シリア騒乱と修羅の世界情勢

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米の対イラン政策、協調に尻込みの原油購入国

2018年07月11日 | シリア

 

米の対イラン政策、協調に尻込みの原油購入国

同盟諸国の支持弱く、インド・中国の動きに注目

イランから出港するオイルタンカー(3月23日) ALI MOHAMMADI/BLOOMBERG NEWS
 
 


By
Bill Spindle and Anant Vijay Kala
2018 年 6 月 11 日 10:50 JST
 ドナルド・トランプ米政権は、イラン核合意からの離脱を受けて、同国に経済的圧力を掛ける政策に取り組み始めている。それが奏功するかどうかは、米国の姿勢に極めて懐疑的な国々の対応にかかっている。だが、これら各国のアナリストや当局者によれば、米国に対する反発が生まれており、イランに対する圧力政策の重要な要素が損なわれる可能性がある。それは、イラン産原油の輸入削減である。

 イラン核合意は、イランが核開発プログラムを抑制する見返りとして、同国と国際社会との経済・金融関係を復活させる取り決めのことで、バラク・オバマ前米政権が主導してイランと主要6カ国との間でまとまった。欧州連合(EU)や中国などは、トランプ政権が米国の離脱を決定したことに反発し、核合意の維持を図ろうとしている。

 オバマ前政権がイランに核合意を受け入れさせるために、同国経済に打撃を与える重要な手段として使ったのが原油販売だった。イランは、同国産原油の顧客が相次いで購入量を削減したことから、核交渉のテーブルに着いた。

 欧州各国は自ら進んで買い付けを抑制し、日韓は米国の圧力を受け輸入を削減した。インドは米国の対イラン制裁を合法的なものと認めなかったものの、米国の怒りを抑えるため購入を自粛した。当時も今もイラン産原油の最大の輸出先である中国でさえ、米国の一方的制裁を非難しつつ、イランからの原油購入を抑えた。

 そうしたシナリオを再現するのは難しそうだ。「米国はある程度の削減を実現できそうだが、全面的な削減は手にできないだろう」と、オバマ政権時代に対イラン制裁の実施に当たった元国務省当局者で、現在コロンビア大学グローバル・エネルギー政策センターのリチャード・ネヒュー研究員は語る。「当時われわれは、欧州やインドに叫び声をあげ、彼らを制裁する可能性があるとまで警告した」

 トランプ政権当局者は、オバマ前政権と同じアプローチをとると表明している。すなわち、イラン産原油の購入国に対し自主的に中止するか、少なくとも削減するよう要請するとともに、イランと取引する企業に対しては、米国市場への参入や米国金融機関との取引を拒否すると脅しを掛けることだ。トランプ政権は前政権と同様に、各国企業に対し原油輸入の自主的削減に6カ月間の猶予期間を設定している。

 だが、前回の制裁時と違って、イラン産原油の購入国は一様に米国の目標に反対しており、輸入削減要求への対応を遅らせたり、抵抗したり、あるいは全く受け付けない公算が大きい、と購入国のアナリストや当局者は述べている。イラン原油を大量に輸入しているEU内の米同盟国でさえ、イランが米国抜きの核合意に残留することを望んでいる。イランは核合意への残留について、原油売買が妨害されずに続けられる場合に限り、可能だと述べている。


 イランはさしあたり核合意に残留し続ける姿勢をみせている。だが仮に、イランが最終的に合意を放棄し、核開発プログラム再開の決断を下した場合には、米国の対イラン制裁に抵抗している国のなかで、米国に再度緊密に協力する国が出てくる可能性があるだろう。


 アナリストや当局者たちは、今の状況が前回の制裁当時とかなり違って見えると指摘する。米国が(対イラン制裁に従わない)企業を米国市場から締め出す恐れは残っているものの、トランプ政権はこれまでのところ、イラン産原油のどの購入国からも、積極的な制裁支持あるいは表立った協力を得ていない。米国の核合意離脱を断念させようと試みていたEU諸国政府は、イラン産原油の購入を削減する予定がないと述べており、当局者は購入削減を回避したいと非公式に話している。

 それでも、イラン産原油を購入する欧州企業は、米国市場に依存しているため、米国の圧力を受けて購入を減らすとみられている。だが、そのスピードは前回よりずっと遅くなるだろう。世界最大級の石油輸送会社の1つであるマースク・タンカーズは先月、イラン産原油の輸送を引き受けないことと、既存顧客からの受注を段階的に縮小することを明らかにした。仏石油大手のトタルは、イランの天然ガス田への投資を中止したと発表した。アナリストらによると、日本や韓国といった他の米同盟国の企業も、トランプ政権の要求にしぶしぶ応じる公算が大きいという。

インドと中国は購入を増やすか

 しかし、米同盟国によるこうした後ろ向きの姿勢が、イランにとっての2大顧客、つまり中国とインドに対するトランプ政権の働きかけを妨げる可能性がある。観測筋の一部は、中国とインドのどちらかないし両方がイラン産原油の購入を増やす可能性があるとみている。価格が割安になればなおさらだ。

 中国は4月に日量67万1000バレルのイラン産原油を購入した。インドは同60万4000バレルを輸入した。石油業界専門のコンサルティング会社Kplerによると、この2カ国が購入したイラン産原油は全体の60%を占めている。両国の購入量は、この2カ国の次に多い日本と韓国の合計購入量の2倍以上となっている。

 前回の制裁時に、インドは米国の石油制裁を認めるのを拒否したものの、イランからの輸入量を最終的に約20%削減した。オバマ政権(当時)からの制裁を避けるのに十分な比率だった。インド政府は最近、米国の一方的な対イラン制裁を認めないと繰り返し述べている。

 しかし、前回の制裁時のように、インドが今回も米国の要求にひそかに従うのは、はるかに厄介だろう。インドは原油輸入に大きく依存している国で、ガソリンスタンドでの価格統制を撤廃しているため、ガソリンなど石油価格上昇が既にインドの消費者に直接打撃を与えている。それはナレンドラ・モディ首相率いるインド与党にとって大きな頭痛の種だ。来年初めに国政選挙を控えているからだ。


 インド政府当局者は、同国は米国を一層支援するためにも、イランと良好な関係を維持する必要があるとワシントンに伝えていると述べている。インドはパキスタンとアフガニスタンにおける中国の影響力に対抗するため、商業回廊の一環として、イランの都市チャーバハールの主要港の開発を支援している。それはこの地域における米国の主要目標と一致している。

 はるかに難題なのが中国だ。イラン最大の石油購入国である中国は、イラン向け投資と貿易活動の混乱を回避するとイランに約束してきた。中国はまた、石油取引のような国際貿易のため、中国通貨・人民元の使用を奨励している。石油取引ではこれまで伝統的にもっぱらドルで決済されていた。中国は最近、人民元建ての原油先物を導入した。

 中国が欧州からの少なくとも暗黙の支持を得て、イラン産原油を増大する可能性があると見るアナリストもいる。そうなれば、米国の参加なしでイラン核合意を存続させる一助となろう。

ローマに拠点を置くシンクタンク、「国際問題研究所(IAI)」のニコラ・カサリーニ氏は、上海で最近開催された地域安全保障会議で、「我々にはイラン核合意の存続で共通の利益がある」と語った。

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イラン石油相、「イランの原油の輸出・生産量に変更はない」

2018年07月11日 | シリア
  • イランのザンゲネ石油大臣イランのザンゲネ石油大臣

イランのザンゲネ石油大臣が、「これまでにイランの原油の輸出・生産量に変更は生じていない」と語りました。

IRIB通信が7日土曜、報じたところによりますと、ザンゲネ大臣は、「イランは、アメリカによる石油関連の対イラン制裁に対し、然るべき対応策や計画を進めており、今後もそれを推進する」と述べています。

また、OPEC石油輸出国機構に対し石油の増産を迫った、アメリカのトランプ大統領のツイートに関しても、「OPECの基本方針は、石油市場が政治的なものとならず、政治的な要素が市場に絡んではならないというものである。だが、一部の政治的な行動や情勢不安は、石油市場における懸念の発生や値上がりにつながる」としました。

さらに、「トランプ大統領の行動により、原油の国際価格が上昇し、石油市場が不安定化している」と語りました。

ザンゲネ大臣はまた、イランの原油の輸出と国際石油市場の将来についても、「イランの政府と石油省は、アメリカの行動に対抗し、石油の輸出市場の維持に全力を挙げている」と述べています。

アメリカの大手投資銀行であるバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、「アメリカ政府が、イランの原油輸出を完全に停止させるような行動に出れば、世界市場における原油価格が1バレル120ドル以上に値上がりするだろう」として警告しています。

2018年07月07日18時09分
         

イラン合意からの米離脱をプーチンが喜ぶ訳

2018年07月11日 | シリア

イラン合意からの米離脱をプーチンが喜ぶ訳

Crude Gesture

 

(`・ω・´)米国は地獄に落ちろ

 

2018年6月15日(金)16時30分
オーエン・マシューズ(モスクワ支局長)

アメリカのイラン合意離脱はプーチンが思いどおりに国を動かす追い風になるかもしれない Maxim Shemetov-REUTERS

<対イラン制裁強化による石油の供給減と価格急騰のおかげで財政は回復へ――ただし行き過ぎは石油離れの原因になる>

 

ドナルド・トランプ米大統領は5月上旬にイラン核合意離脱を宣言し、「イランにかつてない最強の制裁を科す」と誓った。最大の標的の1つは活況に沸くイランの油田。ヨーロッパとアジアに日量400万バレルの原油を供給する経済の原動力だ。

イランや諸外国がひるむなか、アメリカの方針転換に唯一喜んだ国がある。ロシアだ。

その理由は需要と供給。新たな制裁が今秋全面実施されれば、日量100万バレルのイラン産石油が世界市場から消える見込みだ。その結果、原油価格が急騰して一番得をするのはロシアだろう。ロシアは世界最大のエネルギー輸出国だが、過去4年間、原油価格の下落によって経済が深刻な打撃を受け、財政赤字や緊縮計画につながってきた。

 

 

だがそれもトランプのおかげで風向きが変わるかもしれない。「トランプの思いがけない贈り物に感謝しなくては」とモスクワの石油アナリスト、アレクセイ・ガブリロフは言う。「イランの損はロシアの得になる」

石油の需要回復はロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって政治生命の新たな命綱だ。

5月7日、プーチンは通算4期目の就任宣誓で、ロシアが「独自の開発計画を策定し、障害や環境に邪魔されずに自分たちの未来を自分たちだけで決められるようにする」と誓った。だがその裏では長引く不況を乗り切るため、財政赤字に備えた安定化基金1250億ドルを使い果たそうとしていた。

14年、ロシアによるクリミア併合とウクライナ分離独立派への支援に対してアメリカが初の制裁を科して以来、通貨ルーブルの価値は半分近く下落。インフレ率は2桁に達し、ロシアの多くの大物実業家が国際金融システムから締め出された。

国際的な石油価格の下落も財政危機の一因となった。石油と天然ガスはロシアの輸出の約50%を占める。損失を補塡し、軍事支出と社会支出を維持するべく、プーチンは原油価格下落に備えて蓄えていた安定化基金を利用した。

だが今年1月、ロシア財務省は安定化基金が約170億ドルに減少し、枯渇しかけていると発表。政府は年金受給開始年齢を現在の女性55歳、男性60歳から、男女とも65歳に引き上げる不評な年金制度改革まで計画した。

プーチンがロシアを意のままに運営し、世界に影響力を振るえる最大のカギは石油価格だ。原油先物価格が3年半ぶりに1バレル=80ドルを超えるなど最近の石油高騰を追い風に、ロシアはウクライナとシリアへの介入を踏みとどまらなくなるのではないかと専門家は予測する。

過去4年間、歳入減少にもかかわらず、プーチンは軍事支出をGDPの5%に拡大した(NATO加盟国の軍事支出の目標はGDPの2%以上だが、目標を大きく下回る国がほとんどだ)。

シェールガスが勢いづく

 

プーチンは欧米と「長期の意地比べ」をしているつもりらしいと、資産運用会社ブルーベイ・アセット・マネジメントのティム・アッシュ上級ストラテジストは指摘する。「石油が値上がりすれば、プーチンは欧米に対して時間稼ぎができる」

アメリカの政策は原油価格高騰のお膳立てをしていると、専門家は言う。対イラン制裁の復活を受けて、世界の石油埋蔵量の47%を占める中東では緊張が高まった。大統領選の公正さが疑問視されている南米の主要産油国ベネズエラに対しても、米政府は制裁を強化する見込みだ。そうなれば国際市場に出回る原油はさらに減少する。

一方、OPECは17年1月以来、石油価格を少しずつ押し上げるべく協調減産を実施。サウジアラビアの仲介による16年12月の合意以来、ロシアも日量30万バレルの減産を実施してきた。仏エネルギー大手トタルのパトリック・プヤンヌCEOは数カ月以内に1バレル=100ドルに回復すると予測する。「世界は変わった」と、プヤンヌは5月、石油関連企業のトップらに語った。「地政学が再び市場を支配する世界だ」

 

 

ロシアにとって石油急騰はリスクも伴う。ロシアは原油に頼っているが、原油価格急騰を機に、より燃費がよく低価格のエンジンやバッテリーへの投資が増える。何よりロシア石油業界の戦略上の宿敵、アメリカのシェールガスの生産が急増する。

ロシアにとって理想的な石油価格は「50~55ドル」と、コンサルティング会社マクロ・アドバイザリーのクリストファー・ウィーファーは言う。ロシアの財政を均衡させる程度には高いが、石油に代わるエネルギー源や技術を勢いづかせて石油の長期的な将来性を損なうほど高いわけではない、というレベルだ。

シェールガスの動向で景気が左右されるような状況は、ロシアが何としても避けたいところ。だからこそロシアは、矛盾するようだがトランプのイラン核合意離脱計画に反対してみせた。セルゲイ・ラブロフ外相は合意離脱を「国際法を踏みにじるもの」と非難。ロシアはイラン石油産業に多額の投資をしており、それが打撃を受けかねないことも反対理由の1つだった。

とはいえ、当面のところは1バレル=80ドルでも見通しは明るい。ロシアは連邦予算均衡に必要な額を1カ月100億ドル上回る収入を得ることになる。ゴールドマン・サックスの予測では18年の経済成長率は3.3%で、欧米を上回る見込みだ。米大統領選への介入を理由にアメリカが新たな制裁を科したにもかかわらず、今年第1四半期のインフレ率は2%に低下した。

プーチンはアメリカに感謝しているに違いない。

本誌2018年6月19日号掲載

 

 


週刊イラン

2018年07月11日 | シリア
  • テヘランテヘラン

この1週間にイランで起こった主な出来事です。                  

イランのローハーニー大統領が、スイスとオーストリアを訪問しました。

核合意合同委員会の外相会合がオーストリアのウィーンで開催されました。

テヘランに駐在するフランスとベルギーの大使、ドイツの臨時大使が、イラン外務省に呼び出されました。

ウィーンでオーストリア大統領の出迎えを受けるローハーニー大統領

先週、イランのローハーニー大統領は、スイスとオーストリアを訪問しました。

この訪問での会談の重要な議題は、核合意と両国の経済関係でした。ローハーニー大統領のスイスとオーストリアの訪問の後、ウィーンで、核合意合同委員会の外相会合が開催されました。

 

アメリカが5月8日に核合意から離脱し、ヨーロッパ諸国がこの合意の維持を求めた後、イランは、アメリカの制裁が復活した後、イランの核合意による利益の具体的な保障を示す機会をヨーロッパに与えました。イランは、核合意の他の締結国の要請により、イランの利益が確保されるのを確かめるため、アメリカの大きな違反に対する対応を延期しました。

 

アメリカが核合意から離脱した後の2ヶ月間、核合意に沿ったイランの経済的な利益を確保するために多くの努力が行われました。この努力の一環として、オーストリアのウィーンで、7日金曜、アメリカの離脱後初めての核合意合同委員会・外相会合が開催され、イラン、ドイツ、フランス、中国、ロシアの外相、イギリスの外務次官、EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表が出席しました。

ウィーンでの核合意合同委員会の会合

 

ウィーンの会合では、イランへの投資、経済協力、運輸、銀行関係、原油の売却の継続といった問題について話し合いが行われました。モゲリーニ上級代表が読み上げた核合意合同委員会の最終声明では、この協力の継続と核合意の維持が強調されました。

 

核合意合同委員会の最終声明は、イランの利益の保障におけるヨーロッパの影響力と具体的な措置への期待とはかけ離れたものとなっています。イランのザリーフ外務大臣は、核合意合同委員会の外相会合の後、「イラン国民の利益は、核合意に基づいて保障されるべきだ」と語りました。

 

ヨーロッパの措置の結果を確信できないことは、核合意合同委員会の会合の前から明らかでした。イランのローハーニー大統領は、この会合の前にドイツのメルケル首相と電話で会談し、核合意の協力継続に関するヨーロッパ3か国の提案は、失望するものだったとし、次のように強調しました。

 

「ウィーンでのヨーロッパ諸国の外相会合のプロセスが、イランの協力を促すようなものであれば、ヨーロッパとの協力を継続する」

 

ローハーニー大統領はまた、フランスのマクロン大統領とも電話で会談し、ヨーロッパ3か国の提案の内容は適切なものではなかったとしました。

 

ヨーロッパの提案の内容は、全体としては、アメリカへのヨーロッパの反対の一部が盛り込まれており、重要な点を含んでいるかもしれませんが、容認できるレベルにはなく、それを、核合意におけるイランの利益を守るためのEU独自の可能性を活用したものと見なすことはできません。自由貿易と主権の原則は、各国の関係が、共通の利益に基づいて築かれるべきだと定義されています。

ローハーニー大統領と天野事務局長

 

ローハーニー大統領は、ウィーンで、IAEA国際原子力機関の天野事務局長と会談し、イラン国民の核合意における権利が満たされなければ、我々が核合意に留まる理由はないと強調し、次のように語りました。

 

「イランの核活動は常に平和目的で行われているが、IAEAとの協力レベルについて決定するのはイランであり、イランとIAEAの協力レベルの変更や状況の変化の責任は、新たな状況を生み出した国々が負うことになる」

 

イラン外務省は、先週、イランに駐在するフランスとベルギーの大使、および、ドイツの臨時大使を呼び出し、パリで行われたテロ組織モナーフェギンの集会での爆弾テロを企てたという根拠のない理由で、ドイツ駐在の外交官の一人が逮捕されたことに抗議しました。

イラン外務省

 

6月30日、ベルギー警察は、イラン系ベルギー人の男女を、フランスでのモナーフェギンの集会を襲撃しようとした容疑で逮捕しました。オーストリアに住むイランの外交官も、この男女とつながりがあったという主張で、ドイツ当局に逮捕され、またこの事件に関連して、フランスでも1人が逮捕されました。

 

この根拠のない事件がすぐにメディアで報道されたことから、その目的が、イランとヨーロッパの関係を壊すことにあることは明らかでした。この根拠のない事件を作り出すのに選ばれた時期も完全に計画的なもので、一部の西側メディアとの調整により、ローハーニー大統領のヨーロッパ訪問をわきに追いやるために計画されたものでした。

 

イランに対する計画的なメディアの攻撃は、フランス政府が、テロとの戦いを主張しながら、モナーフェギンとその支持者の会合を開いたときに行われました。モナーフェギンは、数々のテロ作戦による、イランの市民1万7000人以上の殉教に関与しました。

パリでのモナーフェギンの会合

 

パリでのモナーフェギンの集会は、先週日曜、トランプ大統領の弁護士らが出席し、一部の西側の関係者が演説を行う中で開催されました。

 

イギリスの新聞、ガーディアンは、パリでの会合について、次のように報じました。

 

「この集会に出席したイラン人は半数に満たなかった。その多くは、バスに乗り、週末の休暇と食事を約束され、フランスの首都に連れてこられた外国の移民だった」

 

現在、世界の世論やヨーロッパの人々は、サウジアラビアが、シリア、リビア、イエメンの衝突や戦争を煽るために何十億ドルもの費用を投じていることを知っています。タクフィール主義のテロリストは、アメリカ、サウジアラビア、シオニスト政権イスラエルの支援による産物です。2001年のアメリカ同時多発テロ事件の実行犯19人のうち、15人はサウジアラビア国籍を有していました。しかし、アメリカ政府はしばらくの間、9.11の調査報告にあったこの事実を隠蔽していました。

 

イランは、これまで何度も表明してきたように、世界のあらゆる場所におけるあらゆる形でのテロや暴力を非難し、容認できないものと見なしています。イランは、地域におけるテロによって多くの被害を蒙ってきました。先週は、過去にあった、そのような苦い出来事を思い起こす日にあたりました。

 

1982年7月5日、シオニスト政権の傭兵が、レバノンで、イラン人外交官4人を拉致しました。ベイルートのイラン大使館のホセイニー代理大使は、先週、この4人の外交官の拉致事件から36年を迎えた式典で、1982年7月、レバノン領土の広範囲がシオニスト政権の占領下にあったとし、「イラン人外交官の拉致事件の真の責任は、シオニストの占領者にある」と語りました。また、「イラン政府、レバノン政府、国連をはじめとする全ての当事者から構成される調査委員会を結成し、イラン人外交官の安否を明らかにすべきだ」と述べました。

 

イランに対する敵対は広範囲にわたっています。アメリカ国務省は、人身売買に関する年次報告の中で、イランに対して根拠のない非難を行いました。アメリカ政府は、北朝鮮、ネパール、ソマリア、南スーダン、イエメン、その他数か国とともに、イランを人身売買への対策に関して最低レベルの国と評価しました。

 

こうした中、イランは数年前から人身売買への対策として、さまざまな法を制定してきました。イランの憲法第156条でも、この罪への対策がはっきりと強調されています。

 

イランは、人身売買への対策に関する法案を可決し、国際社会の足並みに合わせ、真剣な対策を開始しています。この中で、イランの、難民への支援やアフガニスタン人の人権への注目は、国連やヨーロッパの独立機関から何度も称賛されてきました。

 

イラン外務省外国人総局のサーレヒー氏は、先週、マシュハドで開催された会合で、イランには200万人のアフガン難民がいるとし、「昨年のアフガン難民に関するイランの措置には、移民の子供10万5000人への教育の提供、4000人の難病患者の治療、9万2000人の無料の保険加入があった」と語りました。

 

サーレヒー氏は、「読み書きのできないアフガン人の親75万5346人には、識字率向上運動によって教育が施された。昨年の大学入試では、イランで学んだアフガニスタン人の生徒90人が上位に入った」と述べました。現在、イランの大学では、2万4500人のアフガン人の学生が学んでいます。

 

アメリカ政府は、世界の難民の権利擁護を訴えていますが、人身売買の犠牲者およそ300万人の半数が、アメリカとヨーロッパに渡っています。アメリカの公式機関の調査には次のようにあります。

 

「毎年、10万人を超える少女が、性的搾取の対象としてアメリカで売買されている。ワシントンでも、13歳ほどの少女が、性的搾取の対象として売買されている」

 

全米人身取り引きホットラインも、この問題を認めています。アメリカ政府は、このような報告の発表により、実際、他国に対する世論操作を行おうとしており、イランはアメリカのプロパガンダの標的になっています。

 

2018年07月10日20時06分
         

露外相、「ヨーロッパ3ヶ国がドルなしでの対イラン通商関係の維持で合意」

2018年07月11日 | シリア
  • ラブロフ外務大臣ラブロフ外務大臣

ロシアのラブロフ外務大臣が、イランとの核合意に調印したフランス、ドイツ、イギリスのヨーロッパ3ヶ国は、アメリカドルなしでのイランとの通商関係の維持で合意した、としました。

ロシアトゥデイによりますと、ラブロフ大臣は9日月曜、このことを明らかにしました。

ラブロフ大臣は、最近オーストリア・ウィーンで開催されたイランと核合意の参加国の外相らによる核合意合同委員会の会合に参加していました。

ラブロフ大臣は、今回の会合の全ての参加者は、アメリカの制裁は非合法的で受け入れがたいものだとして意見が一致しています。

EUも、6日金曜のこの会合のあと、声明を発表し、「銀行ルートの維持、イラン産の原油・天然ガスの輸出の継続、イランへの投資に向けた相応しい雰囲気の創出などが優先政策である」としています。

2018年07月10日16時02分
         

トルコが正式に議院内閣制から大統領制に移行

2018年07月11日 | シリア
  • エルドアン大統領エルドアン大統領

先月のトルコ大統領選で再選を果たしたエルドアン氏が、議会で大統領就任の宣誓を行い、これによりトルコが正式に議院内閣制から大統領制に移行しました。

イルナー通信によりますと、トルコ国民は、昨年の国民投票で議院内閣制から大統領制への移行に賛成票を投じており、先月24日の大統領選挙を受けて、エルドアン氏が新体制移行後初の大統領に選出されました。

選挙結果が確定したことで、9日月曜には、トルコ議会において、エルドアン新大統領の就任宣誓式が実施され、これに50カ国の首脳が出席しました。

トルコ憲法第18条の改正により、トルコの政治体制は95年ぶりに大統領制へと変更され、首相のポストが廃止されて大統領が1期5年間にわたって政府のトップと閣僚の責任者をつとめる事になります、

トルコの新体制では、エルドアン大統領は組閣に関して、議会からの承認を得る必要はなくなります。

2018年07月09日17時58分
         

トルコ、アメリカの対イラン制裁を無視

2018年07月11日 | シリア
  • エルドアン大統領とローハーニー大統領
  • エルドアン大統領とローハーニー大統領

トルコの政治問題の専門家であるカディオグル氏が、「トルコは、アメリカのイランに対する制裁や脅迫を無視し、国益に沿って、さまざまな分野でのイランとの協力や関係の拡大を追求する」と語りました。

カディオグル氏は、IRIB国際放送ラジオ・トルコ語のインタビューで、アメリカのイランに対する敵対的な制裁に関するトルコの立場について、「トルコのエルドアン大統領は、常に、二国間、地域、国際の分野で、イランと緊密な関係を行ってきた。今後もそれを継続するだろう」と強調しました。

また、イラン、トルコ、ロシアの、シリア問題の解決に向けた協力により、アメリカとシオニスト政権イスラエルの中東における植民地主義政策は失敗したとし、「トルコの大統領と国民は、アメリカの地域政策に激しい憤りを感じている」と語りました。

さらに、「トルコは、地域におけるアメリカの政策への報復措置を追求しており、トルコに対するあらゆる行動は、悪い結果をもたらすということを示す」としました。

カディオグル氏は、トルコは、アメリカの対イラン制裁を認めていないと強調し、「トルコの政治家は、アメリカが、自分たちの利益のためにトルコと同盟関係を組んだこと、いつの日か、トルコのことが必要なくなれば、この同盟関係を破棄することを知っている」と語りました。

2018年07月09日20時29分
         

140以上の政治団体がイスラエル・ボイコットを求める

2018年07月11日 | シリア
  • イスラエルボイコット運動イスラエルボイコット運動

世界の140以上の政治団体が、シオニスト政権イスラエルに対するボイコットに肯定的な見解を示しています。

ユーニュースによりますと、社会主義インターナショナルの会合で、140以上の政治団体が、パレスチナ人に対する人種差別や占領行為を終わらせるため、シオニスト政権に対するボイコットを呼びかけるとともに、シオニスト政権との軍事的な協力や通商協力の完全な禁止などの罰則を設けることを求めました。

社会主義インターナショナルはまた、スイス・ジュネーブの国連関連の建物で行われたこの会合で、シオニスト政権に対するボイコットにより、資本を占領地から引き上げ、この政権に対する罰則を設けることを決定しました。

社会主義インターナショナルは世界の140以上の政治団体を含む組織であり、このうち、35の政党が各国の第1党となっています。

パレスチナの国民委員会は、この社会主義インターナショナルの行動を評価し、イスラエルに対する罰則を定めるよう求めたことは、イスラエルボイコット運動にとっての歴史的な成果とみなされるとしました。

イスラエル・ボイコット運動は欧米など、世界各地で活動しており、シオニスト政権に対抗する上での幅広い活動を行っています。

2018年07月09日20時32分
         

中国首相が、核合意の崩壊の結果について警告

2018年07月11日 | シリア
  • 中国とドイツ首相中国とドイツ首相

中国の李克強首相が、核合意のすべての関係国に対し、この合意崩壊の結果について警告しました。

タスニーム通信によりますと、李克強首相は、9日月曜、訪問先のドイツ・ベルリンでメルケル首相と共同記者会見を行い、「核合意の崩壊は、想定外の大きな結果をもたらす可能性があることから、関係国によるこの合意の完全な遵守が不可欠だ」と語りました。

一方、メルケル首相も、ドイツの核合意遵守を強調し、「イランへの投資に関して決定するのは、企業だ」と語りました。

メルケル首相は、オーストリア・ウィーンで開催された、核合意の維持に向けた方法を話し合うイラン、ドイツ、フランス、イギリス、中国、EU外務安全保障政策上級代表らによる外相会合で、「イランと協議すべき事柄はたくさんあるが、すべての関係国が核合意に留まることが望ましい」としました。

中国外務省の華春栄報道官も、9日、中国はアメリカによる一方的な対イラン制裁に従わないと強調しました。

アメリカのトランプ大統領は今年の5月8日、イランに対する根拠のない非難を繰り返し、アメリカの核合意離脱と、イランに対する核関連の制裁の復活を宣言しました。

トランプ大統領のこの行動は、アメリカ国内外で大きく非難されています。

核合意に調印したその他の関係国であるイギリス、フランス、中国、ロシア、ドイツ、EUは、この国際的な合意への支持を表明しています。

 

2018年07月10日20時42分
         

中国、「アメリカの一方的な対イラン制裁を受け入れない」

2018年07月11日 | シリア
  • 中国外務省報道官中国外務省報道官

中国外務省の華 春瑩(か ・しゅんえい)報道官が、「中国は決して、アメリカによる一方的な対イラン制裁を受け入れない」と語りました。

ファールス通信によりますと、華報道官は9日火曜、「中国は、イランと6カ国による核合意の維持に向けて、これからも努力を続ける」と述べています。

アメリカのトランプ大統領は今年の5月8日、イランに対する根拠のない疑惑を繰り返し、アメリカの核合意離脱と、イランに対する核関連の制裁の復活を宣言しました。

トランプ大統領のこの行動は、アメリカ国内外で大きく非難されています。

核合意に調印したその他の関係国であるイギリス、フランス、中国、ロシア、そしてEUは、この国際的な合意への支持を表明しています。

2018年07月10日18時37分