「その通り。リベラルな人々は、大きな政府という基準で政策評価をする傾向がある。変化の原則に基づいて、言論、思想及び公的自由の保障を期待する。個人の選択、ライフスタイル、解放の目的に対しても、合憲文書の拡大解釈が社会に行き渡り適応することが必要と考えている。たとえば、リベラルな人々が同性愛者の結婚に対する権利を尊重するのは、税制上の優遇や遺産相続に関して不利にならないような配慮が時代の要請であると考えるためよ」
「故なき差別に苦しんでいる同性愛者に、異性愛者と同様の権利が保証されることに何の問題があるんですか?」
「同性婚の対応に関して、保守派は結婚を異性間においてのみ認められた神聖なる儀式と考えて、伝統的なモラルを破滅させるような同性婚は権利ではなく特権であり社会的脅威として捉えているわ」
「シビルユニオンのような正式な結婚に準じた資格を与える妥協で済ますにしても、リベラル派の『大きな政府』という考えに何の問題があるんですか? 大きな政府による恵まれていない人たちへのセイフティネットを提供は必要じゃないですか」
「保守派は自助努力(self-help)の精神を信じているわ。『天は自ら助くる者を助く』を知っているでしょう。逆に言えば、貧しい人たちが貧しいのは、努力不足による自業自得ということになるわ。すでに現行税率が高いと考えている人々は、大きな政府によって自分たち税金が貧しい人やがんばらない人に使われることにがまんならないのよ」ナンシーは続けた。「そうした人たちの信奉する保守的な前提条件下では、信念として『永続性』が最善の方向性として熱望されるの。たとえば、伝統的な家族観といった精神だわ。だけど、変化も時に考慮が必要と考えられる。永続性が好まれる理由は、本来、人間は利他的や善ではないため知識は時代の研鑽と個人的達成の試練を経なければならず、政府は権力の乱用や民間活動へ侵害を防ぐ消極的な役割を担っていると考えるの。目指すべきは小さな政府というわけ」
「今度は、性悪説ですね?」
「その通り。システム制御や問題解決を工学的な方法でおこなう試みはうまく行かずに、かえって法律に対する軽視を引き起こすと信じられているわ。永続性の原則に対して、市民の不服従が発現する状況では、体制内部と外部からの脅威に対する力には力の応対が期待される。政府の過剰な関与を削減する変化だけが、基本的自由を復興するために例外的に容認されるの」
「どちらの立場を取るかによって、同じ政策の評価が真っ二つに意見が分かれるわけですね。国全体では保守派とリベラル派の比率は、どれくらいになるのですか?」
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