックスターのさかさまジョージ」
「第二部 第6章−5 マクミラ不眠不休で学習する」
「第二部 第6章−6 ジェフの語るパフォーマンス研究」
「第二部 第6章−7 支配する側とされる側」
「第二部 第6章−8 プルートゥ、再降臨」
「第二部 第6章−9 アストロラーベ、スカルラーベ、ミスティラ」
「第二部 第6章ー10 さかさまジョージからのファックス」

「第二部 第7章ー1 イヤー・オブ・ブリザード」
「第二部 第7章ー2 3年目のシーズン」
「第二部 第7章ー3 決勝ラウンド」
「第二部 第7章ー4 再会」
「第二部 第7章ー5 もうひとつの再会」
「第二部 第7章ー6 夏海と魔神スネール」
「第二部 第7章ー7 夏海の願い」
「第二部 第7章ー8 夏海とケネス」
「第二部 第7章ー9 男と女の勘違い」

「第二部 第8章ー1 魔女たちの二十四時」
「第二部 第8章ー2 レッスン会場の魔女たち」
「第二部 第8章ー3 ベリーダンスの歴史」
「第二部 第8章ー4 トミー、託児所を抜け出す」
「第二部 第8章ー5 ドルガとトミー」
「第二部 第8章ー6 キャストたち」
「第二部 第8章ー7 絡み合う運命」
「第二部 第8章ー8 格差社会−−上位1%とその他99%」
「第二部 第8章ー9 政治とは何か?」
「第二部 第8章ー10 民主主義という悲劇」

「第二部 第9章ー1 パフォーマンス開演迫る」
「第二部 第9章ー2 パフォーマンス・フェスティバル開幕!」
「第二部 第9章ー3 太陽神と月の女神登場!」
「第二部 第9章ー4 奇妙な剣舞」
「第二部 第9章ー5 何かが変だ?」
「第二部 第9章ー6 回り舞台」
「第二部 第9章ー7 魔女たちの正体」
「第二部 第9章ー8 マクミラたちの作戦」
「第二部 第9章ー9 健忘症の堕天使」

「第二部 第10章ー1 魔女たちの目的」
「第二部 第10章ー2 人類は善か、悪か?」
「第二部 第10章ー3 軍師アストロラーベの策略」
「第二部 第10章ー4 メギリヌ対ナオミと・・・・・・」
「第二部 第10章ー5 最初の部屋」
「第二部 第10章ー6 ペンタグラム」
「第二部 第10章ー7 ナオミの復活」
「第二部 第10章ー8 返り討ち」
「第二部 第10章ー9 最悪の組み合わせ?」

「第二部 第11章ー1 鬼神シンガパウム」
「第二部 第11章ー2 氷天使メギリヌの告白」
「第二部 第11章ー3 最後の闘いの決着」
「第二部 第11章ー4 氷と水」
「第二部 第11章ー5 第二の部屋」
「第二部 第11章ー6 不死身の蛇姫ライム」
「第二部 第11章ー7 蛇姫ライムの告白」
「第二部 第11章ー8 さあ、奴らの罪を数えろ!」
「第二部 第11章ー9 ライムの受けた呪い」

「第二部 第12章ー1 ライムとスカルラーベの闘いの果て」
「第二部 第12章ー2 責任の神の娘」
「第二部 第12章ー3 リギスの戯れ唄」
「第二部 第12章ー4 唄にのせた真実」
「第二部 第12章ー5 アストロラーベの回想」
「第二部 第12章ー6 勝負開始」
「第二部 第12章ー7 逆襲、アストロラーベ!」
「第二部 第12章ー8 スーパー・バックドラフト」
「第二部 第12章ー9 さかさまジョージの魔術」

「第二部 最終章ー1 魔神スネール再臨」
「第二部 最終章ー2 ドルガのチョイスはトラジック?」
「第二部 最終章ー3 ナインライヴス」
「第二部 最終章ー4 ドルガの告白」
「第二部 最終章ー5 分離するダニエル」
「第二部 最終章ー6 ドルガの回想」
「第二部 最終章ー7 ドルガの提案」
「第二部 最終章ー8 ドルガの約束」
「第二部 最終章ー9 ドルガの最後?」

「第二部 エピローグ 神官マクミラの告白」