ヘンリー王子「スペア」めぐり航空会社が異例の声明 記載事実のようなことはない
東スポWEB の意見 - 昨日 19:3213535 コメント
ヘンリー王子の回顧録「スペア」について、ニュージーランド航空が12日に内容を否定する声明を出した。英国の各メディアが伝えた

ヘンリー王子(ロイター)© 東スポWEB
10日に発売されたヘンリー王子の回顧録「スペア」が、英国、米国、カナダだけでも発売から丸1日で143万部を突破。早くも増刷が計画されているという。内容には賛否両論が出ており、ウソや事実誤認をめぐり、英米メディアや王室批評家が検証を続けている。
今回問題になったのは、ヘンリー王子とメーガン妃の結婚式が行われた2018年に、当時パパラッチとの「やらせ写真演出」で非難を浴びて、娘とは疎遠になっていたメーガン妃の父親トーマス・マークルをメディアからの嫌がらせから守るために、ニュージーランド航空のメキシコ―英国間のファーストクラスをメーガン妃が予約したと書かれている部分だ。
これを受けてニュージーランド航空は12日に「メキシコと英国の間でフライトを運航したことはない」「(同社にファーストクラスはなく)ビジネス・プレミアクラスしかない」との声明を出した。
英国の王子に対して他国の大企業がこのような声明を出すのは異例中の異例。結局、トーマスは結婚式に出席していない。ニュージーランド航空は公式ツイッターでも、この「ウソ」に対する揶揄(やゆ)を投稿している。
「スペア」のウソや事実誤認については米メディア「ページ・シックス」が家庭用ゲーム機「Xbox」についての記述の誤りについて報じたばかりだが、存在しないフライトを予約したという誤りは「記憶違い」とは言い訳する余地もない。空前のベストセラーとなった「スペア」だが、もはや間違い探しのような状況になっている。

Photo:スプラッシュ/アフロ、ゲッティイメージズ
2023-01-13
ヘンリー王子の回顧録『Spare』に書かれた内容について、いくつかの“間違い”を指摘されていることを受けてゴーストライターが釈明した。(フロントロウ編集部)
ヘンリー王子の回顧録『Spare』にいくつかの“間違い”が見つかる
イギリス王室のチャールズ国王の次男で、2020年3月末をもって高位王族の座を退いたヘンリー王子が回顧録『Spare(原題)』を出版した。タイトルの『Spare』(意味:予備、代わり)は、は古くから君主とその兄弟が「継承者とそのスペア」と表現されてきたことに因んでつけられたもので、ヘンリー王子の口述をもとに、ゴーストライターのJ・R・モーリンガー氏が代筆した。

個人的な話だけでなく、家族や王室を非難するような記述も多く含まれていることから何かと物議をかもしている『Spare』だが、それだけでなく、内容に関していくつかの“間違い”を指摘されている。
たとえば、2002年3月にエリザベス女王の母でクイーン・マザーの名で知られたエリザベス皇太后が亡くなったときのことを振り返った箇所で、ヘンリー王子は訃報を聞いたとき「寄宿学校にいた」と言っていたが、当時の報道では、父チャールズ国王と兄ウィリアム皇太子とスイスでスキー旅行中だったとされている。
また、ヘンリー王子は大手ディスカウントショップのTK Maxxがお気に入りで、「とくに年に一度のセールが好きだった」という話については、TK Maxxが王子が言うようなセールは行なっていないと否定している。
それ以外にも、ヘンリー6世が「ひい ひい ひい ひい ひい ひい ひいおじいさん」であるという不正確な情報(ヘンリー6世の1人息子は17歳で亡くなっており、直系の子孫はいない)や、母ダイアナ元妃の死後に家庭用ゲーム機のXboxをプレゼントされた(しかし、当時まだ発売されていなかった)話など、首をかしげるようなエピソードが。
なお、間違いを指摘されたモーリンガー氏は、メアリー・カー氏の著書『The Art of Memoir(原題)』から引用した「記憶と事実、解釈と事実の境界線は曖昧です。そういううっかりミスは、いくらでもあるのです」という言葉をツイッターに投稿して釈明。
さらに、『Spare』から抜粋した「根拠はどうであれ、私の記憶は私の記憶であり、自分の思うように集められ、整理されています。いわゆる客観的な事実と同じように、自分の記憶や記憶のしかたにも真実があるのです。年表や因果関係といったものは、私たちが過去について語る寓話に過ぎないことが多いのです」、「Xboxでした。嬉しかったです。テレビゲームが好きでしたから。
とにかくそういう話です。私の人生の多くの記述に福音として登場しています。それが真実かどうかはわかりません。パパがママは頭を負傷したと言っていましたが、もしかしたら私の方が脳に障害があるんじゃないでしょうか?防衛本能なのか、私の記憶力は、かつてのように記録することができなくなっていました」というヘンリー王子の言葉を用いて遠回しに反論した。


(フロントロウ編集部)
2023-01-13
国際情報
2023.01.14 07:00NEWSポストセブン
- 有識者がパネル討論「企業のカーボンニュートラルの取り組みに向け…(PR)パナソニック ホールディングス on 未来コトハジメ

ヘンリー王子の回顧録はベストセラーとなっている(AFP=時事)
臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、回顧録がベストセラーとなっているヘンリー王子の「レジリエンス」低下について。
* * *
英王室を離脱したヘンリー王子の回顧録『Spare(スペア、原題)』が10日、世界各国で発売された。タイトルからして衝撃的で、ネガティブな印象が強く、人々の興味を掻き立てるためには十分効果的だ。
英王室を離脱したヘンリー王子の回顧録『Spare(スペア、原題)』が10日、世界各国で発売された。タイトルからして衝撃的で、ネガティブな印象が強く、人々の興味を掻き立てるためには十分効果的だ。
2番手や補充要員という意味の”スペア”は、貴族階級などでは継承者に何かあった場合にそれを補う予備の者を指すという。その言葉をタイトルにつけたというだけで、苦しさや悲しさ、辛さや怒り、フラストレーションといったマイナス感情ばかりが伝わり、今のヘンリー王子が心から英王室との和解を望んでいるとは思えないだろう。
販売元のペンギン・ランダムハウスが出したプレスリリースには「この本はヘンリー自身が、ようやく自分の物語を語る機会となる」と書かれていたといい、ヘンリー王子の最新のインタビューでは出版の理由を「私たちを守る唯一の方法は真実を書き残すことです」と語ったという。
本の中では、ウィリアム皇太子と口論した際に暴力を振るわれたことがあると語り、アフガニスタンの従軍中、イスラム主義組織タリバンの戦闘員を25人殺害し、その人々を「チェスの駒」と表現していると報じられた。英国ではすでにベストセラーとなっているようだが、それに反して英国での王子の支持率は過去最低の26%となった模様だ。
王子の境遇、立場、環境などを思い返せば、胸の内に複雑な感情があることは理解できる。だがこんなにも心が傷つきやすい人だったのだろうか。結婚前の王子は一般的にも無邪気でやんちゃなイメージが強かった。
王子がもともと持っていた資質によるものも大きいだろう。そんな側面ばかりがメディアで取り上げられてきたためかもしれないが、ストレスにさらされてもうまく対処し、回復していくという力「レジリエンス」が高い印象があった。心が傷つき、落ち込んでも、そこから立ち直るしなやかさや精神的な回復力が高いように見えたのだ。

2019年、エリザベス女王の誕生パレードを出迎えるロイヤルファミリー。ヘンリー王子とメーガン妃も笑顔で参加していた(EPA=時事)
だが今やそのイメージは変わってきている。環境や人間関係に敏感に反応し、物事をネガティブに捉えやすい面が露わになるにつれ、王子のレジリエンスがどんどん低下している印象が拭えない。
困難な状況も乗り越え、より良い対処法を探すより、本音を暴露し自分たちを被害者とみなし、正当化する方が優先されている気がする。
多くの人が指摘するように、王子の主張には強烈な矛盾が感じられる。自分たちの意思で王室から離れておきながら、身を引く気配はない。プライバシーの侵害を盾にメディアを批判しながら、大切なはずのプライバシーを切り売りして注目を集める。
家族を傷つける意図はないとしながら、王室の内実をさらけ出して波風を立てる。不平不満をぶちまけるように様々なエピソードが明かし、自分やメーガン妃を正当化する。
王子の苦悩やメーガン妃のストレスに共感していたメディアや世間も、それが度重なればマイナス感情をぶつけられることに疲れてくる。
王室やメディアを利用して多額の富を得ながら、自分たちを正当化し続ける彼らにうんざりしてくる。共感や同情は諸刃の剣である。行き過ぎれば不快感を与え、反発や反感を生むことになる。
移住した米国では、王子やメーガン妃を擁護する声が多いらしいが、この暴露本でその一線を越えてしまった感のあるヘンリー王子。いったい王子はどこに向かっているのだろうか。
2023/01/13 16:00
〈ヘンリー王子 暴露で波紋〉エリザベス女王が自費で調査した「メーガン妃のいじめ問題」 報告書が“非公表”になった本当の理由 から続く
1月10日に発売されたイギリスのチャールズ国王の次男・ヘンリー王子の暴露本「スペア(Spare)」。王室との確執、妻・メーガン妃が王室で受けた“人種差別”、さらには自身の初体験に薬物摂取の過去まで…と、衝撃的すぎるその内容に、イギリスのみならず、世界各国で波紋が広がっている。
昨年12月には自らプロデュースしたドキュメンタリー番組「ハリー&メーガン」でも“暴露”していたヘンリー王子。イギリス王室との“確執”とは、いったいどんなものなのか。長らく続く混乱を報じた 「週刊文春」 の記事を再公開する(初出:2022年12月22日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)。
◆◆◆
12月8日、英国王室を離脱したヘンリー王子とメーガン妃が自らプロデュースしたドキュメンタリー「ハリー&メーガン」(全6話)のうち3話分が米動画配信大手ネットフリックスで配信された(後半は15日配信)。米国では配信初日だけで少なくとも100万世帯近くが視聴し、英国では約80万世帯が視聴した。
15時間以上のプライベート動画やメールを惜しみなく提供し、英国では「メグフリックス」(メーガンとネットフリックスを掛け合わせた造語)と揶揄される。
配信番組でヘンリー王子は、メーガン妃への人種差別的な報道があっても王室からの指示は「『何も言うな』だった」と明かした。その上で、「自分の子供たちが混血であることを誇りに思っている」と語り、王室内の差別意識も批判したがチャールズ国王のことが念頭にあるという指摘もある。

世界中のイベントに夫婦で出席
「エリザベス女王を軽んじている」との批判が相次ぎ…
一方、メーガン妃は、2017年にウィリアム皇太子夫妻と初めて会った時、「プライベートな空間なのに堅苦しく形式ばった態度を取られた(アメリカ的なハグを拒んだ)」と主張した。さらに故エリザベス女王と初めて対面した際の「お辞儀」について触れた箇所は大問題になっている。
メーガン妃は、女王へのお辞儀は「中世風の演出をするレストラン」のショーのようだったと笑いながら振り返り、その様子を、仰々しく手を広げながら再現した。これに対し「女王を軽んじている」との批判が相次いだのだ。
ネットフリックスから200億円、自伝本で27億円…なぜこんなにお金が必要なのか
すでに予告編公開の段階で、パパラッチに囲まれる夫妻の映像とされるものが「トランプ元大統領の弁護士を追うパパラッチの映像」だった等、複数の虚偽映像の使用も判明し、物議を醸し続ける配信番組。
9日付の朝刊には「卑劣なヘンリー」(ザ・サン紙)などの見出しが並んだ。
王室離脱直後に2人は制作会社「アーチウェル・プロダクションズ」を開設し、USウィークリーによれば、ネットフリックスと140億から200億円の独占契約を結んだという。
王室への攻撃は止まるどころか、ヘンリー王子は自伝『スペア』を2023年1月に出版予定で、27億円を手にする。
なぜこんなにお金が必要なのか。夫妻の警備費は年間で数億円とされ、米国の自宅が各所に知られセキュリティーの問題で引っ越しを検討中。新居の候補地のテニスコートや乗馬用の庭付き邸宅は、優に30億円を超える。
王子は「愛する女性がまた特ダネ競争の餌食になるのを見るのは耐え難い」と配信番組で語ったが、夫妻で話題作りに奔走し続ける日々はまだ続きそうだ。
(近藤 奈香/週刊文春 2022年12月22日号)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます