嘘とダブルスタンダードの米国
- 2015/05/18
- 11:43
◆17日の読売新聞の「地球を読む」欄に米国の国際政治学者でジャパン・ハンドラーの頭目ジョセフ・ナイが寄稿していました。題して「核大国ロシア・衰退で増す西側への脅威」とあります。すこしばかり抜粋してみます。
ロシアのプーチン政権は、西側諸国が対ロシア制裁の継続を検討しているにも関わらず、ウクライナに対する侵略政策を全く緩めていない。
長期的に見てロシアは衰退に向かっている。だが、欧州をはじめとする国々にとって、ロシアは依然として、国際秩序に対する極めて切実な脅威となっている。それどころか、衰退こそがロシアをより一層、危険な存在としているのかも知れない。
先ず、断言したい。ウクライナで起きているのは、ロシアによる侵略である。ロシア軍は戦闘に参加していない、というプーチン大統領の言い分は、つい最近、根拠のないものである事がわかった。
ウクライナ東部のドネツク州で英BBCロシア語放送のインタビューに応じたロシア人戦闘員が反政府勢力の支配地拡張に、自分たちが決定的な役割を演じていることを肯定したからだ。
そ の戦闘員によれば、2月に行われた交通の要衝デバリツェボの攻略を含め、大規模な軍事作戦を、複数のロシア軍将校が直接指揮しているという。だがロシアが もたらす脅威は、ウクライナにとどまらない。何はともあれロシアは、米国を破壊するに足りるミサイルと核弾頭を有する雄一の国である。
(中略・そして結論)
現 時点で各国の総意らしき政策は、対露制裁を維持し、ウクライナ経済をテコ入れし、北大西洋条約機構(NATO)を強化し続けることである。NATO強化と いう対応は、間違いなくプーチン大統領の想定外だろう。だが依然として、なにが起きるかは、ほぼ同大統領次第、と言うのが現状である。
(以上)
◆読売はもともと米国ジャパンハンドラーズのプロパガンダ紙です。キッシンジャーやナイなどに寄稿させ、B層を間違った方向へ誘導する役目を負わされていますので、矢張りプーチンやロシアの脅威を煽りたてているのです。
目的は、日本とロシアの友好を阻止するとともに経済制裁を強め、日本にウクライナ支援のためにカネを出させるためです。
◆ ナイはウクライナ紛争の始まりはすべてプーチンが一方的に侵略した事に原因であると言っていますが、それは全くの出鱈目で、ウクライナの政情を不安定にし たのは米国です。オバマ政権はロシア寄りのヤヌコーヴィチ大統領をクーデターで追い出す為に、偽旗作戦で内戦を起し、ロシアからウクライナを引き離し、 EU側に引き込むための謀略でした。更に言えば、米国の戦争屋たちはロシアを仮想敵国として新たな冷戦時代を作ろうとしているとしか思えません。
◆ナイはハーバード大学教授でもありますが、インテリジェント・パワーとかスマート・パワーという本を出し、軍事力よりも蝶報活動で敵を攻略する方法を提唱しています。つまり陰謀と策略で敵を追い詰めるという手法です。ウクライナの内戦もこの男の謀略ではないでしょうか。
◆CIA は2014年5月に悪名高いアメリカの民間警備会社、アカデミ(旧ブラックウォーター)所属の約400人の傭兵を派遣し、ウクライナ南西部で親ロシア派勢 力対するウクライナ政府軍の作戦を指揮するために参加させています。この傭兵の投入に怒った親ロシア派住民が立ち上がり内戦状態になったのです。
◆するとプーチン大統領は即座にロシア海軍基地の要衝クリミア半島を占拠し、住民投票を行ってこの地をロシア領に組み入れてしまったのです。それはロシアの防衛にとっての死活を決することであり、絶対に欧米の手に落としてはならない処であったからです。
◆米国はウクライナに傀儡政権を樹立するためにユダヤ人を送り込みました。向かって右はアルセニー・ヤツェニュク首相、左がペトロ・ポロシェンコ大統領。
この人事はビクトリア・ヌーランドという米国務次官補が決めたことも判明しています。
◆2014年2月に、ジェフ・パイアット駐ウクライナ米国大使とヌーランドの通話内容がYoutubeに投稿されています。
Марионетки Майдана
◆ ヌーランドはウクライナの今後はヤツェニュクが望ましいと主張し、他の候補者、ビタリ・クリチコやオレグ・チャグニボクの排除を計っています。またヌーラ ンドは国連によるウクライナへの介入を支持し、ヌーランドの意にそぐわない欧州連合(EU)を「fuck EU(EUなんか、くそくらえ)」と侮蔑する発言をしています。これによりウクライナやロシアから、アメリカのウクライナに対する内政介入を批判する声が 上がっていました。
これに対し、米国務省のサキ報道官は、この会話内容が本物であることを認め、2月6日にヌーランドはEU側に謝罪したと発表しています。
◆ ウクライナ問題の真相がこれほど世界的に知れ渡っているのにも係わらず、米国のジャパンハンドラーズやゴミウリ新聞は、相変わらずロシアとプーチンを悪党 呼ばわりして、日本にロシアとの対話を止めろ、などと命令して、プーチン大統領の年内訪日計画を潰そうとしているのです。この米国の陰険悪辣なロシア攻撃 の手口が世界中に知れわたっているにもかかわらず、日本政府はジョセフ・ナイの嘘を信用し、米国の不当なロシア制裁に同調するのでしょうか。
◆日露間では、この4月か5月にプーチン氏の来日が予定されていましたが、米国の命令で日本政府がロシアへの経済制裁を発動したことで計画は延期されていましたが、両国間では再度スケジュール調整が行われているところへまたしてもオバマが横やりを入れています。
とにかく米国は日本に対してあれこれと干渉しすぎであり、実にうんざりします。
首相「プーチン氏と対話」オバマ氏「慎重に」
4月28日の日米首脳会談の際、安倍首相がロシアとの対話の重要性を主張し、プーチン大統領の年内来日に向けた調整を進める考えをオバマ大統領に伝えていたことが15日、日米両政府関係者の話で明らかになった。
ウクライナ問題で対露圧力を強めるオバマ氏は、プーチン氏の来日時期について日米両国ですりあわせることが重要との認識を示し、慎重な対応を促した。
戦後70年の節目に行われた先の日米首脳会談は、安全保障と経済の両面で日米同盟の強化が確認され、蜜月ぶりを印象づけたが、ロシア外交を巡っては、双方の考え方の違いも浮かび上がった。
日 本政府関係者によると、首脳会談では、オバマ氏がウクライナ問題への懸念を表明した上で、「先進7か国(G7)で結束して取り組むべきだ」と述べた。クリ ミア半島編入などのロシアの「力による現状変更」を認めず、G7が連携してロシアに圧力をかけることを呼びかけたものだ。
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%80%8C%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E6%B0%8F%E3%81%A8%E5%AF%BE%E8%A9%B1%E3%80%8D%E3%82%AA%E3%83%90%E3%83%9E%E6%B0%8F%E3%80%8C%E6%85%8E%E9%87%8D%E3%81%AB%E3%80%8D/ar-BBjQcYx
◆オバマ政権というより、ホワイトハウスは機能しているのか、どうも疑わしい部分があります。米国は常に二重外交をしているような気がします。
オバマ大統領と、ケリー国務長官の動きや文言には大きなずれがあるように見えます。一方でロシアに色々な制裁を加えながら、他方では友好関係を構築するような動きを見せています。米国のダブルスタンダードは日常的ですが、日本は何時まで振り回され続けるのでしょうか。
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